焼き色にムラなし!銅製の調理器具シリーズ『ameiro/アメイロ』

著者

2017.12.18

大場 里江

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ameiro/アメイロ


一流の料理人がこぞって愛用する道具に、銅製の鍋があります。
ヨーロッパのキッチンを収めた写真集を見ると、つやつやピカピカに手入れをされ、誇らしげな表情を浮かべた銅製の鍋がずらりとならぶ姿を目にします。
その姿は何とも気品に溢れ、洗練された印象を与えつつも、どこか職人気質の無骨さを感じたりして、ただただかっこいい。
どこか憧れを持っている方も多いのではないでしょうか。

実際、家庭の調理道具の中に、銅製の鍋やフライパンを使用している方は少ないかもしれません。
というのも、大多数の方が利用するであろうホームセンターやキッチン用品店には、銅製の調理器具が置いていないのが現状です。
プロの料理人が行く調理器具専門店には当たり前のように並んではいます。
銅製の魅力を知らないという方にこそ知ってほしい!という事で、今回は銅製の調理器具を取り上げます。


「アメイロ/ameiro」とは

紹介するのは、「ameiro(アメイロ)」です。
美味しい時間の数だけ、飴色が深くなり、幸せな記憶と共に重なり続ける・・・そんな想いの込められた商品です。
金属加工産地で有名な新潟県燕三条で製造され、絞り、ふち切り、錫メッキ、磨きすべての工程を職人が丁寧に手掛け、作られた商品です。

ということで、日本製
ameiroは、この銅の調理器具が纏う「飴色」から来ています。

アメイロ/ameiro
こちらの卵焼き器を見てください、この美しい佇まい
品があり、用の美を感じる美しさです。
そして、箱を開けると、大切に大切に梱包されています。
職人さんが手塩にかけて手作りしたその誇りと愛情が梱包に表れているようです。
使い手にも大切に使ってほしい、そんな気持ちも一緒に込められています。

「アメイロ/ameiro」を細かくチェック!

アメイロ/ameiro

中には手紙の様に説明書が収まっていて、お鍋には素敵な巾着袋
持ち手にはめるレザーカバーも入っています。
革製ですから、時の流れと共に風合いが増し、味わい深くなっていきます。

ハンドル部分は、銅とのコントラストが美しい真鍮製
キッチンに飾り、眺めているだけで料理が上手になったような気になる、特別感のある調理道具です。
卵焼き器のサイズは、卵2〜3個で卵焼きを作ってちょうどよい、お弁当作りに使いやすい大きさです。

写真は、錫メッキ有りのタイプ。
錫メッキ無しも選べます。

■錫メッキの役割

ちなみに錫メッキ有り無しって、何?という方の為に簡単に説明しますね。
銅製品は放置すると、黒ずんだりして変色する可能性があるので、そうなりにくい為に錫メッキを施したものが多く販売されています。
使用後に放置してしまうと、変色の可能性が高まるので、ちょっとお手入れが心配かな・・・という方は錫メッキ有りを選ぶのをおすすめします。

アメイロ/ameiro

持ち手、鍋底、レザーカバーには「ameiro」の刻印が施されています。
くーっ、こういうところがさすが!
道具好きはこういうところも物欲をくすぐられるポイントですよね。
いちいち恰好いい!
無骨だけど、隙のないかっこよさです。

アメイロ/ameiro
もちろん、巾着袋にも。

頻繁に使うなら、かけておいたり、その他の鍋やフライパンたちと共によく使う道具のスペースに収納すればよいですが、暫くお休みする時には袋に入れて保管することをお勧めします。
巾着袋そのものがとてもおしゃれ。
仕舞っておくのがもったいなくなりそうですけど。
ここで銅製の調理器具の特徴を押さえていきましょう。


「アメイロ/ameiro」のメリット・デメリット

何といっても、銅製の調理道具がプロの料理人から愛される理由として「熱伝導率」があります。
銅は熱伝導率に優れていて、食材に素早く、且つ均等に伝わります。
火の強さがほぼダイレクトで食材に伝わるので、温度調節がしやすい事、そして熱ムラが少ないことで美しい料理に仕上がることから、多くのレストランで使われています。

そして、銅は一般的な金属系調理器具の中でも特に錆びにくいという特徴があります。
長期間使ってくると変色はしますが、手入れをする事でピカピカの光沢が蘇ります
もちろん、手入れを怠れば話は別ですが。

そして、殺菌効果
鉄フライパン同様に、調理の過程で銅イオンが若干量溶けだします。
この銅イオンには殺菌効果があるそう。
そして体内においても、鉄分の吸収を助けるなどの作用があるので、金属アレルギーの方を除き、銅イオンの溶け出しには多くのメリットがあります。
丁寧に手入れをしながら、長く使うことで飴色の光沢が増し、自分だけのオリジナルに育っていく
そんな日々の幸せを刻むことの出来る育てる調理道具です。

メリットもあれば、もちろんデメリットもあります。

テフロン加工のものに比べると重めです。
若干疲れてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
割と大き目なサイズだと少々疲れてしまうかもしれませんが、家庭で使用するサイズ感であれば、慣れてくるかと思いますし、熱を均等に伝えて美味しい料理を作る為だと思えば、多少は目をつぶれることかもしれません。

あとは、値段がお高めです・・・。
いい道具は値段が張ります、これは当然の事。
職人が丹精込めて作り、手入れをすれば一生使い続ける事ができると考えれば、使い捨てる道具よりもよっぽど安い買い物かもしれませんよ。


