1900年代初期、フランスは農業国で、農民たちは一日中重くて足に負担のかかるサボ(木靴)を履いて農作業をしていました。
一人の男が、当時パリで新素材として話題になっていた「ゴム」を使い、長靴を製造することを考えつきました。
彼の名はTheodore Grimmeisen:テオドール グリムゾン。
この長靴、当時としては画期的なことで、軽くて履き心地が良いため大評判になりました。
グリムゾンはスポーツ好きで、パリ郊外のテニスクラブによく足を運びました。
当時は、重い革靴や不安定な布製のエスパドリューを履いてテニスをしていました。
テニスプレイヤーをよく観察していたグリムゾンは、走り易く、快適なシューズを作ろうと、自然の素材であるコットンをアッパーに、ゴムをソールに用いたテニス用のシューズを開発しました。
テニスクラブでこの靴を履いてみた人々は「スプリングのきいた靴でテニスコートをぴょんぴょん飛ぶようだ!」と賛美しました。
そして1936年、グリムゾンは「スプリングコート」という名前をブランド名として登録しました。
スプリングコートの誕生です。 |