棕櫚とは

棕櫚は「しゅろ」と読み、南九州原産のヤシ科の木で、上から手の平形の葉がたくさん伸びる南国の雰囲気のある木です。

昔はどこの庭にもあり、日本人の生活に欠かせない存在でした。

棕櫚の毛(樹皮)はしなやかで柔らかく、かつ強靭、耐水性のある優れた素材です。


棕櫚の箒

棕櫚箒は名前のとおり、棕櫚の木の皮を素材に使った和箒です。

箒草の箒よりも歴史は長く、日本の文化に深く根付いた箒の一つです。

原料の棕櫚皮の繊維は、数ある天然繊維の中でもすぐれた性質があり、細く弾力があってしなやかで、耐久力・荷重力が強く、水にも強いので、古くから魚網や船具、建築用の綱等に利用されました。

棕櫚箒や棕櫚束子もこの棕櫚の特性を生かして作られており、自然素材でありながら丈夫で長持ちします。

棕櫚の束子(たわし)

通常、出回っている束子(たわし)はパームヤシを原料とした固いもの。

ですが昔ながらの棕櫚の束子は柔らかくてコシが強い、 料理人に愛される「まな板に吸い付くような束子」です。

かねいちの束子は棕櫚繊維を熟練の束子職人が一本一本検査し、繊維の太さが均一になるように厳選して巻き上げています。


原産国について

棕櫚の木は手入れを怠ると上質な皮が取れません。普段から手をかけ、皮を剥ぐことで丈夫で優しい手触りの上質な棕櫚皮が採取できるのです。

かつて、紀州、野上谷は棕櫚産業で栄え、棕櫚山が沢山ありました。
しかし、時代の波に呑まれ、より安価なパームやナイロン等の科学繊維が主流になると棕櫚を手入れする職人がいなくなり、上質な棕櫚皮は採取できなくなってしまいました。
現在では中国からの輸入に頼っています。
しかし製法は今も変わらず、職人の手づくりにより製品が生み出されています