インドア店員のオススメBOOK
インドア派の読書好きスタッフが、ペット好きにおすすめ本やマンガを紹介していきます。
おすすめの本がございましたら是非教えてください♪





仰天エピソードに驚きと感動の連続です!
本の表紙
■内容■
自分の家に似た家の前で立ち止まりながら住宅街をトボトボと歩く犬。一緒に飼われていた猫が行方不明になり、ご飯を食べなくなってしまった犬。人でいえば50キロ以上を歩いて戻ってきた猫etc。人とペットの不思議な絆、心ない人間の傲慢な行動など、ペット捜索から見えてくる人とペットの関係。ペットの種類別、捜索マニュアルも掲載。
■コメント■
ペット探偵という職業をご存知でしょうか?迷子になってしまったペットを捜索する専門業者で、なんと7割のペットは無事見つけることができるそう。とんでもない捜査方法や危険なペットとの格闘など、1つ1つのエピソードが読み物としてとても面白く、結果が気になってどんどん読んでしまいます。
飼い主さんとの対面のシーンは感動の連続。特に印象深かったのが雑種犬のリンちゃん。ようやく出会えた飼い主さんに気づいても、疲れ果てて歩くこともできず、ただその場でポロポロと涙を流したそうです。もうたまらなくて一緒になって泣いてしまいました。
捜索のノウハウも書かれており、一人でペットレスキューをやってきたという著者の誠実さを感じる1冊です。
[ペット探偵は見た!]
【出版】扶桑社
【作者】藤原 博史
2017.10.24


ペットに愛し愛されることとは。
本の表紙
■内容■
長い尾をひいたおそろしい彗星が地球にむかってくるというので、いつも静かなムーミン谷は大さわぎに。ムーミントロールは仲よしのスニフと遠くの天文台へ出かけ、彗星をしらべてくることに。道中、スナフキンや可憐なスノークのお嬢さんと友だちになるけれども、ぐんぐん彗星は近づいてきて……。
■コメント■
シリーズの中でも、特に猫好きにおすすめしたいのがこの「ムーミン谷の彗星」です。
ムーミンの友達、スニフは体は大きいけど弱虫で臆病者。ムーミンがパパやママからもらう愛情がうらやましいスニフは、ある日小さな仔猫に出会います。スニフは「自分だけの」仔猫が嬉しくて精一杯尽くしますが、仔猫はなかなかスニフに懐こうとしません。つんとした性格がいかにも猫な感じでほほえましいです。
彗星が近づいて危険だから一緒に逃げようと誘っても、「気が向いたら行くわ」とつれない返事。今にも彗星が近づこうというとき、スニフはある決断をします。
スニフと仔猫の掛け合いはサイドストーリーではあるのですが、普段のスニフとは違う健気さで目が離せません。
ペットに対する「無償の愛」とは?と考えさせられるお話で、読後はじんわり胸が温かくなりました。
[ムーミン谷の彗星]
【出版】講談社
【作者】トーベ・ヤンソン
2017.10.03


心ときめく王道ファンタジー!
本の表紙
■内容■
ナーザックは、戦いに勝って戦士になった犬が力を持つ国。ナーザックを舞台に、少年ミナトと飼い犬タテガミが大活躍します。「光の牙」「魔王の宝」「バラの嘘」の全3部作。
■コメント■
冒険物やファンタジーが好きで犬が大好きなあなたにおすすめ!児童書なので大人にはちょっと王道すぎると感じるかもしれませんが、私は大好きです。
主人公の飼い犬、タテガミがとにかくかわいくて強くてかっこいい!私もワンちゃんとこんな冒険したいなーとわくわくしてしまいます。
一番好きな話が2巻の[魔王の宝]。カッコイイなーと思いながら読み進めていたライバルの盗賊団の男の子が実は・・・読後「萌え!」ってなりました。笑
作者が間違いなく犬好きで、犬がたくさん出てきます。印象的なシーンで差し込まれるイラストもかわいくて、楽しみに読み進められますよ。
[銀のたてがみ]
【出版】あかね書房
【作者】堀 直子
2017.08.21


