小満[しょうまん]の養生法 例年、小満の頃は、初夏の爽やかな季節ですね。農家では田植えが忙しい季節で懐かしい日本の風景です。今年は5月21日から6月5日までが「小満」になります。暦便覧には「万物盈満(えいまん)すれば草木枝葉繁る」と書かれ、陽気が増え万物は少しずつ充満し、オオムギなど夏の収穫作物が実を結んでふっくらとしてくる季節です。 |
今月の癒しの庭園 「東福寺 青紅葉と市松の庭」 |
臥雲橋から青紅葉越しに通天橋を望む |
反対側から見下ろした通天橋 |
釈迦の八相成道に因んだの八相の庭 |
私の大好きな市松模様の北庭と西庭 |
どこも鮮やかな新緑に |
禅問答「これなんぞ!?」 本堂の天井には蒼龍が睨む |
皆さまもぜひ日頃のストレスや疲れを癒しに、自然な緑や花を見に野山や潮騒の香りに癒されに海辺などに行ってください。 |
小満の養生法 |
中医学では、「怪病多痰」や「百病の多くは痰に因りて祟と作す」などと言われ、原因不明や完治する治療法がない難病などは、痰が原因となっていることが多いと認識されています。今回は、さまざまな病気の原因となる痰についてのお話しです。 |
痰は、ひとつのことが原因で生まれる物ではなくさまざまな要因が重なって生まれます。どの臓腑が失調しても痰の原因となりますが、特に痰の発生には肺・脾・腎・肝・三焦の働きの低下によるとされます。脾虚(脾の働きの低下)になると津液の運化が正常に行われなくなり湿邪となり、その状態が続くと湿邪が集積して痰となるので「脾は痰を生む源」と言われます。
思い悩む感情も脾を傷めます。周りからどう思われてるだろうと気にし過ぎたり、これはこうじゃなくちゃ気が済まないというこだわりの強すぎる性格の人は脾虚が多いです。日本人は四方を海に囲まれ湿度も高い気候なので、脾虚の人が多いと言われています。あまりクヨクヨ思い悩まず時には開き直ったり、こだわり過ぎず柔軟に対応するように心掛けるとお腹の弱い脾虚体質も改善するかも!? ですね。 |
周りを意識し過ぎない |
脾を健やかに保つ養生法
養生法で脾の働きを高めよう
働きを低下させない養生法
働きを高める養生法
ツボや経絡ストレッチ、薬草入浴などで健脾 |
心地良い強さでツボ押し |
真向法やヨガなどでも取り入れられていますが、カラダの前側を通る脾経の経絡をストレッチでよく伸ばしましょう。脾経を伸ばすと脾の働きが高まります。(※良く伸びると食べられるようになるので、食べ過ぎに注意してね) |
呼吸法を使って脱力してカラダの緊張をほぐす |
このように健康に過ごすためには、湿を溜めて痰を発生させないために普段から健脾利湿の養生法が大切です。 そして湿邪や痰を取り除いて津液の巡りを調えてくれる薬膳茶や、脾を補って働きを高めてくれる薬膳食材を摂り入れて、湿邪や痰が溜まるのを防ぎましょう。 |
お気に入りの薬膳茶で健脾利湿を |
京都伝統中医学研究所の"小満におすすめの薬膳茶&薬膳食材" 1.「紅花栄」(べにばなさかう)七十二候では小満次候の5/26ごろ
2.「健脾利湿」お腹を冷やさないようにして、水の巡り良くして湿を溜めない薬膳茶&食材 |
3.漢方入浴剤 ヨモギは漢方で艾葉(ガイヨウ)と言い、古来から擦り傷や切り傷など出血時に止血薬などとして使われたり、浄血や造血、デトックス作用(むくみの改善)、冷え性改善、美容効果があり、最近では「よもぎ蒸し」なども流行っていますね。
?.藿香(かつ香)がたっぷり入った「スッキリさっぱり乃湯」でジメジメとうっとうしい気分もスッキリ。 |
いよいよこれから夏至に向けて陽の気がどんどん多くなります。
中医学の知恵を毎日のくらしに活かして、体質改善や病気の予防に役立てて下さい。 https://www.rakuten.co.jp/iktcm/
中医学は難しい理論などもありますが、それよりも実際に暮らしに活かせる養生法や薬膳など健康に生きる知恵が満載です。
6月6日は「芒種」です。徐々に梅雨入りして、湿邪がカラダの外にも内にも多くなります。胃腸の働きを低下させないように心掛け、脾を補って湿邪の対策をして健やかにお過ごしください。食中毒にも気をつけてくださいね! |
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