デメリットタグ
〜取扱商品の特性〜

デメリットタグ

デメリットタグとは一般的に商品の注意点を記した下げ札のことです。
ここではいろはみせ取扱商品の「素材」そして「作り」について例を挙げてご紹介します。
革という素材、そして商品特性を知ることで心配や不安点を理解そして許容し、安心や愛着に変えていただけたらと願います。

化粧箱・保存袋について

当店では正規メーカーの納品時の状態(箱・袋の有無、種類、品質等)に準じて梱包させていただきます。

化粧箱は商品を守る為のものであり、管理上、多少のスレ・キズ・汚れは起こり得ます。これら梱包物の瑕疵は著しい破損・欠損を除き不良対象には当たりません。尚、メーカーの納品時に箱に破損があった場合は代替えの箱で対応させていただく場合があります。

素材について

いろはみせがメインに取り扱うのは天然の風合いを生かした皮革製品です。
素材には元々生体が持っている血筋、斑点、シワ、生きキズ等があり、製品となるまでの加工や生産ロットによる色、風合いの差異も起こります。

メーカーではそれらの個体差を、程度によって不良品扱いにすることはございません。
個体差はあっても革製品は使用することでどれも一様に少しずつ色・ツヤ・風合いが増し、味わい深いタカラモノに育っていきます。
当店とのご縁をきっかけに天然皮革の魅力を感じて頂けたら幸いです。

では素材についての例をご紹介します。

斑点、黒点

ホクロ、なめしや染色時の化学変化、及び色素が凝固したもの

加工や染色によるシワ、色ムラ、色素沈着

革の部位によるシボ(凹凸)の個体差

トラ(シワ)や血筋

生きキズ(生体の頃についたキズ)

繊維の固まり


作りについて

当店が取り扱うバッグは鑑賞用の装飾品ではなく、日常に使う実用的な道具です。

それら適正価格の商品群には熟練職人による丁寧な作りであっても細かく探せば個体の差異や少しの粗(あら)があります。メーカーによる検品をクリアし、流通している良品の中でも以下のようなものが見つかることがあります。

ここではその例をご紹介します。(当店では見栄えや使用に著しく影響するか、故障の原因になるか等を判断し、必要な場合のみ最低限処置してからお届けしています)

生産過程でつく擦り傷、痕

製造の工程でやむを得ず擦り傷がつく場合がありますが、軽度の場合は使用により摩擦で消えていく為、そのまま流通します。目立つものは当店の検品時にケアを施します。(オイルやブラッシングなどの摩擦で目立たなくすることが可能。)

ダブルファスナーについて

開口部の広いバッグなどに多いダブルファスナーは好みの広さや向きで開くことができる便利な仕様です。ファスナーレールの向きに対して引き手が順方向と逆方向の二つに分かれ、逆方向の開閉動作が少し重い傾向となります。
※世界No.1のシェアを誇るYKKのファスナーの基準となる仕様です。
※使っていくうちに金属特有のバリが取れてスムーズになります。

革の繊維の付着

裏革や洗い加工などで革の繊維が製品自体に付着することがあります。(ブラッシングなどで除去することが可能)

粘着・溶剤付着

製造工程で仮留めなどに使う粘着剤、目止め液などがはみ出したり付着する場合があります。(布で拭き取るか消しゴム、セロテープなどで除去可能、使用による摩擦で消えていく)

余り紐

余り糸が露出している場合がありますがほつれではなく多くの場合は縫い留めた余りの糸です。意図して少し余らせているものでここからほつれることはありません。
気になる場合の対処法としては糸切りハサミで切り落とすか、縫い穴や隙間に余裕があればゼムクリップの先などで押し込んで収めてやることもできます。

コバ剤のはみ出し、ひび割れ

革のコバ面の傷み予防の為に溶剤を塗ってあります。手作業のため、少しのハミ出しはご容赦ください。尚、コバ剤の特性として財布など可動部分にはヒビが生じていることがあります。革が割れている訳ではなく直接劣化につながるものではありません。

金具痕

打ち込みやミシン痕等製造工程でつくものの他、革ベルトと美錠の隙間が少ないものは革が当たることでできる圧痕が避けられません。

ヒートカット痕

化繊糸の端を熱処理した跡(切り落としてはいけません)

金属ファスナーの引っ掛かり

新品の金属ファスナーは一部の加工やエレメントのバリが原因で使用初期に軋むように感じられることがあります。使い込んだファスナーやコイルファスナー(プラスティック製)と比べると引き味は重く感じられますが、どれも使用することで金属の角が摩擦されて次第にスムーズに引けるようになります。(ミシンオイルやワックス、ロウを刷り込むことで滑りを良くすることもできます)

尚、ファスナーにはエレメント(務歯)の向きがある為、金属製ダブルファスナーの場合、順目に相対する逆目の引き手の側は行き帰り両向きとも順目に対して引きが重くなります。

金具の腐食、サビ跡

ビンテージ加工商品の金具は意図して腐食させていたり、真鍮など金具の酸化によりヌメ革にサビ痕が着く場合もありますが、商品特有の味わいとしてご理解ください。

革の白化

白い粉のようなものは、革の表面に塗り込まれた蝋(ロウ)です。使い込むことでロウが溶け出し、表情豊かな革へとエイジングします。

塗装時に付着したちり、ほこり

現在の色付け技術ではスプレー等の吹き付け塗装時にやむを得ず空気中のちり・ほこりを含みそれが革表面に付着する場合があります。 ※薄色の革では斑点及び小さな汚れに見えることがあります。

コーティング素材などの白化

油分を含む素材やラバー生地などは製造工程や納品時の摩擦による跡や白化が見られる場合がございます。ご使用の際も生地の動きや摩擦によっては白化したり、また目立たなくもなります。素材特有のもので不良や故障の原因になるものではありません。

染色革製品の色落ち

染料で色付けした革製品は使用による摩擦や油分の減少、日照などによって色薄く退色することがあります。革用のケアクリームやオイルを塗りこんで油分を補給することで乾燥を予防し、劣化を防ぐことができます。
尚、雨や汗に濡れた状態で摩擦が加わると染め色が染み出して衣類に移ることがあります。また色止め加工をしていない革製品の場合は通常使用でも肩や腰部分など強く摩擦がかかるところで色移りが生じる場合があります。使い込むことにより摩擦で油分が通い革面に被膜ができてくると色落ちは弱まります。

箔コート、メタリック塗装の特性

箔加工の商品は箔を乗せたフィルムを革の表面に貼り付けている為、強い摩擦や粘着性のある物と重なると剥離することがあります。メタリックカラーの製品は箔等を粉状にして塗料に混ぜたものを噴霧して塗装しますが、色素自体が塗料に溶け込まない性質の為、強い摩擦によって粉状の色素が擦れ落ちることがあります。

エナメル(パテントレザー)加工の色素凝固、気泡、凸凹

コーティング加工時に色素が固まって変色したり気泡や凸凹が出る場合があります。

これらは商品の仕様、特性に含まれるものであり、不良の対象にはなりません。