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スプリングコート
Spring Court

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スプリングコート/Spring Court    
スプリングコートは、多くのミュージシャン、アーティスト、デザイナーらに愛用されています。
特に白のコットンキャンバスシューズはなぜだか大変人気があるシューズです。

ビートルズのジョン・レノンは"アビー・ロード"のレコードカバーでも、結婚式でも白いスプリングコートを履いて様々な広告に登場していました。

他にもジョニー・アリディー、ポール・ウェラー、オールセインツ、リアム・ギャラガー(オアシス)、デーモン・アルバーン、ジュード・ロウ、ヴァネッサ・パラディ、ジョニー・デップ、サディ・フロスト、ヒルトン・マッコニコらも愛用者として名を連ねます。
パリ--コレット、ミラノ--10 コルソコモ、ロンドン--デザインワークス、パリ+東京--A.P.C.らのコンセプトショップやセレクトショップとの取り組みやアーティスト達とのコラボレーションも盛んになり、最近ではスプリングコートの価値を再認識する動きが高まっています。




・ 素材

アッパー、インソール、靴紐はコットン、ソールは天然ゴムで出来ています。
ゴムの木の涙と言われる天然ゴムは忍耐強く収穫され、スプリングコートのソールの原料になります。
天然ゴムはグリップ性と摩擦力に優れています。



・ ブリランテ・コードバンシリーズ Brillante Cordovan Series

革の中でも最も丈夫とされているコードバン(尻部の革)レザーですが、馬の尻部分の皮下層の緻密度は牛の3倍もあります。
この繊細な繊維を壊すことなく、丹念にフルタンニンで鞣されます。
このコードバンはより強度を増すだけではなく、しなやかさを出すために、通常よりも複雑なオイルプロセスが駆使されています。

この作業に時間をかけるために滑らかで光沢の美しい上品な仕上がりとなりますが、このコードバンは更に古来伝統技法とされてきた「スネカツ」という道具で一枚一枚丁寧に表面を磨き、限りなく職人の感性に頼った方法で、極限までベースが磨かれます。

その後に、染料で「水染め」しますが、これも一枚一枚「槽」に浸された布を使い、表面に染色していきます。
重ねながら乾かし、また染色するという工程を十数回にわたり行うため物凄い時間と労力がかかります。

通常のコードバンは、工業化されていることもあり、樹脂塗料をコーティングして光沢を出すという技法が使われていますので、表面の風合いは全く違ったものになります。

時を惜しまず、熟練の粋をつくして仕上げられているこのコードバンは、革そのものの柔らかな透明感のある艶を持ち、素材の温もりを持つ、従来概念を超越した究極のコードバンです。
素材の息使いさえ感じさせるこのコードバンは、しなやかで柔らかいだけでなく、強さも保証され、時と共に趣を感じることができる第1級クラスのコードバンです。



・ ファンクション

スプリングコートは本体に左右4個ずつ空気穴が施されており、中敷の裏側に刻まれた溝を通して外気を取り入れるようになっています。
そのため通気性が高く素足でも蒸れることがありません。

更に中敷は簡単に取り外しが可能で、中敷きも本体も丸洗いが可能です。

この左右8個の"Natural Permanent Ventilation System"は世界で特許を取得しており、外観上も一見してスプリングコートと分かる特徴にもなっています。

通気性に優れたスニーカーは快適な履き心地で、こまめに洗うことで更に清潔さもキープできます。
素足でも安心して快適に履くことができます。
インソールはミント入りで、ほのかに香ります。

スタイルはスニーカーの元祖ともいえるクラシックなたたずまいで、フランス生まれらしい品の良さを感じさせます。



・ 製造工程

今日でもスプリングコートは1952年に開発された昔からの方法で、1足ずつ手作りされています。
丁寧に裁断されたアッパーと靴底の生地は手作業により縫い合わされ、その後ハト目をします。
ソールのサイドに柔らかい天然ゴムのテープを巻き、靴底になるゴムが入ったムール(靴の鋳型)に入れ、150度の高温で10分間熱し天然ゴムを溶かして接着します。(これを天然ゴムのヴァルカナイズ加工=硬化加工と呼びます。)
この熱加工の一体成型により靴底はとても頑丈です。
ムールから出された後、周りの余計なゴムを切り落とし、中敷を入れ、靴紐を結んで完成です。
現在では90台しか残っていない創業当初から使用されているアルミ製の鋳型で作られているスプリングコート。
靴底の形は永遠に一定ですが、熱に強い素材なら何でも作れます。
現在はこの90台をタイに持ち込み、タイの人々によって製造されています。


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