潮風のにおいや鴎の鳴き声が聞こえるような
本の表紙
■内容■
作者とその実母ハム、そして親友のトゥーリッキと猫のプシプシーナ。トーベあるいはムーミン物語の読者におなじみのそれぞれが、四方に水平線しかない小さな離れ孤島で、悠々とマイペースに、気ままな自然の魅力とともに暮らす。通算80年にわたる島暮らしのプロフェッショナルみずからが描く、作家の知られざる日常。
■コメント■
ムーミンの作者、トーベヤンソンが離島で暮らした穏やかな日々が綴られています。日記の引用や必要なものを羅列しただけのメモ書きなど、日常生活を断片的に切り取った書き口は本当に瑞々しく、潮のにおいや鴎の鳴き声までも追体験させてくれます。
ムーミンの世界観にある自然への敬意や恐れ、静寂や孤独はこの生活が基盤になっているのだなと感じることができる一冊でした。また、ムーミンにも猫が登場しますが、プシプシーナはそのモデルになっているんでしょうね。
ムーミンシリーズの最終巻、ムーミンたちが谷を去ったのち、スナフキンが「ムーミン谷のみんなは、一緒にいてもひとりにさせてくれていたんだ」と一人気づくシーンがあります。孤独を愛するヤンソンにとって、パートナーのトゥーリッキはまさにそんな存在だったのではないでしょうか。ムーミンファンにはもちろん、そうでない方にもおすすめしたいエッセーです。
[島暮らしの記録]
【出版】筑摩書房
【作者】トーベ・ヤンソン
2017.07.24


盲導犬のことを知る第一歩に
本の表紙
■内容■
27歳で失明したななえさんは大の犬嫌いでしたが、子育てのため盲導犬とパートナーを組むことに。困難な日々を共に乗り越え家族の一員となっていたベルナともやがて別れの日が…。感動のラストに涙がとまりません。
■コメント■
何度読んでも涙なしには読めません。大きくわかりやすい文章で書かれているのでお子さまにもおすすめできる一冊です。
著者のななえさんがベルナのお母さんになって、家族みんなで努力しながら暮らしていく様が丁寧に描かれています。理解がないお店、盲導犬にいたずらをしたり触ったりする人・・・盲導犬を取り巻く様々な問題を知るきっかけにもなりました。

病気を患ってしまったベルナに、盲導犬としての誇りを取り戻してほしくて奮闘するななえさんに頭が下がります。
ベルナの生涯をぜひ多くの人に知ってほしいと思います。
[ベルナのしっぽ]
【出版】角川書店
【作者】郡司 ななえ
2017.07.13


2匹の猫への色あせない深い愛情を感じます
本の表紙
■内容■
百闡にするりと入りこみ、或日ふいに戻らなかったノラ。愛猫の行方を案じ嘆く「ノラや」を始め、白猫に化けた女中の話など、昭和初期から晩年にいたるまで、猫の話ばかり20篇を集めたアンソロジー。
■コメント■
出て行ったまま戻らなくなってしまったノラや、病気になって亡くなってしまったクルのことをひたすら嘆き綴ったエッセイ集です。
出て行ってから半年経っても毎日泣いたり、何万枚も新聞広告を出したり。大袈裟なと思われるかもしれませんが、それくらいノラのことを愛していたのが伝わります。
また、生きている夢を何度も見たり、感触が忘れられなかったり、ふいに呼んでみたり、つらすぎてペットの写真や文章を見返すことができなかったり。ペットを亡くした方にはすごくよくわかる感覚なのではないでしょうか。
人生最後に書き綴ったといわれる「猫が口を利いた」は、あとがきの解説を読んでやっと意味が分かり読み直して感慨をうけました。
[新編 ノラや]
【出版】福武書店
【作者】内田 百
2017.05.25