「アメイロ/ameiro」お手入れ方法と使用レビュー

アメイロ/ameiro

こちらは、フライパン
直径20cm、深さは約3cm。
こちらも錫メッキが施されており、持ち手は真鍮製です。
少し小ぶりで、日常使いにはちょうど良いサイズです。
この光沢・・・見ているだけでうっとりします。

さて、実際に使ってみましょう。
その前に、お手入れを。

■「アメイロ/ameiro」使いはじめのお手入れ

1. 中性洗剤をつけたスポンジで洗い、水気を拭き取ります。
2. 本体の3分目まで油を入れて、弱火で2分ほど加熱。
3. 少し冷ましてから、油を別容器に移し、鍋の内側にキッチンペーパーなどで油を擦りこみます。

さぁ、これで準備が整いました。
まずは玉子焼き鍋から使ってみましょう。
アメイロ/ameiro
油をならして、卵液をジュワっと流し込んだら、膨らんできたところをお箸でトントンつぶしながらくるりと巻き上げていきます。
2回目からは卵の下にも卵液を流し込んで、くるくると。
最後まできれいに巻きあがりました。
均等に熱がまわる銅製の鍋で、ふんわりと柔らかな玉子焼きが完成しました。

そして、フライパンでは浜松お馴染みの餃子を焼き上げます。
日常使いをしたいから、出来るだけ日々の食卓に並ぶお料理が良いなと思い、餃子にチャレンジ。

アメイロ/ameiro
油をならして、餃子を並べ、うっすらと焼き色が付いたらお湯をさし、蓋をして蒸し焼きにします。
水分が飛んだらごま油を回しかけて、表面をパリっと仕上げて。
うん、香ばしい良い香り!
食欲がそそられてきましたよ。
お皿を使ってひっくり返したら、わーい、良い色!
表面こんがりで大満足!
ビールを飲みたいところですが、今日は我慢するとします。
ええ、仕事中ですからね。

さて、ここで一つ、大切なことを。
使用後は、出来るだけ早く洗いましょう
銅は、酸や塩素にあまり強くありません。
調理が終わったら、なるべく早く食器に移して、フライパンを洗うことをお勧めします。

■「アメイロ/ameiro」使った後のお手入れ

他の食器と同じように、中性洗剤とスポンジで汚れを落として、すすぎましょう。
金属たわしや粒子の荒い食器用クレンザーは、小さな傷の原因となるので避けます。
洗った後は、水気をしっかり拭き取り、薄く油を引いておきます。
内側だけでなく、外側にも擦り込みます。
これによって油がなじみ、焦げ付きにくくなりますよ。
保管は、湿気のたまらない場所に。
長期間使用しない場合は、新聞紙でくるんだりして湿気がつかないように保管します。

洗って、油を引くだけなので、すぐ終わりますよ。
さあ、熱いうちにいただきましょう!


お洒落で使いやすいプレート、ティーマとパラティッシ

イッタラ ティーマ・アラビア パラティッシ

玉子焼きとナムルを盛り付けたのは、「iittala(イッタラ) Teema(ティーマ) ドッテドブルー21cm」。
シンプルで機能性と耐久性に優れたティーマは日常使いにぴったりの器です。
無駄のないデザインで、何を盛り付けても様になります。
ドッテドブルーはブルーに異なるカラーの斑点が混ざっていて、まるで鉱物のような独特の仕上がり。
深みのあるカラーで、アウトドア商品のようなかっこよさも備わった色合いが特徴です。
盛りつけたお料理の色が良く映えます。

餃子は、「iittala(イッタラ) Teema(ティーマ) パールグレー26cm」。
餃子の様にテーブルにどどんと大皿料理を盛り付けるのにちょうどよいサイズです。
パールグレーは、品があり、清潔感を感じる色合いです。

取り皿には、「ARABIA(アラビア) Paratiisi(パラティッシ) パープルプレート16.5cm」と「ARABIA(アラビア) Paratiisi(パラティッシ) ブラック16.5cm」を。
憧れの器として、いつかは購入したいと思っている方も多い人気のパラティッシ
大胆な柄ですが、色合いが落ち着いているので、和食を盛り付けても割と相性が良いですよ。
このサイズでしたら、取り皿にちょうどいいですね。


育てる道具の楽しみ方

鉄のフライパン同様に、育てる道具の銅製の調理器具たち。
手をかけて、使い込むことで愛着が増し、家族の歴史を刻み、更に光沢をまとっていきます。
慣れるまでに少し時間がかかるかもしれませんが、使い込む度に鍋やフライパンと共に自分の料理も成長していける気がします。

使い捨てるだけでは無く、育て、ともに成長していく過程を楽しめる道具を持つことは、暮らしを楽しむ事にもつながります。
それって、ゆとりある素敵な大人のたしなみのようで、何だか素敵。
私もそんな大人になれるよう、育てる道具を楽しみたいと思います。

さて、出来るかな・・・いやいや、気持ちが大事ですから!

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プロフィール

PROFILE

大場里江(料理教室saji 主宰)

調理師学校卒業後、大手企業の料理教室にて料理講師として勤務し、2015年8月「saji」の名で独立。料理教室、フードコーディネート、ケータリングを主に活動しています。『食べる・つながる』をモットーに、身近な方に喜んでいただく、日常で食べたいごはんやおやつを提案しています。

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