フォアグラとは?  フォアグラの歴史  フォアグラの産地  フォアグラは飼育から始まる  ガチョウのフォアグラと鴨のフォアグラを徹底比較
↑フォアグラのカテゴリーへ  


ガチョウのフォアグラと鴨のフォアグラを徹底比較
左画像がフォアグラドオア(フォワドワとも言う)、右がフォアグ
ラドカナール(ファワドカナールとも言われる)、一般的にはフォアグラド○○と言った方が分かりやすいかもしれません。昔からフォアグラの調理法を学び、フォアグラの調理に命を懸けている料理人は前者かもしれません。まずサイズは400gから1kg程度まである。ガチョウのほうが鴨より身体が大きいため、大きなフォアグラを取りやすく、鴨が平均して600g前後なのに対してガチョウは800g前後。大きくなればなるほど、脂肪の含有量は大きくなります。

大小2つの房が合わさった形で、必ず向かい合って右側の房が小さくなっている。
鴨のフォアグラのほうが房の大小の差が大きく、身が薄くてスマート。
一方ガチョウは、ずんぐりしたコーヒー豆のような形をしている。
一般に、ガチョウのフォアグラの色は白っぽく、鴨のフォアグラは黄色みやベージュ色を帯びている。
鴨のほうがガチョウよりもエサの色が表れやすく、ガバージュの際のエサのトウモロコシの色によって
左右されるのが理由です。
感触 どちらのフォアグラも艶があって、固すぎず柔らかすぎず、ポマード状でネットリしているものが質が良い。
指で押すと、へこんで押し戻してくるようなスポンジ状のものは、中身がスカスカである可能性が高く良くない。
成分比較
種類 たんぱく質 脂肪 灰分
フォアグラドオア 35,6 7,6 56,2 0,6
フォアグラドカナール 28,3 6,1 64,4 0,5
鴨の種類 鴨のフォアグラ生産用に飼育されている鴨は、ミュラール種
これは、バルバリー種の雌に、北京ダックで知られるチェリーバレー種の雄を掛け合わせたもの。



フォアグラとは? / Foie Gras
フォアグラ~Foie Grasとはフランス語で太った肝臓(Foie=肝臓・Gras=脂肪)を意味する。
もともと、肝臓とは胃や腸で消化された食べ物から吸収した栄養や糖分、たんぱく質を蓄えたり、ホルモンの活動を調整したり、脂肪を分解する器官である。フォアグラと言えば、鵞鳥や鴨の肝臓の名称で、渡り鳥が長旅をする前に、エネルギーを肝臓に蓄える習性を利用し、鴨やガチョウに必要以上にエサをたくさん与える(ガヴァージュ/強制給餌)ことにより、肝臓を形成する肝細胞に使われない脂肪が蓄積する過程で、どんどん肝臓の一部が脂肪に置き換えられていく状態「脂肪肝」を人工的に作り出したものである。



フォアグラの歴史 / Foie Gras
フォアグラの歴史は2000年以上といわれ、渡り鳥の肝臓には多くの自然の恵みが蓄えられている事がわかり、古代エジプトで食べられていました。古代エジプトでは鵞鳥にイチジクを与え肝臓を肥大化させる方法を見つけたことからフォアグラの起源と伝えられています。年月と共にフォアグラの肥育方法が更に改良され、紀元前1世紀頃の古代ローマの晩餐会で、フォアグラが料理として初めて歴史に登場し、ローマ時代の詩人ホラティウスが鳥料理の芸術と賞賛したと記述にあります。
後にフォアグラ調理法と共に肥育方法もヨーロッパに広まり、フォアグラの調理法がフランス料理に取り入れられ、17世紀、ルイ14世の治世にフォアグラのテリーヌが献上されたと伝えられています。鴨や鵞鳥のフォアグラ作りの歴史の中で、16世紀頃から肥育方法に関して画期的な変化が起こりました。コロンブスが新大陸を発見と共に、トウモロコシがヨーロッパにもたらされ、イチジクによる肥育に代わりトウモロコシによる肥育が行われるようになり、生産効率が飛躍的に進歩しました。鴨は鵞鳥に比べ飼料の強制摂取に耐えられるため、中南米でインディオが飼い馴らしていた鴨をスペイン人が持ち帰り、フランスで品種改良が行われ、フォアグラや食肉に最も適した鴨としてバルバリー種が作り出されました。後にフォアグラの需要が多くなるにつれ、鵞鳥より強制摂取に耐え、成長が早い事から鴨のフォアグラの生産が盛んに行われるようになりました。フォアグラの歴史には多くのスペイン人が飼育や肥育にかかわり、19世紀にはピレネー山脈をはさみフランス側では、ペリゴール地方、ランデス地方、スペイン側ではバスク地方やカタルーニャ地方と、更に色々な地域に広まりました。