健気で一生懸命な姿に心打たれます。
本の表紙
■内容■
日野兄妹の2人のもとへ、海外に離れて暮らしている両親から「あなたたちの弟と一緒に日本に帰ります」という手紙が来る。弟が来ることを楽しみにしていた日野兄妹だったが、2人の前にやってきたのは、リリエンタールと名乗る犬だった。しかも賢い犬リリエンタールは、人のこころに反応し、ぼんやり光ってまわりにふしぎなことを起こす変な犬だったのだ。今日もリリエンタールのふしぎな力により、日野家に騒動が起こる。リリエンタールは無事にりっぱな日野家の弟になれるのだろうか?
■コメント■
4巻で連載が終了してしまいましたが、ジャンプで一番好きな漫画です。言葉を話せる賢い犬(けん)リリエンタールが一生懸命で健気でとにかくかわいい!
天才だけどおおらかで優しいお兄ちゃんや、強くてツンデレな妹など、登場人物もみんないい人ばかりで読んでいてとっても癒されます。
3巻には読み切り版が収録されているのですが、1話でよくまとまっているので何度も読み返しています。日野家の弟として認めてほしくて、ひたむきに頑張るリリエンタールが泣けます。
「わたし、ほめてもらえるかしら」のセリフが、犬らしさもあってグッときました。
[賢い犬リリエンタール]
【出版】集英社
【作者】葦原 大介
2017.04.14


せつなくも温かな気持ちにさせてくれる短編集
本の表紙
■内容■
中学三年生の彗子は両親の離婚後、月に一度、父の代わりに祖父と会っていた。公園でソフトクリームを食べ、海の見える岬まで軽トラを走らせるのがお決まりのコース。そんな一風変わったデートを楽しむ二人だったが、母の再婚を機に会うことをやめることになり…。表題作のほか、元不良と教師、バツイチOLと大学生、園児と保育士など、暖かくも切ない5つのデートを瑞々しく描いた短編集。
■コメント■
瀬尾まいこさんの本は「戸村飯店青春100連発」と「幸福な食卓」を読んでから大ファンで、新刊(の文庫本)が出るたびに必ずチェックしています。
少し切ないけど希望もあって温かい気持ちにさせてくれる今回の短編集、「ドッグシェア」というお話ではバツイチのOLと一人暮らしの大学生が公園に捨てられていた犬をシェアで飼うことになります。
犬を飼う知識のない2人なので、犬好きから見たら「そんなものあげちゃだめ!」「そんな飼い方しちゃだめ!」って思ってしまいますが、そういう不器用さも作品の味になっています。犬の世話を通じて少しずつ仲良くなっていくふたり、これからの展開が気になるところです。
どのお話も読後感がとてもよく、じんわりしてしまいますが、特に2作目の「ランクアップ丼」は泣いてしまいました。
[おしまいのデート]
【出版】集英社
【作者】瀬尾まいこ
2017.03.17


どこの夫婦にもありそうな問題をほっこり描く漫画
本の表紙
■内容■
夫婦のすれ違いと絆を描く感動ホームドラマ。 3人の子供が巣立ち、人生の晩年を夫婦二人で過ごす、菜穂子(37歳)の両親。平穏な暮らしを送っているかと思いきや、突然、母が離婚を考えていると言い出した。そんなとき、飼い猫のチビが姿を消して・・・!? 「娚の一生」「姉の結婚」の西炯子が老夫婦の秘めた思いと愛を描いた感動作。
■コメント■
口下手なお父さんとしっかり者のお母さんの関係性がかわいくてもどかしくて、「あるある」って思っちゃいます。
飼い猫がいなくなってしまったことをきっかけに夫婦の問題が浮き彫りになり、解決に向かっていく様にこちらも考えさせられます。
そばにいる人だから言葉にしなくてもわかるって思ってしまいますが、なんでもちゃんと言葉に出していかなきゃいけないですよね。
「猫は死期を悟ると飼い主から姿を消すというけれど、本当はそういう理由ではないんですよ」というペット探偵さんの話には「そうだったのか!」と思いました。
ほっこりした気持ちになれる一冊です。
[お父さん、チビがいなくなりました]
【出版】小学館
【作者】西 炯子
2017.02.06


