LAULHERE(ロレール)

LAULHERE(ロレール)とは

ロレールは、1840年、バスク地方のフランス側、オロロン・サント・マリー(*1)にて産声をあげた老舗のベレー帽メーカーです。
スペインとフランスの国境地帯にまたがるバスク地方は、昔から民族衣装としてベレー帽がかぶられていたことから、ベレー発祥の地と言われています。
この地方で作られたベレー帽は品質が高く、かつてはナポレオン3世も愛用していました。時代の流れとともに安価なベレー帽が溢れ、現存する本格的なベレー帽メーカーはわずかです。そんな中、LAULHERE(ロレール)は代々続く技術を用いて、上質なウールを用いたベレー作りを続けています。
LAULHERE(ロレール)のベレー帽は、1点をつくるのに2日以上の時間をかけ、職人が昔ながらの織機を用いた手作りで仕上げます。形、手触り、縮絨、縫製技術、すべてにおいて妥協のない品質は、フランスの職人たちが守り続ける伝統と誇りの証です。

*1 オロロン=サント=マリー(フランス語:Oloron-Sainte-Marie、バスク語:Oloroe-Donamaria、オック語:Auloron)は、フランス南西部のヌーヴェル=アキテーヌ地域圏、ピレネー=アトランティック県の郡庁所在地で、ベアルン地方の中心都市。

目次


LAULHERE(ロレール)ブランド紹介

LAULHERE(ロレール)とは

ベレー帽発祥の地、オロロン・サント・マリー

LAULHERE(ロレール)

LAULHERE(ロレール)は1840年、バスク地方のフランス側、オロロン・サント・マリーで誕生しました。オロロン・サント・マリーは、かつてベレー発祥の地として栄えましたが、この地でベレーを生産するメーカーは、今やLAULHERE(ロレール)1社となりました。

ベレーは、フランス人にとって国のシンボルでもあり、世界的にも広く認知されています。またフランス文化としても深く編みこまれており、DNAの一部となっています。LAULHERE(ロレール)の目指す道は、フランス文化を体現するメーカーとして、170年を越える長い伝統を守り続け、唯一のベレーを作りつづけることです。

ベレー帽の歴史と LAULHERE(ロレール)の歩み

ベレー帽の起源
LAULHERE(ロレール)

『バスク』ベレーとは、実は『ベアルン(*2)』ベレーです。最初にベレーを作ったのはベアルンの羊飼いでした。山中の水で羊毛をフェルト状にし、冬の寒さや厳しい日差しからまもるため、それはとても丈夫でした。

『ベアルン』ベレーが『バスクベレー』として流行り始めたきっかけは、ナポレオン3世が素晴らしいお城を建てたビアリッツを良く訪れ、その帽子に魅了されたところから始まりました。多くの労働者も、ベアルンの羊飼いと同じ理由で、その便利で平らな帽子を被りました。そして、その名前は世界に広がっていきました。

*2 ベアルンもしくはベアルヌ(フランス語:Bearn, ベアルン語:Bearn, Biarn)は、フランス南西部、スペインとの国境に近いピレネー山中の歴史的地方を指した名で、フランス革命以前から存在した州の1つである。現在のピレネー=アトランティック県の一部に当たる。

19世紀初頭 ― ベレー帽の大衆化
LAULHERE(ロレール)

最初の大きな変化は、ベレーが戦闘で着用しても耐えられる品質であることを軍隊が見つけたときでした。実際、戦闘の場で、敵味方を見分けることは大変重要です。そこから徐々に一般に広がり、羊飼いと同じ理由で労働階級にも広がっていきました。産業化時代、多くの人が都会に出ました。そのとき、ベレーも一緒に持っていったのでした。

中世時代から、羊毛とテキスタイルの重要地域だったオロロン・サント・マリーは、こうしてベレーの最大生産地となりました。それは、羊毛とテキスタイルの伝統とともに、清らかな山の水がとれるという恵まれた立地条件のおかげです。

1840年 ― LAULHERE(ロレール)の創業
LAULHERE(ロレール)

創設者ルシエン・ロレール氏は、1840年、オロロン・サント・マリーで工場を建て、1年目から国内外で大きな売り上げを上げました。その息子JoachimとAdrienは、『ロレール・フェレ』という名前で事業を引き継ぎ、1895年に『ゼブラ・ベレー』、1898年に有名な『フラットCAP』『ベレーCAP』など、多くの専売特許を取得しました。

LAULHERE(ロレール)
1920年から1930年 ― ベレー帽が世界を席巻
LAULHERE(ロレール)

ベレーを被るということは、もはやすべての障壁がなくなり、老若男女が対象となりました。パリでも女性がファッションとしてベレーを被るようになり、女優のグレタ・ガルポも被って注目を浴びました。
LAULHERE(ロレール)の工場でも、現代的な織物の機械が導入されました。

