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コラム
グリホサート除草剤について
2021.01.22
こんにちは。株式会社ハニーマザー代表の西田です。
グリホサート 除草剤 (Glyphosate )というものをご存じでしょうか?
アメリカ発の除草剤に含まれる主成分で、日本でも公園や校庭など公共の場でも広く使われ、農作物とも深く関わりのある薬です。このグリホサートは、基準値を下回る量なら安全であるというのが今では多くの国々の見解ですが、一部ではこのグリホサートに発がん性などのリスクがあるのではないかと危険視する声もあり、科学界でも議論の種となっているのが現状です。
国内外を問わず、普段口にするものに残留している可能性があるグリホサートですが、マヌカハニーをはじめニュージーランドのはちみつを扱う私達も注意すべき成分です。
ハニーマザーでは、はちみつがニュージーランドを出国する前に、全ての商品に対し例外なくグリホサート残留農薬の検査を行っています。
日本でのグリホサートの残留許容範囲は食品によって異なり、規制が緩い「そば」「小麦」で30ppm。日本人の主食である「米(玄米)」は1ppmの残留が認められています。
※1ppm=検体1mgに対して0.01mgの残留
私達がニュージーランドで行っているグリホサートの残留検査の基準は「0.01ppm」であり、日本のお米への残留許容量の100倍厳しい基準で行っています。
もちろん、この基準をクリアできなかったことは過去にありません。
その理由については後でお話ししたいと思います。
日本では平成29年12月25日よりこの規制を大幅に緩める政策をとりました。(食肉などは規制強化へ)
小麦は5ppmを前述の30ppmへ、そばは0.2ppmを同じく30ppmへ。
世界的にはグリホサートの残留基準を厳しくしている国が多いようですが、日本では逆の方向に向かっているようです。
※日本はちみつには基準値の設定はなし
日本の農薬残留基準の多くは、農薬開発販売企業が、新たに農薬をリリースする際、特定農産物に残留する可能性があるため、厚生労働省へ残留基準の許容申請をし、許可されることが通例のようです。 (厚生労働省:食品基準審査課:残留農薬室担当者談)
国民の食の安全を守るため、国が主導し作られるものと思っていましたが、新しい農薬の基準を許容するという意味での基準であるということに正直驚きました。
ただ、一方で農薬の必要性についても考えなくてはいけないかもしれません。
農林水産省発表の、 日本の農業が農薬を使用しなかった場合の減収率 に記載されているデーターでは、キュウリやキャベツ・りんご・などの身近な食べ物は平均で60%~97%損失されるというデーターがあります。
日本だけでなく世界農家さんが生きていくため、そして私達が享受している食物を維持するためには、農薬は切っても切れないものであるという現実があります。
そのような現実があるからこそ、私たちのように食品を販売する側は、その製品の生産背景をちゃんと理解して、生活者のみなさんにわかりやすくお伝えしていく責任がますます高まっていると思います。
ここでニュージーランドの養蜂に目を向けてみたいと思います。ニュージーランドのマヌカハニーには大きく分けて、モノフローラルとマルチフローラルの2種類があり、 ハニーマザーはモノフローラルのグレードのものだけを取り扱っています。 「モノ」とは「単一の」、つまりマヌカ以外の花蜜が混じっていないことを意味します。
モノフローラルのはちみつが採れる環境というのは、他の花の影響を受けない、本当の原生林のため、グリホサートを使用する人間界とはかなり離れた環境になります。そして、こういった原生林は、ニュージーランドでもごく限られた場所にしかありません。
一方で、マルチフローラルやブレンドという名前が付くマヌカハニーは、マヌカ以外の花の要素が含まれているため、結果純度にも影響があります。
マヌカハニーに限ったことかもしれませんが、 モノフローラルという高品質なものを選ぶということは、農薬の影響を受けないものを選ぶという選択肢になると考えています。
ハニーマザーでは自家製スイーツの原材料は極力、有機栽培のものや減農薬のものを選ぶようにしています。また神戸店の店頭で販売している「やきいも」の原材料も有機栽培の生産者さんから分けていただいています。
安心してお召し上がりいただけるものを、お客様に届けるということは私達の大切なミッションのひとつです。それと同時に、 地球環境になるだけ負荷をかけない食材やモノを選び提案することが、未来の自分たちや子供たちが健やかに暮らすことができる世の中を創るということだと私達は考えています。