生涯読み続けたい名作
本の表紙
■内容■
これはひょっとすると大人のための絵本かもしれないが、真に大人のための絵本ならば、子供もまた楽しむことができよう。それが絵本というものの本質であるはずだ。そして『100万回生きたねこ』は、絵本の本質をとらえている。――週刊朝日書評より このとらねこ一代記が、何を風刺しているかなどと考えなくても、すごいバイタリティーをもって生き、かつ死んだ話をおもしろいと思ってみればよいと思う。上級から大人まで開いてみて、それぞれに受けとめられるふしぎなストーリーでもある。飼い主へのつながりが無視され、前半と後半が途切れているようで、みていくとつながってくるふしぎな構成である。――日本経済新聞「こどもの本」書評より
■コメント■
言わずと知れた名作で、日本で一番愛されている絵本じゃないでしょうか。人生のどのシーンで読んでも、違った受け取り方や新しい感動があります。
私にとっては「星の王子さま」と並んで、年を取るごとに読み重ねていきたいと思う大切な絵本です。
説明しすぎない結末がいい余韻になって、人生に影響を与えてくれる感じがします。
「ねこが100万1回めに生きなかった理由」がいつか自分自身で体感できるようになればいいなと思います。
[100万回生きたねこ]
【出版】講談社
【作者】佐野 洋子
2017.01.15


猫に人生を教えられる名作です
本の表紙
■内容■
猫と人間、それぞれの愛と友情の物語。 ひょんなことから、長距離トラックで東京にきてしまった黒猫ルドルフ。土地のボス猫と出会い、このイッパイアッテナとの愉快なノラ猫生活がはじまった……。
■コメント■
最近CG映画化されて話題になりましたね。
原作も映画もどちらも見ましたが、原作は渋いハードボイルドな感じで映画の方は子ども向きなテイストになっています。

初めて読んだのは小学生のときでしたが、子供心に「これは私にはまだ早い名作」と思いました。続編はあるみたいなんですが、この作品の終わり方が「大人向き」な感じで子どもには物足りなかったんですよね。
大人になった今となっては、「置かれた環境で自分と向き合う」ことや「ままならないことも受け入れる」ことの大切さをしみじみ感じられるようになってきました。イッパイアッテナが男気に溢れて渋くてかっこいいです。原作は大人にぜひ読んでほしい作品です。
[ルドルフとイッパイアッテナ]
【出版】講談社
【作者】斉藤 洋
2017.01.10


犬のような人生
本の表紙
■内容■
不朽の名作映画原作!「人工衛星に乗せられて死んだライカ犬よりはぼくの方が幸せ」と自分に言い聞かす少年イングマルは、ママの病気が重くなり、田舎の親戚に預けられてしまう。大好きな犬のシッカンともお別れだ。そこで出会ったのは優しいおじさんや、女の子でいることを隠して男の子たちとサッカーやボクシングをする美少女サガ……。楽しい出来事に彩られたのどかな日々がイングマルの心を癒し、少年から大人へと成長させていく。
■コメント■
タイトルに「ドッグ」が入っているので挙げましたが、犬はほとんど関係ありません。映画の方が有名で、映画のパッケージも犬が印象的なので、犬の映画と思っている人が多いのではないでしょうか。
原作本の方は手に入りにくくなっているかなと思います。原作は作者の半自叙伝で、映画と原作でテイストが全然違います。映画のほのぼの感に惹かれて読むとびっくりするかも。読んだ後はいろいろと考えさせられます。
[マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ]
【出版】ソニーマガジンズ
【作者】レイダル イェンソン
2016.12.22


上目づかいがたまりません
本の表紙
本の表紙
■内容■
料理研究家、桑原奈津子さんの飼い犬キップルは、おいしいパンの味を知ってしまいました……。 毎日変化するテーブルの上の朝食と、妙に味のあるキップルの表情にひきこまれます。 パンといっぴき2ではもらわれてきた猫ちゃんも登場します。いっぴきと猫たちの日々から目が離せません!!
■コメント■
表紙を飾るキップルちゃんの表情、室内飼いをしているオーナーさんは「あるある!」と笑っちゃうのではないでしょうか。ご飯をねだってウルウルした眼で見上げてくるワンちゃんは、普段の100倍かわいいですよね!
この本ではどこをめくっても、100倍かわいい表情が堪能できますよ♪
料理は別に好きでも嫌いでもないんですけど、料理番組や料理本を見るのは大好きです!きれいに飾られた料理の画像をみるとトキメキますよね。
おしゃれなロケーションにおしゃれな朝食、かわいいワンちゃんやネコちゃんが堪能できる贅沢な2冊です。
[パンといっぴき/パンといっぴき 2]
【出版】パイインターナショナル
【作者】桑原奈津子
2016.12.2