フォアグラの産地 / Foie Gras
フォアグラの産地は世界的に広がりつつある。
フォアグラ生産大国のフランスでさえ、日本で消費される15倍以上の量を海外から輸入。ちなみに日本最大の輸入相手はハンガリー、続いて多いのはイスラエル産で、本家フランス産は全体の1割強にすぎない。ガチョウのフォアグラに関して、その最大の輸出国はハンガリー。日本に輸入されるガチョウのフォアグラの6割もまたハンガリー産であり、その優秀さはフランス本国でも認められている。ハンガリーで伝統的にフォアグラ作りに携わってきたのは、ユダヤ系の農民達である。彼らは旧約聖書に記された食事に関するタブーを厳格に守っている。(たとえば馬や豚、野ウサギ、ウロコのない魚、動物の血は不浄なので食してはならないなど。)
こうした制限の下でも食べられるフォアグラは、ユダヤ教徒にとって重用な脂肪源であった。
また血を不浄とする観念が、フォアグラの内部に血を残さずに取り出す技術を育てた。
日本に入ってくるガチョウのフォアグラの3割はイスラエル産である。
そのフォアグラの優秀さは、ハンガリーから移り住んだユダヤ人の手によって作られているという理由だけでなくフォアグラを重要な輸出品として位置づけ、国による徹底的な品質維持体制を整えている点にある。一方、鴨のフォアグラに関しては、日本で消費される大多数をフランスが供給する。
歴史のある生産地としては、フランス南西部、ランドヴァンデといったガスコーニュ地方
また、トリュフの名産地でもあるペリゴール地方。
近年、フランスでは鴨のフォアグラの消費量がうなぎ上がりで、ガチョウを圧倒している。
「ガチョウよりも風味が軽い」「口溶けがよい」といった味わいが、レストランのシェフの間で鴨のフォアグラ使用を推進させた一要因ではあるが、鴨のほうが育てやすい、また鴨のフォアグラを取った後の胸肉、マグレ ド カナールが広まった事などの生産者サイドの事情も大きく働いている。
フランスに続く輸入元は、ハンガリー、中国であるが、近年ではハンガリー産鴨のフォアグラの優秀さが見直されており、
その輸入量は毎年増加傾向にある。



フォアグラは飼育から始まる。 / Foie Gras
「鴨のフォアグラ」は鴨に湯がきトウモロコシをガヴァージュ(飼料の強制摂取)させ脂肪肝を作ります。 自社農園では、鴨の場合はオス雛を約3ヶ月間かけて自由に自然環境の中で育てます。成鳥になったオス鴨に13日〜13日間、湯がきトウモロコシだけをこの期間に13kg〜15kgを与え、鴨の体調を見ながら日に2回、ガバージュ(強制摂取)させます。
鴨の種類はミュラール種と言い、バルバリー種鴨のオスと、成鳥の早い種のメスの掛け合わせです。ミュラール鴨から取れるフォアグラが最高と言われ、また肉は赤身が多く、脂肪層が少ないのが特徴で、柔らかく味が良いことから鴨料理や鴨の熟成生ハムに使われています。 鴨は飼育や肥育にかかる期間が短く、鴨肉も需要が多いですが、鵞鳥は育てる期間や肥育期間が長く、肉の需要が鴨に比べ少ない事から、鴨のフォアグラの価格を1とすれば、鵞鳥のフォアグラは鴨の価格の1,7倍以上もします。

ラベル・ルージュに規定されていると同じように、自然環境の中で鵞鳥や鴨を放し飼いし、湯がきトウモロコシだけで肥育する伝統的な方法で、最高の品質のフォアグラ作りをします。肥育工程を終えた鴨や鵞鳥は首を切断または動脈を切り、体内の血液を全て抜きます。 この血抜き工程が大事で、血液が体内に多く残りますと、フォアグラにも悪影響を及ぼしますので丁寧に作業をします。 血抜きが終わりましたら、羽を抜く工程を経て解体作業に入ります。

よく血抜きをして、風通しの良い所に24時間吊るして空気に当ててから解体するのが良いと言われていますが、この方法だとフォアグラの脂肪分がダメージを受けるため、まだ体温が残るうちに解体し取り出すのがフォアグラにとっては一番良いと言われています。血抜きや羽を抜く工程を終え、体温がまだ残る体内からフォアグラを取り出し、血管や余分な物を取り除きラップをかけ一度急速に冷やす処理をするとフォアグラが安定し、最高の品質を保てます。




フォアグラとは?  フォアグラの歴史  フォアグラの産地  フォアグラは飼育から始まる  ガチョウのフォアグラと鴨のフォアグラを徹底比較
↑フォアグラのカテゴリーへ ↑ページTOPへ ↑ハイ食材室TOPページへ