透明感のある 夏のうつわ
2017.06.05
大場 里江
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窓の外を見ると、日に日に日差しがキラキラと眩しくなってくるのを感じる。
普段過ごす工房の川沿いには、青々とした葉が生い茂り、あっという間にぐんぐんと伸びて、
大きく深呼吸すると緑の香りがぐっと体に入ってくる。
何となく湿度も高くて、あ〜もうすぐ梅雨だなぁと実感する。
気候が変わってくると、食べたい料理も、作りたいメニューにも少しずつ変わってきて、
さっぱりしたものや、刺激的な辛さのものが無性に食べたくなってくる。
それに伴って、盛り付ける器も季節に応じてセレクトが変わってくるような。
ということで今回は、これからやってくる夏の時期にも大活躍しそうな器を
テーマごとに紹介します。
夏に使いたい「透明感のある器」
初回のテーマは「透明感のある器」、ラインナップはこちら。
これからの季節に、目から清涼感を感じさせてくれる器たち。
デザイン、カラー、材質と様々で、どれもこれからの季節に使いたくなる器ばかりです。
自然光に当たると、こんなにもきれい。
見ているだけでもワクワクします。
こんな料理を盛りつけたらどうだろう、組み合わせはどうしようかな・・・等、
妄想はもくもくと広がります。
では、商品を順に追ってみましょう。
ガラス製だけじゃない、透明感のある器たち
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ワイングラスは「キントー(KINTO) ロゼット」。
アンティーク調のデザインが、レトロ且つモダンな雰囲気で、日常使いはもちろんの事、パーティー等おもてなしの際にもピッタリです。
ステムは短めで安定感があり、そして軽くて割れにくいプラスチック製なので、気楽に使えて、アウトドアにも良いです。
プラスチック製だと、何となく雰囲気がチープになりがちですが、こちらは逆にぐっと気分を盛り上げてくれますね。
カラーは4色あり、左の写真のパープル以外にも、クリアとワインレッド、グリーンがあります。
落ち着いた色合いなので、大人っぽい印象です。
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カラフルな水玉が施されたガラスの器は、「ダンスク(DANSK) バブルコンフェティ ディナープレート」。
素敵・・・うっとりします。
光を受けてキラキラと輝く様は、まるで宝石のよう。持っているだけで自慢したくなる器です。
立体感ある大きさの異なるドットは、一つ一つハンドペイントによって色付けされているので、完璧な中に抜け感があり、ぬくもりとして感じられます。
水玉は器の下側に施されており、器の表面はつるんと滑らかで、意外に使いやすく、洗いやすいです。
そして、縁もポコポコと波打っていて、少しいびつな曲線が愛らしい。ドットの配置が様々で、無造作の中に計算された美しさを感じます。
スイーツやフルーツ、パンやサラダ、冷たい麺料理やマリネ等々、案外色々なお料理に合わせられそうです。
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そして、クリアとグレーの水玉模様が美しい器は「イッタラ(iittala) カステヘルミ ボウル」。
フィンランド語で「しずく」を表すカステヘルミ。こちらは水滴のような涼しげなデザイン。
規則正しい水玉模様なので、飽きのこない、永遠の定番となる器です。シンプルながらも、列ごとに大きさの異なる水玉が洗練されていて、とっても素敵。手になじむ厚みが、安心感があります。
ガラスの器となると、割れやすいイメージゆえに、毎日の食卓で使いにくいと思われるかもしれませんが、こちらは大きすぎず、小さすぎず、深すぎない、何もかもちょうどいい塩梅なので、日常使いしたくなる器です。
そして、存在感はありつつも、シンプルなデザインなので、色々な食器とも合わせやすいですね。
アイスクリームや、冷製スープなどにもちょうど良いサイズです。
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波のような線が美しい器は、「イッタラ(iittala) アイノアールト ボウル」。
1932年、アイノアールトによってデザインされ、80年以上のロングセラーを誇るアイノアールトシリーズ。実用性と簡素さを追求した商品は、実用的なデザインの中に、細部までこだわった細やかな気配りがちりばめられた商品です。
北欧の湖面のような独特のリブが、手に持った時に滑りにくく、しっかりと収まる感じがあります。
そして、収納する際にスタッキングしやすいようになっています。使いやすさは一目瞭然。こちらも以前、柳宗理の製品でも感じた「用の美」を実感します。
アイノアールトは私も好きで、普段はハイタンブラーを愛用しています。
冷たいドリンクを注いで結露しても、手にしっかりと馴染む持ちやすいデザインが大好きで、
ラインを目盛りのようにして使います。
グラスに氷を入れて、ミルクを注いだら、静かにアイスコーヒーを注いでツートーンコーヒーに。
時代に左右されない普遍的なデザインが素晴らしいですね。
映画「めがね」でアイノアールトの器にかき氷を盛り付けていたのですが、それが本当に美味しそうでした。
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最後は、食事の時にちょうどいいサイズの「イッタラ(iittala) カルティオ タンブラー」。
1958年にカイフランクのデザインによって発表された、言わずと知れた名品です。販売されてから60年程経った今も、多くの人に愛されるロングセラー商品で、愛用している方も多いのではないでしょうか。これ以上ないというぐらいのシンプルなデザインは、一切の無駄がなく潔いです。
カラーは清々しい気分にしてくれるシーブルー。深みのある色合いはまるで、昔のんだラムネの瓶のよう。夏向きな涼しいカラーリングで、中に注ぐドリンクの色で表情が変わります。
食事の時の冷たいお茶の際には、こちらのクリアを愛用していますが、手に持った時にぐっとくる
適度な重さと厚み、そして口に含んだ時の口当たりが良く、毎日使いたくなる頼れるグラスです。
スタッキングした時の安定感も安心感もばっちりです。
透明感を生かしたコーディネート
透明感のあるこちらの器たちに、お料理をのせてみました。
ダンスク バブルコンフェティのプレートには、氷水でしっかりとしめた冷製のおうどんをのせて。
上にはサラダや豚しゃぶ、大葉やトマト、オクラやラディッシュを添えて、キンと冷やしたおつゆをかけて。
カステヘルミのボウルには、茄子ときゅうりの浅漬けを。
薬味に生姜のせん切りを添えてさっぱりといただきます。
アイノアールトのボウルには、アスパラガスのナムルと茹で卵。
ちょっとした箸休めの一品に。
茹で卵は、少ない水で蒸し茹でにすることで、白身が固くなりすぎず、ぷるんと柔らかい食感になります。
いつもの食事も透明感のある器に盛りつけたら、見た目にも涼やかで、
これからやってくる暑い夏も楽しく過ごせそう。
今回紹介した器たちは、どれもが凛とした存在感のあるデザインながらも、
シンプルで主張しすぎないので、手持ちの器に一つ加えても合わせやすいのではないでしょうか。
「今日は何食べよう」と思って作る料理も、ゆとりのある時には、
「この器には何を盛ろう」「どんな料理が合うだろう」という視点から考えるのも楽しいかもしれません。
今年の夏は、透明感の器をテーブルの真ん中に使うコーディネートを楽しんでみてはいかがでしょう。
次回は「爽やかなカラーの器」をご紹介します。
お楽しみに。
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