ある物質が酸素と化合する反応、またはある物質から水素が奪われる反応であり、一般には原子・分子・イオンから電子が奪われる反応のことを「酸化」といいます。 酸化した(電子が奪われた)細胞や組織は、不安定になり、奪われた電子を取り戻そうと周囲の細胞から電子を奪うようになり、この酸化の連鎖反応が老化、病気を促進させます。 現代人の病気の約8割の原因に「酸化」が関与しているといわれています。
酸化した細胞が水素(電子)を得る反応を「還元」といい、元の安定な細胞に戻るので、老化、病気を改善します。
酸化とは、水素を失い、酸素と化合した結果です。 酸性とは、酸が水に溶けて、酸素と化合できる性質です。 溶液中にどれだけ水素イオンがあるかを測定(水素イオン濃度指数)する計量法を「pH(ペーハー)」と言います。 よってpHは単位ではなく計量法上の読み方です。 pHは0(酸性)から14(アルカリ性)までの数値があり、真ん中のpH7が中性になります。 水素イオン濃度が最も高いのがpH0であり、水酸化物イオン濃度が最も高いのがpH14です。 pHが1上昇するごとに水素イオン濃度が10分の1になり、水酸化物イオン濃度が10倍になります。
酸化させる力と還元させる力との差を電圧(単位:mV)で測定する事ができます。 その数値を「酸化還元電位(Oxdation-reduction potential: ORP)」といいます。 酸化力が強いほどORP測定値はプラスになるので酸化物質が多い事を意味します。 還元力が強いほどORP測定値はマイナスになるので還元物質が多い事を意味します。 電位範囲は、酸化物質の酸素(O)は最大で+820mV、還元物質の水素(H)は最大で-420mVになります。 不純物のない純水は、一定条件下*でORP数値が下図に示す平衡線を描き、pH 7.0の液体中では+305mVを示します。 この「純水のORP平衡線」を基準として、純水よりも高いORP数値をもつ水域を「酸化領域」、純水よりも低いORP数値をもつ水域を「還元領域」とよびます。 生物は体を構成する質量の大半を水分が占め、酸化によるダメージから身体を守るために体液を還元領域に保っています。 体内では良いものも悪いものもすべて中和されてpH7.35~7.45、ORP-200mV~+250mVの血液となり、還元領域内に納まり、恒常性が保たれ、カラダの組織や細胞が作られます。 このバランスを崩すと病気の原因になります。 例えば、胃酸や血液はストレス状態になると還元力が弱まり、酸化力が強くなります。 月経中の女性の血液もORPが上昇します。 環境の悪化に伴い、多くの酸化物質に囲まれて生活している現代人は、積極的に還元物質を多く含む(還元力の高い=ORP値が低い)食事を摂ることが恒常性維持のために重要であり、体内で活性酸素を増やしてし まう「酸化食品」を控えることが健康を守るうえで大切です。 また入浴も重要です。 塩素消毒されている水道水のORP測定値は、地域や日によっても違いますが、約+500mV~700mVの酸化領域に位置し、純水のORP値+305mVとの差が大きいことから酸化力が強い事を示しています。 このようなORP数値の高い水での入浴や洗顔は、体の皮膚表面から水素(電子)が奪われ酸化してしまいます。 入浴後に化粧水を使うのは肌から奪われた水素(電子)を補う為です。 ヒトをはじめとする陸上生物は酸化によるダメージから体の細胞や組織を守るために、体液を還元領域に保つ仕組みが備わっています。 体を酸化させずに還元する為には、純水のORP以下の数値をもつ、食事や入浴が健康の秘訣です。 *水温25℃、3.33mol/L KCl-Ag-AgClを比較電極とする測定器を用いた場合 注意 ORPの測定数値は測定条件(水温、pH、比較電極の種類)によって異なるため、通常、学術論文においては、測定条件の違いを反映しない「標準酸化還元電位」として測定結果の数値を変換した数値を用いますが、HIRYUでは測定機器および測定者を固定しており、あくまでHIRYU内における食材検査を目的としている為、測定数値を直接表示しております。 このため、測定条件の異なる他者が示すORP数値と比較することはできませんのでご注意下さい。
酸化還元電位は、pH(水素イオン濃度指数)の影響を受けます。 仮に、酸性とアルカリ性の2つの溶液中に同量の還元物質が含まれている場合、pHが低い(酸性)ほどORP値は高く、pHが高い(アルカリ)ほどORP値は低くなります。 例えば、ORP+224mV(pH2.30)のレモンとORP+224mV(pH5.87)のゴボウでは、ORP値だけを見ると同じなので、同量の還元物質量が含まれていると勘違いしがちですが、pHが異なる為、実際にはpHが低いレモンの方がより多くの還元物質を含んでいることになります。 もう少し具体的に説明すると、pHの値が3.57異なる(log10X=3.57のときX=3715)為、ゴボウ中の水素イオン濃度はレモンの3715分の1(水酸化物イオン濃度が3715倍)ということになります。 即ち、酸性度が高く(低pH)かつORP値が低い農作物ほど、還元物質を豊富に含んでいる(還元力の高い)優秀な食材を意味します。 HIRYUでは農作物を個体別に3回pH測定し、水素イオン濃度を確認してから販売しています。