FAILSWORTH(フェイルスワース)
1903年の創業の「フェイルスワース」は、英国ハットのトップ・ブランド。本場イギリス発祥で創設以来、熟練の技術と革新的なデザインで国際的に高い評価を獲得しています。粋なブリティッシュ・トラッドの魅力を凝縮したフェイルスワースの帽子は、常に独自のスタイルと高いファッション性を志向し、世界中にその名をとどろかせています。現在は生産拠点を中国に移すも、イギリス伝統の素材を活かし丁寧な縫製技術とトラッドなデザインは健在で、多くのファンに愛され続けています。
目次
FAILSWORTH(フェイルスワース)ブランド紹介
FAILSWORTH(フェイルスワース)の歴史
1903年 ― FAILSWORTH(フェイルスワース)の創業
1903年12月2日、FAILSWORTH(フェイルスワース)は「The New Failsworth Hat Manufacturing Company」の名で設立されました。
公的記録としての設立は1903年12月2日ですが、もともとは1875年に「Maypole Hat Works」の名で事業を開始した事がFAILSWORTH(フェイルスワース)の歴史の始まりでした。
1881年になると、FAILSWORTH(フェイルスワース)がその後発展することになる都市マンチェスターのクレアモント・ストリートへと拠点を移動しました。
1940年になると、会社名は最終的に現在のFAILSWORTH(フェイルスワース)(Failsworth Hats Limited)に移行しました。
1939年 ― 第二次世界大戦
1930年代の早い時期から、FAILSWORTH(フェイルスワース)は国内外での様々な市場分野を強化するため、事業拡張と開発に尽力しました。結果、FAILSWORTH(フェイルスワース)の帽子は各国で展開され、順調にその名を広げてゆきます。
しかし第二次世界大戦が勃発すると、軍事政策により一般的な帽子の生産は制限を受け、FAILSWORTH(フェイルスワース)は軍需用の飛行帽、ヘルメットの他、航空機部品の制作も手掛けるようになります。
1949年 ― 米国ステッドソン社との取引
終戦を迎えた後、他の産業もそうであったように、FAILSWORTH(フェイルスワース)はもう一度市場での立場を確立する必要がありました。
終戦のあおりで相当の損失を出した中でしたが、FAILSWORTH(フェイルスワース)は挑戦的に設備や新技術の導入に投資を行い、結果、世界最高級の帽子ブランドとして、そして欧州で一番大きな工場として成長を遂げます。
1940年の終わりになると、米国のステッドソン社と生産のライセンス契約を結び、有名なステッドソン・ブランドを背負った帽子の生産を始めました。
1958年 ― 50年代の繁栄期
50年代は、FAILSWORTH(フェイルスワース)が新しいスタイルを発展させ続けた時期でした。
ロンドンのショールームを最大限に活用し、英国貿易展示会に定期的に参加することによって、国内外で順調に販売を伸ばしてゆきます。
フェイルスワースの名は、著名なハロッズ、オースティンリード、セルフリッジなどの英国ブランドと共に、確固たる地位を確立する事となります。
スポーティーなフェルトハットだけでなく、織りの帽子も生産され、FAILSWORTH(フェイルスワース)が生み出す様々なスタイルの帽子は、バスビー・ベイブス(※イギリスのサッカーチーム)のような多くの象徴的スター達に愛用されました。
1982年 ― 素材の進化
1980年代は、生地や素材が目覚ましい発展を遂げ、洋服業界に新たな影響を及ぼした時代でした。
耐水性に富み軽量なスポーツ生地であるマイクロファイバー(超極細繊維)に続き、船の帆に端を発し高度な防風性と防水性を持つワックスコットンもこの時代を代表する生地です。
フリース生地も、活動的なハイキングやスポーツにおいて、多くのコレクションに登場するようになりました。
現在と違い、1875年から1940年にかけ、FAILSWORTH(フェイルスワース)を代表する帽子はフェルトハットでしたが、FAILSWORTH(フェイルスワース)はこの時期、英国最高級のツイードと伝統的な帽子を融合させた、新しいスタイルの帽子を手掛けるようになります。