1940年から1960年
LAULHERE(ロレール)

1940年代から、フランス軍とLAULHERE(ロレール)により発展した戦闘ベレーのおかげで、LAULHERE(ロレール)はビジネスの幅を広げていきました。その後、世界規模で女性ファッションにも広がっていきました。

生産過程の改善に情熱を燃やし、LAULHERE(ロレール)は独自の機械と生産過程を開発し、新しい専売特許を登録し続けてきました。

2000年代
LAULHERE(ロレール)

2011年、LAULHERE(ロレール)はNATO軍へ帽子を提供する権利を与えられました。今や、伝統的なプロセスを使い、ベレーを生産する会社はLAULHERE(ロレール)だけとなりました。
LAULHERE(ロレール)の優れたノウハウは、200年近くにわたって世代から世代に引き継がれ、この功績が称えられ、2012年にEPVラベルを受賞しました。EPVラベルを取得している企業は、厳しい条件をクリアした350社のみです。

今日のLAULHERE(ロレール)
LAULHERE(ロレール)

LAULHERE(ロレール)は、今やフランスに残る最後のベレー帽メーカーであり、類ない古来の伝統を誇っています。LAULHERE(ロレール)は、フランス文化を守っていくかけがえのないミッションと共に、あらゆる伝統を統合し、フランスのみならず、世界で『真のベレー』を蘇らせる活動を行っています。


LAULHERE(ロレール)の帽子について

LAULHERE(ロレール)の帽子について

LAULHERE(ロレール)のベレー帽工房の様子

LAULHERE(ロレール)のベレー帽の主な素材

LAULHERE(ロレール)

LAULHERE(ロレール)では、最高の素材、伝統的な手作りの技法、培われたノウハウを惜しみなく注ぐことで、最高品質のベレー帽をつくりあげています。1つのベレーを作るのに、丸2日、もしくはそれ以上かかることもあります。そして1つのベレーを作るために、膨大な回数の検査と調整をしています。

LAULHERE(ロレール)のベレー帽の多くは、世界中から取り寄せた純粋なメリノバージンウールで作られています。複雑な製造過程を経た上質な素材が、高級なベレー帽の原点であり、並外れた柔軟性、耐水性、耐久性を実現しています。
また近年では、素晴らしいクオリティを持つアンゴラウールも用いています。アンゴラウールは手袋、スカーフ、帽子などに使われる高級なウール素材の1つで、ファッションに欠かせません。

商品づくりはフェルト化の工程から始まります。生成の素材を丹念にフェルト化し、数年かけて完成したカラーレシピを基に、いくつか顔料を混ぜたもので染められます。ベレーの全表面をまんべんなく美しく鮮やかに染めるための工程は、細心の注意が必要になります。

染め、型取り、シェービング、すべての工程において高度な基準を設け、すべての工程において検証を行うことで、品質をより高めています。そして、徹底した品質管理がロレールの自信につながっています。

メリノウール
LAULHERE(ロレール)

LULHEREロレールのベレー帽の多くは、羊毛の中でも最高級とされるメリノウールを使用しています。

メリノウールは、メリノ種の羊からとれる羊毛です。他の種類の羊毛に比べて繊維が細く、長さも均一、そしてしなやかでふんわりとした肌触りが特徴です。外観には、薄く軽く、美しい光沢があります。その心地よい質感と、見た目の高級感で広く知られています。

メリノウールの中でもグレードの高い「エクストラファインメリノ」を用いた最高級のベレー帽もあります。このエクストラファインメリノは、メリノウールの中でも抜きんでて繊維が細く、高級スーツや最高級のニットウェア、ドレスなどに用いられるものです。

アンゴラ
LAULHERE(ロレール)

アンゴラは、トルコのアンカラ地方原産のウサギであるアンゴラウサギの毛で作った高級織物素材です。長く光沢のある毛を用いたアンゴラは、やわらかく温かで、魅惑的な肌触りを生み出します。

アンゴラの毛は中空繊維であるため魔法瓶のような断熱性があり、ウールよりも優れた保湿力をもつのが大きな特徴です。また細い繊維の撚りは毛細管現象を発揮し、汗をすばやく吸収して蒸散させるので、ムレずに快適。加えて、ウールより軽い点も大きな魅力です。

アンゴラの毛の表面にはキューティクルがないため、他の毛と比べてチクチクしないという利点があります。しかし同時に、キューティクルがないため、混紡せずにアンゴラ100%で毛を紡ぐことができません。一般的にはウールと混紡して用いられます。

基本的にウール100%で作られているLAULHERE(ロレール)のベレー帽ですが、上記のような理由から、中にはアンゴラとの混紡を用いているものがあるのです。