手軽な運動「つま先立ち」
健康のために運動は必要!と分かっていてもなかなかできないことも多いですよね。寒い時季は外に出たり体を動かすのもためらわれて、なおさら運動不足になりがちです。
今回は、そんな時季でも手軽に短時間にできる運動「つま先立ち」をご紹介します。

★ナゼつま先立ちが健康に良いの?
つま先立ちが健康に良いと言われる一番の理由は、ふくらはぎの筋肉を使うことで、主に下半身の血流を活発にすることです。
ふくらはぎは第二の心臓とも呼ばれ、書籍が販売されるなどのふくらはぎ健康ブームもありました。
足先から血液を心臓に戻すには重力に逆らって血液を流す力が必要となります。
静脈には血液の逆流を防ぐ静脈弁があるため、逆流することは少ないですが、血液を流す力が少ないと、血液が心臓に戻るのに時間がかかり、血流が滞る原因になってしまいます。
血液が血管に留まる時間が長くなると、静脈の中で固まりやすくなり静脈の形が変わってしまう下肢静脈瘤の要因となってしまいます。
ふくらはぎを使って血流を改善することは、冷え性だけでなく全身の健康にも良い影響があります。

★ちょっとした隙間時間にやってみましょう!
つま先立ちはその名の通り、つま先で立つだけですので、ちょっとした空き時間や、何かをしながら、手軽に行うことができます。
(1) 壁や椅子などに両手を付けて支えにして立つ
(2) 10秒間両足のかかとを上げて、ゆっくりかかとを下ろす
(1)と(2)を5回ほど繰り返すというのが一つの目安ですが、その人の体力に応じて
かかとを上げる時間を延ばしたり短くしたり、回数を変えても構いません。
安全な状況であれば、電車で立っている時などの隙間時間に行うこともできます。
かかとを上げる時は、親指の付け根付近で立つことを意識して足の指はまっすぐになるように気を付けましょう。足の指が丸まってしまうと筋肉をしっかり使うことができないので、指はまっすぐ床に着いた状態でかかとを上げてください。ただし、転倒しないように無理のない範囲で行ってください。
また、椅子に座ったままでも、同じようにかかとを上げ下げすることで、ふくらはぎの筋肉を使うことができます。

★腸内環境改善や生活習慣病予防にも
つま先立ちをすると、身体のバランスを取るため、ふくらはぎだけでなく足裏や太もも、お腹周りの筋肉も使うことができます。
筋力が上がることで、要介護のリスクが高くなるロコモティブシンドローム(筋力の低下で日常動作に支障をきたす運動器症候群)の予防や、腹部に力が入ることで腸の働きが活発になり腸内環境の改善にもつながります。
血流が良くなることで、動脈硬化や高血圧などの生活習慣病のリスクを下げることにもつながります。
手軽にできる運動の一つとして、日ごろから取り組んでみてはいかがでしょうか。