アンニュース vol.26
 

夏の乳がん用ブラジャー”綿ブラ”について


いよいよ猛暑のシーズンに入り、洗濯回数も増し、ブラジャーの枚数もできるだけ多く必要な時期になりました。
できればブラジャーすらつけていたくない気分ですが、そういうわけにもいかないので、せめて爽快な気分で着用できる、綿素材のブラジャーについて今回取り上げてみました。

最近は加工技術も進歩し、各社いろいろな名前をつけて、化学繊維にも”接触冷感”、”吸汗・速乾”、”防菌・防臭”、としのぎをけずって販売合戦に入っておりますが、基本的には天然繊維の”綿”にかなう素材はありません。
”綿”よりも優れているとすると、綿の1.5倍の吸汗・速乾性のある”シルク”だけと思われます。

ただし、残念ながら”綿”、”シルク”ともに一本の繊維自体伸びる糸ではないため、ブラジャーのように肌に直接ふれて着用するためには、伸縮性がないとブラジャーの機能は果たせません。

そこで工夫された素材が、伸びる糸”ポリウレタン”の糸に綿を巻きつけていき(カバリング)、肌に触れる部分は綿100%になるという糸です。その糸で編み上げた生地が通称”コアスパンブロード”と呼ばれています。

綿100%の糸でも編み立て方法で伸びるような生地にすることも可能ですが、洗濯による縮率が若干他の繊維より大きくなるという欠点があり、シワになりやすいという点は避けられません。

現在、売り場・通販・ネット販売のブラジャーは、乳がん用に限らず100%近くが”品質表示:ナイロン・ポリウレタン・その他”の商品ばかりで、綿混
であってもその綿の混率が低いものばかりです。

編み立て技術による”メッシュ”だとか、加工技術による”防菌・防臭”、”接触冷感”もありますが、ほとんどが後加工のため、洗濯何回かでその効果もなくなる品が多いのも現状です。

特に傷口にデリケートな患者さんにとっては綿の混率が高い品か、シルクをおすすめしたいと思います。