人に伝えたくなる、オオカミのこと
本の表紙
■内容■
オオカミを飼うことはできますか?オオカミはどうして遠吠えをするの?オオカミが人間を育てるってほんとですか?オオカミの基礎知識と楽しいQ&A。耳の先からしっぽまでまるわかり。オオカミは素敵だ。
■コメント■
狼と人との共生の道を誰にでもわかりやすく解説している本です。
現在、シカが増えすぎて森が食べつくされる獣害が日本の各所で起きています。森に木がなくなると連鎖的にいろいろな弊害が起きてしまいます。アメリカで同じ獣害に悩まされていた州がオオカミを放逐する実験を行ったところ、その獣害は解消されたそうです。
狼って、赤ずきんちゃんなんかもそうですが、「悪い生き物」「怖い生き物」って思われがちですよね。でも、狼は臆病な生き物で人間の前には姿を現さず、人間が狼に襲われた例は実は一件もないのだそうですよ。
食物連鎖、生態系のバランスの崩壊の危機などにも踏み込まれていて、とても興味深く読みました。

また、狼に一番近い遺伝子を持つ犬種は柴犬だそうですよ。ほんとにおもしろい話がわかりやすい文章で書かれているのでおすすめです。

余談ですが、youtubeに挙げられている、雪山の狼の群れの中で2人の男性が「amrican hearts」を弾き語る動画がめちゃくちゃかっこいいのでぜひ見てみてください。
[オオカミと森の教科書]
【出版】雷鳥社
【作者】朝倉 裕
2016.11.5


乙女の寝る前の読書におすすめします。
本の表紙
■内容■
デュークが死んだ。わたしのデュークが死んでしまった──。たまご料理と梨と落語が好きで、キスのうまい犬のデュークが死んだ翌日、乗った電車でわたしはハンサムな男の子にめぐりあった……。出会いと別れの不思議な一日を綴った『デューク』。コンビニでバイトする大学生のクリスマスイブを描いた『とくべつな早朝』。デビュー作『桃子』を含む21編を収録した初々しい短編集。
■コメント■
とても短い短編小説で構成されています。
このなかの『デューク』が犬好きにおすすめ!切なくなってキュンキュンして、最後は温かい気持ちになれます。昔、女友達数人で話していた時に「これが好きなんだよねー」って何気なく零したところ、みんな知っていて、「いいよねー!!!」と大層盛り上がりました。
ペット好きの乙女の必読書なのでは?笑

デューク以外のお話もすべてキュンキュンする温かいお話ばかりです。とても短いので、寝る前の読書に最適かもしれません。いい夢が見れると思います。
[つめたいよるに]
【出版】新潮社
【作者】江國 香織


圧倒的な描写力に惹き込まれます
本の表紙
■内容■
ある日、犬は、野の道を疾走する車の窓から投げすてられる。 にわか野良になった犬のその日の長いさすらいをたどって描く。目を吸いよせて離さない50を超える犬の姿態と表情はすぐれたデッサンにより酷いばかりの迫真である。 あるいはひとりに秘めておきたい絵と思い、誰かに見せずにはいられなくなる作品でもある。
■コメント■
鉛筆だけで描かれた文字のない絵本です。
余白が多く、殴り書きデッザンなのに、まるでそこに犬がいて動いているような凄まじい描写力。
表情や動きだけでなく、小さく描かれた後ろ姿すらも、犬がどんな気持ちなのか痛いほど伝わってくるのがとにかく凄いとしか言いようがありません。犬の動きを細かに描写しているからこそ、小さく点くらいになったシルエットでもぐっと心に迫るものがあります。
アンジュールだけでなく、あんな風に捨てられて、あんな風に彷徨って悲しんでいる犬がたくさんいることを忘れてはいけないと思います。
結末を描き切るのではなく、希望の見えるラストでこれからのことを想像させてくれるところも好きです。手元に置いて何度も何度も読み返したくなる、大人におすすめの絵本です。
[アンジュール―ある犬の物語]
【出版】ブックローン出版
【作者】ガブリエル バンサン


