立夏[りっか]の養生法 今日から「立夏(りっか)」です。いよいよ春に別れを告げ、これから夏の始まりですね。 |
少しでもストレスを和らげていただければと願って京都にある私の好きな庭園などを毎回ご紹介していますが、今日は、宇治平等院をご案内します。子どもの頃宇治で育った私はこのあたりにもよく遊びにも行きました。 |
樹齢300年のノダフジ |
1mを超える長さのノダフジの花房 |
池に映る平等院鳳凰堂 |
もう一枚は、円山公園の枝垂桜です。こちらも京都の桜と言えば良く登場する有名な枝垂桜ですが、撮影した日は4/8でもう満開ではなくなっていましたが当日は青空に映えとても綺麗でした。 |
青紅葉や睡蓮も美しい |
970年ほど前に藤原頼道によって建立された鳳凰堂ですが、悠久の歴史を感じます。お堂の中には安らかに死を迎えられるように阿弥陀如来とともに西方浄土から雲に乗って来迎された52躯の雲中供養菩薩がさまざまな楽器を奏で舞を舞っておられます。 |
立夏の養生法 |
日本でも各地でも行われるドラゴンボートレース |
端午節の竜船競争やちまきのはじまりには、諸説あるようですが、その一つに春秋戦国時代に楚という国に屈原(くつげん)という宰相がいました。西方の秦と争っており、屈原は東の斉と同盟を結び秦と対抗すべきだと懐王に進言しますが、反対派の謀略に合い王から遠ざけられ、屈原の進言は受け入れられず、やがて屈原の進言した通り懐王は秦の罠に引っ掛かり秦に滅ぼされることになるのですが、屈原は楚の将来に絶望して左遷された江南を流れる汨羅江(べきらこう)という川に身を投げて自殺しました。 |
なつめ入りの中華ちまきも人気 |
また、「端」は始まるという意味で「午」は五月のことを表します。 中国では、旧暦で行われるので今年では6月3日が端午節になります。 |
菖蒲とヨモギを束ねて玄関や軒先に飾って邪気祓い |
菖蒲やヨモギ、藿香などの香袋で未病を治す 艾葉(ヨモギ)は、ヨモギ餅やヨモギ団子、ヨモギパンとして人気ですが、中医学でも非常に良く使われます。昔から温経止痛・散寒止痛・除湿止痒などの効果で知られ漢方薬やお灸に使われます。 藿香(かつこう)は、アロマでは「パチョリ」と呼ばれオリエンタルでエキゾチックな香りで人気ですが、シソ科の植物で解熱、鎮吐、健胃作用の生薬として「藿香正気散」や「香砂六君子湯」などに配合されています。 中国の病院では、手足口病の予防に藿香やヨモギで毎日30分間部屋を燻すことをすすめているところもあるそうで、普段からヨモギや藿香の入った入浴剤やお香を炊いていると、邪気を祓い病気の予防になるのでオススメです。 |
香袋や薬草を燻して匂いや煙で邪気を祓う |
湿邪に弱った脾の働きを補う「平胃散」という漢方薬に配合される蒼朮(そうじゅつ)という生薬は、植物名ではシナオケラと言います。同じおけらの仲間でオオバナオケラと呼ばれる白朮(びゃくじゅつ)も、同じく健脾作用があり四君子湯、補中益気湯など脾虚薬として有名な漢方薬に用いられます。お正月にいただくお屠蘇は実は屠蘇散という漢方薬で、これにも白朮が用いられており、京都では大みそかには八坂神社にお参りして火縄に移した火を持ち帰りこの火でお雑煮を炊いて新年を祝い無病息災を願うという習慣があり、これを「おけら参り」と言いますが、八坂神社の白朮祭(おけらまつり)という神事で疫病除けになると信じられているそうです。 |
芳香療法や温浴療法に良く使われる薬草 |
薬草入りのお風呂は長い歴史があります。中国では3000年以上前からすでに薬草を使って体を清潔にすることが始まり、やがて香湯浴や芳香浴を使った行水が行われるようになりました。春節には五香湯に入浴して全身から良い芳香を放ったり、旧暦2月2日の「中和節」ではクコを煎じたクコ湯で筋肉や皮膚を艶やかにして病気を遠ざけ、夏には五枝湯で風邪を追い出し邪気を取り除き血筋を養って季節ごとに薬草風呂を楽しんだようです。
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日本人も大好きな柚子湯や菖蒲湯、ヨモギ湯 |
各地にそれぞれの土地に根付いた文化や行事があると思いますが、こういったことも昔からその土地に住む人たちの知恵でしょうから、大切に繋いでいきたいですね。
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京都伝統中医学研究所の"立夏におすすめの薬膳茶&薬膳食材" 1.「健脾利湿」におすすめ薬膳茶&食材
2.「健脾利湿におすすめ」全部食べられる薬膳茶2種 スィーツのような薬膳茶 紅棗片、黒豆、竜眼をブレンド
?.「健脾利湿茶 意棗紅豆茶」 紅棗片、小豆、薏苡仁(はと麦) |
3.漢方入浴剤 ヨモギは漢方で艾葉(ガイヨウ)と言い、古来から擦り傷や切り傷など出血時に止血薬などとして使われたり、浄血や造血、デトックス作用(むくみの改善)、冷え性改善、美容効果があり、最近では「よもぎ蒸し」なども流行っていますね。
?.藿香(かつ香)がたっぷり入った「スッキリさっぱり乃湯」でジメジメとうっとうしい気分もスッキリ。 |
いよいよこれから夏至に向けて陽の気がどんどん多くなります。
中医学の知恵を毎日のくらしに活かして、体質改善や病気の予防に役立てて下さい。 https://www.rakuten.co.jp/iktcm/
中医学は難しい理論などもありますが、それよりも実際に暮らしに活かせる養生法や薬膳など健康に生きる知恵が満載です。
次回は、5月21日「小満」ですね。沖縄や南西諸島では梅雨入りの季節。 |
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