カシミヤ、羊毛、ハリス・ツイード等を用いたFAILSWORTH(フェイルスワース)の高級帽子は、最先端のメンズファッションに完璧に調和し、トレンドを生み出します。
1998年 ― 大きな波
1998年、FAILSWORTH(フェイルスワース)は更なる発展の為、クレアモント・ストリートから目と鼻の先にあるクラウン・ストリートに移転します。戦争、発展と、紆余曲折を経たファッション業界でしたが、様々な局面を乗り越え歴史を重ねたFAILSWORTH(フェイルスワース)は、これから迎える未来に自信を持っています。
2014年 ― 進化する伝統
2000年初期、FAILSWORTH(フェイルスワース)は創業から記念すべき100周年を迎えます。
バーバー、アブラハムムーン、ハリス・ツイード等、様々な英国ブランドと同様、FAILSWORTH(フェイルスワース)にとって伝統はとても重要であり、100周年は実に記念すべき出来事でした。積み上げた100年の歴史が盤石な礎となり、未来へと発展する力をいっそう生み出すからです。
FAILSWORTH(フェイルスワース)は歴史と伝統に培われた類稀な実力を武器に、流行やライフスタイル、現代の市場環境において、より大きな競争力をつけていきました。
これからもFAILSWORTH(フェイルスワース)はブリティッシュ・トラッドを重んじつつ、最も新しい思考と新しいテクノロジーを取り入れて帽子を進歩させていきます。
フェイルスワースの進化
確かな伝統、未来への視線。
FAILSWORTH(フェイルスワース)は語ります。
「私たちは、類まれなる質、卓越した職人技術という、伝統的価値と誇りを見失うことはないでしょう」
伝統を重んじながらも、FAILSWORTH(フェイルスワース)の視線は常に未来を見据え、デザインの革新と最新技術の進歩に目を向けています。
1903年、マンチェスターにこぢんまりと設立されたFAILSWORTH(フェイルスワース)は、毎週ほんの25ダースの帽子を生産する小さな帽子店に過ぎませんでした。その後、順調に成長を続け、1940年までには毎週5000ダースの帽子を生産するまでになりました。戦時中は、イギリス空軍のための手作り飛行帽や、水中処理兵のための特別な道具を作っていることもありました。
1950年代、市場におけるフェルトハットの需要が減り始めたとき、FAILSWORTH(フェイルスワース)はいち早く不吉な前兆を感じとり、市場が崩壊する前に実行可能な代替案を用意することで、この苦境を乗り切りました。
世間一般の人々から前衛的な人々にまで気に入られるような、新しい素材やデザイン、技術を大胆に導入し、時流を見据えた見事な復活劇を遂げたのです。
老舗の栄華に慢心せず、古きを知り尽くした上で新しき進化に臆せず挑む――この姿勢こそが、FAILSWORTH(フェイルスワース)の創造への飽くなき挑戦の表れであり、人々の心を掴んでやまない帽子を生み出し続ける秘訣です。たゆまぬ挑戦と革新が、ただ歴史にあぐらをかくだけのブランドと一線を画し、FAILSWORTH(フェイルスワース)を世界の人々に愛され続けるハイ・ブランドとしての確固たる地位へと押し上げているのです。
FAILSWORTH(フェイルスワース)はこれからも、常に未来に目を向け、次世代の新しい生地や素材、色を提案し、前進と革新を続けてゆくことでしょう。
統計で見るFAILSWORTH(フェイルスワース)
今日のFAILSWORTH(フェイルスワース)が持つ実力(その規模や活動範囲)を把握するには、数字を知る事が一つの簡単な手段でしょう。
数字の羅列はともすれば味気ないものですが、しかしFAILSWORTH(フェイルスワース)は、数字が表すものを最も誇りと思っています。何故ならそれは、FAILSWORTH(フェイルスワース)が全世界の顧客へと商品を届けるために、着々と積み重ねた信頼と忠誠をハッキリと立証しているからです。
- 113 ― 歴史に裏打ちされた長年の経験を示す、創業からの年数
- 2,000,000 ― 1年の販売単位
- 100,000 ― 1年に使用される英国生地のメートル