しゃべる猫と戦争と社会の縮図の話。
本の表紙
■内容■
目を覚ますと見覚えのない土地の草叢で、蔓で縛られ、身動きが取れなくなっていた。仰向けの胸には灰色の猫が座っていて、「ちょっと話を聞いてほしいんだけど」と声を出すものだから、驚きが頭を突き抜けた。「僕の住む国では、ばたばたといろんなことが起きた。戦争が終わったんだ」猫は摩訶不思議な物語を語り始める―これは猫と戦争、そして世界の秘密についてのおはなし。
■コメント■
基本的にしゃべる猫と冴えない男の会話で物語が進行していきます。たくさんの個性豊かな猫たちが登場し、猫たちが主役です。
伊坂幸太郎作品は、昔はきっちり伏線を回収し収束させる作風、最近は広げた風呂敷を敢えて畳みきらないで読者に余韻を残すような作風のものが多いかと思いますが、これは前者の感じです。
雰囲気は処女作の「オーデュボンの祈り」に似ていて、私はこういう感じのほうが好みだなと思います。
非現実的な世界観なんだけど、社会風刺のテイストもあって考えさせられます。家族も会社も政治も、規模が違うだけで同じようなことなのかな、と。
これは全くの余談ですが漫画「進撃の巨人」を先に読んでいると、そっちの設定がときどき脳裏をかすめてしまいます。笑
[夜の国のクーパー]
【出版】 東京創元社
【作者】伊坂 幸太郎


優しい奇跡の物語です
本の表紙
■内容■
長年連れ添った妻に先立たれ、自らも病に侵された老人サムは、暖かい子供たちの思いやりに感謝しながらも一人で余生を生き抜こうとする。妻の死後、どこからともなく現れた白い犬と寄り添うようにして。犬は、サム以外の人間の前にはなかなか姿を見せず、声も立てない―真実の愛の姿を美しく爽やかに描いて、痛いほどの感動を与える大人の童話。
■コメント■
主人公は老人で、淡々と優しく物語が進んでいきます。
この装丁のイラストが小説の雰囲気にとても合っていてお気に入りです。
タイトルにもあるように、主人公の老人が歩行器を使って白い犬と不格好なワルツを踊るシーンがあるのですが、装丁の雰囲気で頭の中にイメージ映像がぶわっと流れるような感じがします。
一貫してふんわり優しい雰囲気で、胸がじんわり温かくなるような読後感の一冊だと思います。なんとなく、この小説が好きな方は、映画「ビッグ・フィッシュ」なんかもおすすめです。
[白い犬とワルツを]
【出版】 新潮社
【作者】テリー ケイ


吾輩は猫である。名前はまだない。
本の表紙
■内容■
苦沙弥先生の家に拾われた猫の「吾輩」から見れば、人間社会はこっけいそのもの。無名猫の視点から、軽妙洒脱な文体にのせて放たれる文明批評と渋いウィットは時代を超えて読者の心をつかんできた。見識とシャレ気あふれる漱石の永遠のエンターテインメント文学。
■コメント■
「純文学なんて堅苦しくて読んでられない」っていう方にもぜひ読んでほしいエンターテイメント小説です。
だって、あんなにかわいい猫がまじめ腐った顔で「吾輩は猫である」「人間は愚かで失笑を禁じ得ない」とか考えてるなんて、絶対かわいいでしょ!
飼い主である胃腸が弱くてなんだか頼りない先生と、それにツッコミを入れ続ける吾輩。好奇心で餅を食べて猫ダンスを踊ってしまうエピソードが大好きです。
どんな背景で書かれたかあまり知らないのですが、すごく肩の力を抜いて書かれているんだろうなと感じられます。
ただ、ラストは「え、そんな感じ??」ちょっとびっくりしちゃうかも。
[吾輩は猫である]
【出版】集英社
【作者】夏目漱石


