爽やかなカラーの夏のうつわ

著者

2017.06.12

大場 里江

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爽やかなカラーの 夏のうつわ

湿度が日に日に高くなり、空気が何だかじめっとして、ふと思う・・・
「あ、刺激的なものが食べたい・・・」
元来、暑くなると食欲が落ちるタイプではなく、気候に合わせて食べたいなと思うものが
変わるだけでして、最近はもっぱらタイやインドネシアのエスニック料理が食べたい日々。

季節が変わると、食べたい料理や作りたい料理も変わる。
そして、盛りつけたい器も変わってきて、じめっとした梅雨時の暑さを
食卓から爽快にすることも楽しいし、逆に暑さをより実感して、
そんな気分を盛り上げる器をセレクトするのもいいなと思う。


淡い色味と凛とした表情の器たち

爽やかなカラーの 夏のうつわ

今回のテーマは「爽やかなカラーの器」。
ラインナップはこちら。

パステルカラーの中に、磁器ならではの凛とした表情が伺えるこちらの器は、
「アトリエ テテ(atelier tete)」
名前を初めて聞いた時に、海外のメーカーかな・・・と思ったのですが、
こちらは日本のメーカーの「KINTO(キントー)」のシリーズ。
「手仕事の跡を楽しめるような」「つい手に取りたくなるような」等、
「手」についての思いが「テテ」という名に込められています。
一つ一つ職人によって仕上げられた器からは、
職人の手仕事の緻密さとすばらしさを感じ取ることができます。

そして、いくつかのシリーズがある中で、今回取り扱うのは「デューン ポーセリン(Dune porcelain)」
美しい白磁と華やかなカラーが爽やかさを演出し、夏のテーブルを盛り上げてくれそうです。
白磁の中でもより透明感のあるものを選んで、釉薬の色をよりきれいに見せてくれます。
しかし、よく見ると色に濃淡があり、一つ一つが違う表情を見せてくれて、仕事の温かさを感じます。
パステルカラーでも少し抑えめな色合いなので、可愛すぎず、派手すぎず、使いやすそうです。
そんなところが、「使い心地」と「佇まい」の調和を大切にするKINTOならでは。
主張しすぎず、暮らしに寄り添い、そして気づけば生活を彩ってくれます。

アトリエ・テテ(atelier tete)シリーズとは

  1. キントー KINTO アトリエ・テテ アトリエテテ atelier tete デューン Dune プレート 23.5cm ペールブルー Duneプレート 235mm

    展開カラーは、ペールブルーペールグリーンライラックオレンジ

    こちらはメインディッシュや、パスタ等にぴったりのサイズです。
  1. キントー KINTO アトリエ・テテ アトリエテテ atelier tete デューン Dune ライスボウル ボール 11.5cm オレンジ Duneライスボウル

    展開カラーは、オレンジライラックペールグリーンペールブルー
    その名の通り、ごはんをよそってお茶碗として使っても良いですが、副菜やスープなどを入れても良さそうな使い勝手のよいサイズ。
  1. キントー KINTO アトリエ・テテ アトリエテテ atelier tete デューン Dune ディーププレート 135mm ペールグリーン Duneディーププレート 135mm

    ペールブルーペールグリーン
    少し深さがあるので、サラダやデザートを入れても良さそうです。
  1. キントー KINTO アトリエ・テテ アトリエテテ atelier tete デューン Dune ティーカップ 210ml ライラック
    Duneティーカップ

    展開カラーは、オレンジライラック
    いつものお茶の時間をより楽しく演出してくれます。
    縁が厚くないので口当たりがよく、口に含みやすいデザインで、佇まいが凛としつつも、鮮やかなカラーが柔らかさを感じさせます。

うつわの色味を生かす面白さ

仕事柄、器はどんどんたまる一方なのですが、私という同じ人が選んでいますので、
どこか共通点があり、似た様な器が集まります。
そんな中で、こちらのカラーは選んだことがない色で、
偏っている好みに小さな風穴を開けてくれる存在となりました。
盛り付ける料理もさぞや迷うかと思いきや、真っ先に決まりました。
そう、最近食べたいな〜と思っているエスニック料理を盛りつけたいな、と思ったのです。
そして、こんな感じになりました。

爽やかなカラーの 夏のうつわ

プレート235mmには、ガパオライスを。バジルの香りが食欲をそそる、タイ料理の一つです。
刺激的な辛さが後をひき、グビグビとビールが飲みたくなります。
多めの油でカリッと焼いた半熟の目玉焼きをのせて、スプーンですっと黄身を割ったら、
崩しながら卵液を絡めていただきます。
まろやかな辛さにしてくれて、食欲の無い日でももりもり食べたくなります。
デューンポーセリンの華やかなカラーが、暑い国の料理をより色鮮やかに、引き立ててくれるようです。


爽やかなカラーの 夏のうつわ

ライスボウルには、海老と春雨のエスニックスープを。
ナンプラーの癖になる香りとレモン果汁のさわやかな酸味がこれからやってくる夏に
ぴったりなスープは、海老、春雨、ひき肉、玉葱、葱などが入っています。
仕上げにラー油をたらりとかけて、いただきましょう。
ライスボウルのお椀の形が、スープにちょうどよく、
手に持つとしっくりと収まるサイズで使いやすいです。


爽やかなカラーの 夏のうつわ

ディーププレートにはデザートを。
牛乳と葛粉ときび砂糖を混ぜて火にかけて、練り合わせるミルク葛餅。
バナナときな粉、クルミに黒蜜をかけました。
刺激的なお料理の後には、辛さを和らげてくれるコクのある甘さのデザートを。
プルンとした口当たりと、モチっとした食感を感じられます。
深すぎず、浅すぎないので、何かとマルチに使える器です。
取り皿としても良さそうです。


爽やかな色味を生かしたコーディネート

爽やかなカラーの 夏のうつわ


さて、ごはんの準備が整いましたので、いただきましょう!

こちらの器に盛りつけると、うだる様な夏の暑さをテーブルから爽やかにしてくれつつ、
夏らしい刺激的な暑さをも盛り上げてくれるマルチな役割を担ってくれる気がします。
そして、鮮やかなカラーとは裏腹に、日常生活に寄り添って、主張しすぎず、
でもしっかり存在感を残す
、いい塩梅の器でした。
艶のある質感と適度な厚みが、生活に馴染みながらも気品を感じられる、
そんな華やかな色合いの器も素敵だなと感じさせてくれる良い出会いとなりました。

爽やかなカラーの 夏のうつわ

次回は「気分が上がる柄の器」をご紹介します。
お楽しみに。

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プロフィール

PROFILE

大場里江(料理教室saji 主宰)

調理師学校卒業後、大手企業の料理教室にて料理講師として勤務し、2015年8月「saji」の名で独立。料理教室、フードコーディネート、ケータリングを主に活動しています。『食べる・つながる』をモットーに、身近な方に喜んでいただく、日常で食べたいごはんやおやつを提案しています。

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