「注染そめ」とは、生地を染める際、染料をヤカンと呼ばれるジョウロのような道具で注ぐことからこの名が付きました。約13mの反物をおよそ90cmごとに「Z」を描くように折り返し、布の上に型紙を置き、上から染料を注いで染め上げるため、裏表まったく同じ色に染色できます。プリントとは違い、にじみやぼかしによる優しい風合いに染めることができます。 この「注染そめ」は日本独特の染色技法で、現在でも日本でしか行われていません

   

染色加工には、染料や糊を洗い流す大量の水と、反物を乾かす風が必要となりますが、浜松には豊富な地下水と天竜川・馬込川等の河川があり、また“遠州の空っ風”と呼ばれるが風が年間を通じて吹いていて、注染そめには非常に適しています。このような好立地条件と、もともと江戸時代に綿の産地で有名だったことから、関東大震災で職場を失った東京の職人や関西からも職人を呼び込み、浜松は注染そめの一大産地となって行きます。現在、浜松は東京・大阪と並ぶ「注染ゆかた」三大産地のひとつです。

「注染」ってどんなの?染工場を見てみよう。

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