いつか来るお別れのためにたくさん愛そうと思えます
本の表紙
■内容■
カミナリ、花火、掃除機、大キライ。意地をはると、大好きなお散歩も断固拒否。猫を見ると性格変わる。いつも聞き耳たてていて、「おかし」の言葉にビンカン。さみしがりやでわがままで甘えんぼう、でも、とってもやさしくて愛きょうたっぷりな犬、グー。愛犬とともに過ごした幸せな日常、そして涙の別れまでを描く、感動のイラストエッセイ。
■コメント■
私がこの本を初めて読んだのは数年前の図書館なのですが、嗚咽しながら読みました。公共の場であんなに泣くことは後にも先にもこの時だけだと思います。
序盤は愛犬の「あるある」がほっこり描かれていて笑って癒されます。そして後半の別れ。

私も犬を飼っていてお別れを経験しているので、本当に共感しました。ペットロスで苦しんでいる方にも読んでほしいです。いつか必ず来る別れのために、今たくさん愛してあげようと思える本です。
[ダメ犬グー―11年+108日の物語]
【出版】幻冬舎
【作者】ごとう やすゆき


犬好きにおすすめのSFサスペンスホラー!
本の表紙
■内容■
森で拾ったその犬には、なにか知性のようなものが、意志に似たものが感じられた。孤独な中年男のトラヴィスは犬に〈アインシュタイン〉と名を与え、半信半疑の対話を試みる。徐々にわかってくる信じがたい事実。それにしても、犬は何を警戒しているのだろう。繁みの陰に、暗闇の奥に、なにか恐るべき“もの”がひそんでいるのか。
■コメント■
「ペットの考えていることがわかればいいのに!」
ペットのオーナーなら必ず1度は思いますよね。人と意思疎通ができるゴールデンレトリバーのアインシュタインが愛らしすぎて、つい微笑んでしまいます。
サスペンスホラーなので手に汗握る展開も多く、上下巻構成なのですが気になってページをめくる手が止まりません。
一番印象に残るのは悪役の犬、アウトサイダー。アインシュタインと同じ境遇にありながら、自分は愛されない孤独や悲しみが痛いほど伝わって、たった一つの楽しかった思い出をいつまでも捨てられなくて・・・何度読んでも同じところでボロボロ泣いてしまいます。とても印象深い一冊です。
[ウォッチャーズ]
【出版】文藝春秋
【作者】ディーン・R. クーンツ



泣きたいときにおすすめです。
本の表紙
■内容■
郵便配達員として働く三十歳の僕。ちょっと映画オタク。猫とふたり暮らし。そんな僕がある日突然、脳腫瘍で余命わずかであることを宣告される。絶望的な気分で家に帰ってくると、自分とまったく同じ姿をした男が待っていた。その男は自分が悪魔だと言い、「この世界から何かを消す。その代わりにあなたは一日だけ命を得る」という奇妙な取引を持ちかけてきた。僕は生きるために、消すことを決めた。電話、映画、時計…僕の命と引き換えに、世界からモノが消えていく。僕と猫と陽気な悪魔の七日間が始まった。
■コメント■
映画化も決定した話題作です。大筋は家族愛がテーマです。
泣かせに来てるなーってわかるのに、大号泣してしまいました。笑
「もしもケータイがない世界なら」「時計がない世界なら」。自分に置き換えるとどうかなあって、考えてしまいますよね。
劇中で主人公の心にずっと引っかかっているものが、最後にするっと抜けるような感じがいいです。猫飼っている人なら、「猫のいない世界」なんてきっと考えられないんじゃないでしょうか。
ライトに読めるので、普段あまり読書しない方にもおすすめできる一冊かなと思います。
[世界から猫が消えたなら]
【出版】 小学館
【作者】川村 元気


