穂積繊維工業が絨緞をつくる上で大切にしていること。それは、感触の気持ち良さと天然素材の持つ自然な色味を重視しながら、お客様に喜んで頂ける1枚をつくり上げること。私たちは絨緞づくりを通して、日々ものづくりの喜びを体感しています。穂積繊維工業が創業したのは昭和22年。地元に産業を、という初代社長の想いから、山形県中山町に手織り緞通の工場が誕生しました。その後、ハンドフックを用いた「月山緞通」の製作に着手。また、それまでの“絨緞といえばウール”という概念から離れ、麻を使った「麻緞通」の製作を開始しました。

一枚一枚心をこめて織り込む絨毯の制作風景

太さや性質の違う糸を組み合わせる為、微妙な機械調整が必要。

戦前の農民学校を移築した工場。角が丸くなった階段の手すり。

デザインによって、様々な色に染めた毛糸。

麻とウールを合わせた絨毯、穂波シリーズ。素材の違う糸を合わせ織ることが特徴。

下布を強く引っ張るときにできるに、大きなタコ。



麻の絨緞は吸湿性、放湿性、そして通気性にとても優れています。夏はシャリっとした感触が気持ち良く、冬は麻の糸の間に入った空気を温かく保つため、一年を通して使える絨緞としておすすめです。穂積繊維の麻絨緞の特徴は、ハンドフックで打ち込んだ麻がループ状になっていること。絨緞と言うと先端がカットされているものがほとんどですが、ここでは繊維に沿って、麻が持つヨリの力を頼りにループ状に打ち込んでいきます。そうすることで生まれる程好い硬さの触感は、素足であがるととても心地良く、30年来全国の旅館やホテルの脱衣場で使われ続けています。また、天然の麻の色をそのまま活かすことで、どんなシーンにも合う自然な仕上がりとなっています。




ウールでつくられた絨緞は伸縮性に優れているため、イスなどの重力が長い間かかったままになっても、へたらず元に戻るという特性を持っています。そのため長持ちするのはもちろん、使えば使うほどツヤが増し、次第にシルクのような風合いが出てくるというのもウールの特徴のひとつです。さらに、麻などの硬い素材と組み合わせることで感触の違いを引き出すツールとしても、ウールを重要視しています。高級感や厚みを出したい時はカット、サラっとした質感を出したい時はループなど、織り込み方でも違いが出せるため、様々な製品にその良さを活かすことができます。また穂積繊維では主に、羊の毛の色をそのまま活かした糸をブレンドした天然のままのウールを使用しています。




これまで絨緞の素材といえばウールや麻が基本でしたが、穂積繊維では新しい試みとしてデニム地の絨緞をつくっています。きっかけは、デニム工場が生地を織り上げる際にカットする両端の部分を活用しようという「デニムの耳」プロジェクトに賛同したことでした。耳といっても織られた生地なので、ハンドフックでループ状に織り込むことで、屋外でも問題なく使えるくらいに硬く丈夫な仕上がりの絨緞となります。さらに、素足で上がった時の気持ち良さから、絨緞だけでなくスリッパの底(足裏があたる部分)に使用することを考案。山形県鮭川村でスリッパ製作を行う豊田工業と連携しつくり上げた「デニム夢っぱ」は山形エクセレントデザイン賞を受賞しました。










穂積繊維 みのり 50×80cm 穂積繊維 みのり 60×100cm 穂積繊維 みのり 200×240cm


穂積繊維 みのり 200×200cm 穂積繊維 みのり 140×200cm 穂積繊維 みのり 200×270cm