足のむくみ
妊娠後期にはいるとほとんどの人にむくみがでます。女性ホルモンの影響で体内の水分が多くなり、血管内や細胞内の水分が増えるからです。生理現象なので、夕方になると指輪や靴がきついというむくみがあっても、翌朝には消えているなら心配ありません。朝起きたときからむくんでいる場合は、診察をお勧めします。
からだがかゆい
妊娠すると皮膚に変化が現れることがよくあります。これは、妊娠によるホルモン状態の変化が原因です。妊娠性皮膚掻痒症という妊娠に伴って起きる症状ですが、赤ちゃんが生まれれば治りますので特に心配はありません。強い紫外線に当たったり、お風呂で温まるとかゆみが増すようです。
もし、あまりにかゆみがひどいようでしたら受診して軟膏を処方してもらってください。でもまずは、皮膚を清潔に保っておきましょう。
便 秘
妊娠して便秘に悩まされる人は多いでしょう。女性ホルモンの影響もありますが、つわりで食生活がくずれてしまうのも原因。便秘ぎみの時、トイレでお腹に力を入れるのがいけないと思う人もいるようですが、くしゃみと同じで心配の必要はありません。
繊維の多い食事をとったり、水分を多くとるなど、快便のための努力を心掛けましょう。どうしても便が出にくい場合は、診察時に申し出て薬を処方してもらいましょう。浣腸は子宮を収縮させるので使用しないでください。
トイレが近くなった
妊娠後期になると、下がってきた赤ちゃんの頭が膀胱を圧迫するので頻尿になります。トイレに行くことを我慢しないでください。 お腹や下半身を冷やすと子宮が収縮しやすくなるため、できるだけ足腰を冷やさないよう妊婦帯やオーバーショーツ(三分丈・五分丈ショーツ)などで保温しておきましょう。もし、残尿感があったり痛みがあるときは、膀胱炎の疑いもあるので受診をお勧めします。
頻尿でこんな症状があったら受診を
- トイレに行きたくて何回も目が覚める
- まだ膀胱に尿が残っている感じがある
- 排尿の終わり頃に下腹が痛い
- 赤い血がまじった尿(血尿)
つわり
赤ちゃんという異物に対する反応だとも、妊娠による急激なホルモン環境の変化に体が対応できないためだとも言われていますが、つわりの原因は実はまだはっきり解明されていません。症状の軽重は、環境や精神的な要因にもよるようです。
気分が悪くて食欲が減退しているときは、飲める物や食べられる物だけを少しずつとりましょう。環境をかえて気分転換するのも良いでしょう。ただし、何も飲めないほどひどい場合は、点滴によって水分と栄養を補給します。しばらく入院して治療することもあるでしょう。
ムカムカする
子宮が大きくなり、胃を圧迫し続けるので胃の消化力が落ちているのでしょう。 消化の良いものを少しずつ食べるようにしましょう。
腰 痛
腰痛は妊婦さんの宿命のようなもので悩まされない人はいないでしょう。妊娠5〜6ヶ月 を過ぎてお腹がせり出してくると、バランスをとるため妊婦さんはどうしても上体を反らすようになり、上体を支えようとする腰の筋肉に負担となります。つま り過労から腰痛を引き起こすのです。 これらを予防・解消するには、腹帯・腰部補助帯やマタニティガードルを腰にフィットさせ、お腹を圧迫しないように下から支えます。腰部を固定することに よって腰の筋肉の働きを助けるので楽になるはずです。また、腹筋を鍛える体操を毎日の習慣にしましょう。特に水泳は、浮力で体が自由に動かせ腰痛解消には 最適のスポーツです。体をよく動かせば当然全身の血液循環がよくなり、赤ちゃんへの血流も増加します。
腰が痛いとき、どうする?
頻尿や血尿がある |
お腹が張っている |
他に症状はない |
背中が痛む・肩がこる
お腹が大きくなり、姿勢のバランスが悪くなるために背中や腰が反ってきます。 無理のない程度に妊婦体操やラジオ体操などで毎日、背中や腰を動かしましょう。肩こりは、首や肩を動かす体操を毎日習慣にすることが予防であり解消法です。
赤い妊娠線ができた
妊娠すると急激な勢いでお腹やバストが大きくなり、それに伴って皮膚もグングン引き伸ばされ、耐えきれなくなって裂けた溝が妊娠線です。妊娠後期になると血管層が透けて見えるため赤い妊娠線となってでてきます。一度できてしまえば薄い色になっても消えません。
できるだけ肥満に注意し、4〜5ヶ月頃からマッサージを始め皮膚を柔軟にしておくとできにくくなるようです。ただし、お腹が張りやすい人や赤ちゃんが下がり気味と言われた人は、医師に確認してからマッサージを行いましょう。
静脈瘤や痔が辛い
静脈瘤は、静脈の一部がふくらみこぶのようになったもの。ホルモンや大きくなった子宮の影響で、下半身の血行が悪くなったのが原因です。ふくらはぎ、下腹、太もも、足、外陰部、膣、肛門などにできます。
痛みのひどい場合は座薬を使いますが、静脈瘤は、妊娠線と違って産後半年くらいで治ります。予防としては、長時間立ち仕事をしない、寝るときに足を高くす ると楽になります。また、次の妊娠の時にも出やすいので、サポーターや弾力性ストッキングを妊娠初期から履くと良いでしょう。