《 宝石珊瑚について 》
一般的に、宝石として加工され珊瑚と呼ばれている物は、
珊瑚という生き物が作り出した骨軸部分を研磨加工したものです。
珊瑚はクラゲやイソギンチャクと同じ仲間で、ポリプの触手の数によって六放珊瑚亜網と亜網にわけられます。
六放珊瑚の骨軸は脆いため、宝石としては一部の八放珊瑚が使われます。
よく、浅瀬の珊瑚は六放珊瑚で、深海の珊瑚が八放珊瑚という説明を見ますが、これは正確ではなく
実際は、深海に生息する六放珊瑚や浅瀬の造礁珊瑚の中にも沢山の八放珊瑚が生息しています。
六放珊瑚と八放珊瑚それぞれに、固い骨軸を持つハードコーラルと骨軸を持たないソフトコーラルと呼ばれる
種類がいます。
浅瀬の八放珊瑚としては、イソバナサンゴなどが有ります。
イソバナの骨軸はスポンジ状で、宝石としては扱われていませんが、樹脂などでコーティングされたものが
アフリカ珊瑚やアップル珊瑚などと呼ばれて流通しています。
宝石としては、深海にいる八放珊瑚が使われます。
【宝石珊瑚種類】
赤珊瑚・・・日本近海
桃珊瑚・・・日本近海
白珊瑚・・・日本近海
シナ海珊瑚・・・東シナ海
地中海珊瑚(サルジ・胡渡珊瑚)・・・地中海
ミス珊瑚(姫珊瑚)・・・南シナ海
ミッド珊瑚・・・ミッドウェー・ハワイ諸島
ガーネ珊瑚・・・ミッドウェー・ハワイ諸島
深海珊瑚・・・ミッドウェー・ハワイ諸島
【赤珊瑚について】
日本の近海で採取されている種類で、
珊瑚の中で一番評価の高い種類で、海外での人気も高くほとんどが海外に輸出され、 日本が産地でありながら日本に残されるものが少なく、国内での入手も難しくなっています。
透明感もあり丁寧に研磨されたものは、透明な膜がかかったような、美しい光沢が有ります。
色の薄い方が透明感は強く感じることが出来き、若々しいイメージで
色の濃い物は少し紫がかったような赤色で、高貴な雰囲気も有ります。
『色の濃い物は血赤と呼ばれ一番価値のある種類で、特に濃い色が取れるのが高知県沖です。』
特徴としては、原木の中心には白フと呼ばれる色の白い部分が必ず有り、極力そこが表に出ないようにカットされますが、玉やルースの裏側には白い部分が出る場合が多いです。
*一般的な説明で、同じ種類でも例外的な物が有ります。
また、同じ赤い色の珊瑚が地中海でも採取されますが
地中海産は赤珊瑚とは別の種類になります。
地中海産赤珊瑚という表記をよく見かけますが、地中海産は赤珊瑚とは種類の違う珊瑚で
価値も5倍程度違いますので、ご購入の際にはご注意ください