印象的なこれらの数字は、FAILSWORTH(フェイルスワース)の鋭い商用戦略と、確かな進歩を単純明快に証明しています。FAILSWORTH(フェイルスワース)は、世界に名を馳せる各種有名英国ブランドに一歩も引けをとらず、常に独自のスタイルと高いファッション性をもって、世界中で大きな評価を獲得しています。
FAILSWORTH(フェイルスワース)の企業倫理
FAILSWORTH(フェイルスワース)は、労働条件や環境に深く配慮しています。
FAILSWORTH(フェイルスワース)は、ETI(Ethical Trading Initiativeエシカルトレーディングイニシアチブ/英国の倫理的業者推進NGO)のETIベースコードによる監査を基準とし、自社だけでなく取引企業も倫理的な責任を果たしているか、厳密に検証しています。ETIに参加する企業は所定のラベル表示が可能(認証制度)で、こうしたラベル表示運動は企業が社会や環境に対して、より望ましい行動をとることへの誘因となっています。
FAILSWORTH(フェイルスワース)は、労働条件によって従業員の生活を変えてしまう可能性を認識しており、彼らの暮らしに責任を負っています。
責任を負う企業として、全ての商品は倫理的に生産されるべきと考えており、自社はもちろんのこと、顧客・環境・サプライヤー・社員を大切にする価値感を共有できる企業とのみ取引を行うよう、徹底した信念で活動しています。
全ての生産者はETIベースコードに応じて監査され、SEDEX社のサイトで公開されています。
フェイルスワースは継続的に手順の見直しと企業倫理の強化をしています。FAILSWORTH(フェイルスワース)のポリシーは、継続的進歩のうちの1つです。これを達成するために、ともに働く卸業者へ率先したアプローチをしています。
また、FAILSWORTH(フェイルスワース)は、市における環境に対して影響力を持っており、責任を負っていることを認識しています。有意義な変化と環境への影響を軽減するために、あらゆることを取り入れていきます。
紳士の国イギリスの伝統を受け継いだFAILSWORTH(フェイルスワース)の帽子
創立1903年以来、伝統と革新をもって常に業界の先端を走り続けるトップ・ブランドFAILSWORTH(フェイルスワース)。
かつて西洋には「帽子を被らない男は、紳士のフリをする事すら諦めた男だ」との言があり、日本でも明治末から昭和初期にかけ「紳士たるもの外出時には帽子の着用が必須」という常識が根を下ろしていました。
紳士の国イギリスの伝統を受け継いだFAILSWORTH(フェイルスワース)の帽子は、被る人のジェントルマン・シップを内側から輝かせるに違いありません。
歴史に培われた技術を惜しみなく詰め込んだFAILSWORTH(フェイルスワース)の英国ハットを、ぜひご自身の目でお確かめください。
FAILSWORTH(フェイルスワース)の帽子について
FAILSWORTH(フェイルスワース)はブリティッシュ・トラッドを重んじる一方で、常に未来を見据え、デザインの革新と最新技術の進歩に目を向けています。たゆまぬ挑戦と革新が、ただ歴史にあぐらをかくだけのブランドと一線を画し、FAILSWORTH(フェイルスワース)を世界の人々に愛され続けるハイ・ブランドとしての確固たる地位へと押し上げているのです。
FAILSWORTH(フェイルスワース)の帽子制作、7つのステップ
FAILSWORTH(フェイルスワース)の帽子制作は、7つのステップにこだわりを持って行われます。FAILSWORTH(フェイルスワース)は常に、最も新しい思考と新しいテクノロジーを取り入れて帽子を進歩させています。
1. 未来のトレンドを見据えて
FAILSWORTH(フェイルスワース)は、新しい帽子を作る前に、まず流行を深く掘り下げます。
FAILSWORTH(フェイルスワース)には、パリ・ローマ・ミラノの最新ファッションショーにも精通したデザイナー達が在籍しています。流行に敏感なプロ達が、国内外にまで知見を広げ、あらゆる情報を収集します。
老舗でありながら、今求められる新しい感性にも意欲的に接するのがFAILSWORTH(フェイルスワース)のスタイルです。
2. ファッションショーへの参加