飼い主目線になれるフォトエッセイ
本の表紙
■内容■
4匹の子犬が産まれた。3姉妹はすくすく育った。やがて、新しい飼い主が決まり、別れの日が来る…。糸井重里が主宰する「ほぼ日刊イトイ新聞」に連載された、子犬たちの写真集。
■コメント■
ジャックラッセルってかわいいですよね!私は大好きです。
プロの写真家さんが撮ったわけではなく、子犬たちの誕生から親離れまでの何気ない一瞬一瞬を切り取った感じが、「日常」らしくてとてもいいです。
写真のボリュームが多く、3姉妹の顔や性格の違いがだんだん出てくる様子が伝わって微笑ましいです。
私のお気に入りの「ニコ」ちゃんは「ブイヨン」という名前になって糸井重里さんのほぼ日刊イトイ新聞に掲載されているのでそちらも必見です!
[Say Hello! あのこによろしく。]
【出版】東京糸井重里事務所
【作者】イワサキユキオ


猫も一生懸命働いているのに私ったら・・・てなります
本の表紙
■内容■
猫にしておくのはもったいない!
完璧な家政婦、ただし猫。きょうも懸命にご奉公!ちっちゃなサイズで変わらぬペースで。寂しくなったら、いつでもポッケから取り出して。
わけあって家政婦になった猫村ねこは、猫のくせに働き者で世話焼き。ご奉公にあがった犬神家の家庭事情も気になって仕方ない。ついにある秘密にも気づいてしまい……。
■コメント■
猫の家政婦なんて、まさに「猫の手も借りたい」ですね。
シュールな設定とヘタウマな絵、手書きのセリフが独特な世界観を生み出しています。
ほっこり癒し系なんだけど、どこか現代社会の家族の寂しさとかを描いてて、しんみりしたり考えさせられることも。人間だからこそ人間関係の簡単なことがうまくできなくて、猫だからこそまっすぐにできることもあるのかもしれません。
主人公の猫村さんがほんとうに健気!毎日一生懸命働いて、別れたご主人のことが大好きで。応援したくなるとともに、私もちゃんとしなきゃーって思える一冊です。
[きょうの猫村さん]
【出版】 マガジンハウス
【作者】ほし よりこ


思わず「あるある!」ってにやにやしちゃいます
本の表紙
■内容■
twitterで超話題となった、飼い犬の表情を描いたイラスト「うちのいぬ」が、作者自身の手によりコミック化!! ほっこりほんわかまったりと。同居している飼い犬との、かわいくてかわいくてしかたない日々を描いた、わんちゃん観察型あるあるショートコミック!!
■コメント■
犬を飼ったことのある人は必ず「あるある!」って共感しちゃいます。
イラストがとてもかわいくて、キラキラした上目遣いがほんとにかわいい。飼い主さんもかわいい。
愛されてるなーって読んでいてとても伝わってきます。
私はコーギーの一番の魅力はプリッとしたお尻だと思っているんですけど、それがほんとによく表現されてます!癒しが欲しい時にさっぱり読める一冊です。
[あしょんでよッ 〜うちの犬ログ〜]
【出版】 KADOKAWA/メディアファクトリー
【作者】らくだ


猫と猫を取り巻く人間たちの愛憎劇
本の表紙
■内容■
一匹の猫を中心に、猫を溺愛している愚昧な男、猫に嫉妬し、追い出そうとする女、男への未練から猫を引取って男の心をつなぎとめようとする女の、三者三様の痴態を描く。人間の心に宿る“隷属"への希求を反時代的なヴィジョンとして語り続けた著者が、この作品では、その“隷属"が拒否され、人間が猫のために破滅してゆく姿をのびのびと捉え、ほとんど諷刺画に仕立て上げている。
■コメント■
谷崎潤一郎は心理描写が繊細で文章のテンポが小気味よくて、大好きな作家です。
作中のリリーは私の中の「猫」のイメージにぴったりです。狂おしいほどに溺愛してる人間と、そんなのお構いなしにめんどくさそうに欠伸してる猫、でもそんな気ままな感じにまた人間が右往左往するような。リリーの高貴さが際立つほど、人間の滑稽さが浮かび上がってきます。
「私と仕事どっちが大事なのよ!」はよく聞きますが、これは「私と猫どっちが大事なのよ!」ですね。
[猫と庄造と二人のおんな]
【出版】新潮社
【作者】谷崎 潤一郎