ロサンジェルス、ロンドン、ニューヨーク、東京のようなトレンドに敏感な街へ実際に足を向け、積極的にファッションショーへ参加し、感性を磨きます。
「デザインは、我々が作る全ての帽子に集約されます。帽子をただ作るのではなく、デザインをする上で、技巧・科学・物語・宣伝・哲学なども頭に入れた上でデザインしています。デザインはそれら全てが結実したものだからです」とは、デザイナーであるエリック・アジガードの言です。
3. すべてはアイディアのなかに
あらゆる取引先と手を取り合い、次々と新しいアイディアを生み出してゆきます。素材の生産者や市場の顧客、あらゆる声に耳を傾け、デザインの革新と最新技術の進歩に反映させます。
各方面と協力し帽子業界を発展させることは、FAILSWORTH(フェイルスワース)にとって喜びです。
4. 最高を求めて
FAILSWORTH(フェイルスワース)は、定期的に国外へと足を運び、可能な限り生態系に優しく、最高級の素材を求めています。その行脚は、遠く離れた香港や中国本土にまで及びます。
FAILSWORTH(フェイルスワース)の帽子はツイードやアイリッシュ・リネン等、英国・アイルランド産の素材が多くを占めますが、新しい素材の探究にも力を惜しみません。選択肢の多さは可能性を広げるからです。
時代と共に常に進化する“最高”を求め、FAILSWORTH(フェイルスワース)は世界を旅します。
5. 完璧なプロトタイプ
帽子の原型造りが始まると、FAILSWORTH(フェイルスワース)の熟練チームが備えた多彩な才能とスキルが、デザインと発展に活かされます。
他の著名な英国ファッションブランドに遜色なく、FAILSWORTH(フェイルスワース)は他社との差別化を意識し、オリジナリティの高い帽子を造り上げてゆきます。
6. 広がる知識
FAILSWORTH(フェイルスワース)が百年以上かけて蓄積した技術には他を圧倒するものがありますが、飽くなき探求心をもって、彼らは更なる進化を求めます。
実習の旅――より良い生産技術のノウハウを海外からも学ぶべく、FAILSWORTH(フェイルスワース)は世界をもう一度旅します。
老舗の栄華に慢心せず、古きを知り尽くした上で新しき進化に挑み続ける姿勢こそが、人々の心を掴んでやまない帽子を生み出し続ける秘訣です。
7. 公開
最終的に、仕上げられた帽子はすぐに主力商品になれるように準備され、マンチェスターのショールームにて公開されます。
FAILSWORTH(フェイルスワース)の素材について
ツイード
ツイードは、イギリス、スコットランドが発祥の毛織物の一種です。羊毛を手紡ぎした太い糸を用い、ざっくりとした厚手に仕上げる紡毛織物の総称です。
保温性に優れ、雨に強く、ざっくりとした独特の質感が特徴で、英国では古くから上流階級の紳士が着る普段着として愛用されてきました。
重厚かつ丈夫で質実剛健、着込む程に深まる味わいは、古今東西の人々を魅了してやみません。上品さとタフさを兼ね備えたツイードは、まさに紳士の余暇を彩るブリティッシュ・トラッドの代表的素材と言えましょう。
ハリスツイード
18世紀頃、スコットランド北西部のハリス&ルイス島で誕生したツイードです。産地、素材、固定、染色、羊毛の密度等、幾つもの厳格な基準がハリスツイード協会によって定められており、全ての基準をクリアしたものだけが認定ラベル(英国王室許可証)を与えられます。英国王室御用達の高品質のツイードとして日本でも広く知られています。
ドネガルツイード(ドニゴールツイード)
アイルランド北西部のドニゴール州で生まれる、アイリッシュツイードの代表です。ハリスツイードと並び、高品質なツイードとして知られています。暖かく耐久性があり、ネップ(節糸)による霜降りのような斑点が野趣あふれる表情を生み出します。アイルランドの自然を思わせる色味も魅力です。
アイリッシュ・リネン
主にヨーロッパ北部で栽培されている亜麻を素材とした、最高品質のリネンです。シャリッとした爽快な肌触りを持ち、日本の伝統的な苧麻(ラミ−)よりも風合いがソフトで優しいことが特徴です。麻の繊維はストロー状に中空になっており、通気性や吸汗性に優れた涼やかな素材ですから、春夏の帽子にぴったりです。