自慢したくなるキッチンツール

著者

2017.04.06

大場 里江

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自慢したくなるキッチンツール


お料理の時間で何気なく使っている道具も、自分のお気に入りだとより楽しく、
使うたびに頼れる相棒になっていきます。
お鍋やケトル等、置いておくだけでも様になる存在感のあるものは
こだわってみたいと思っても、意外とボウルやザル、トングなどのキッチンツールは
見落としてしまう方も多いのではないでしょうか。

何かと使う機会の多い道具ですから、ちょっと奮発して、
自慢したくなるキッチンツールの一つにしてみませんか。



道具としての素晴らしさ

前回のコラム「新生活に選びたい、カトラリー」に引き続き、今回も柳宗理です。

こちらは私も以前から愛用していて、道具としてのすばらしさを
日々実感しているユーザーの一人です。
柳宗理の作品を知るきっかけは、ずいぶんと昔にさかのぼりますが、
友人がカトラリーやケトルを使用していたことでした。
そこから、柳宗理さんのキッチンツールに興味を持ち、講演会に行ったり、
柳宗理さんの父で「民芸運動の父」と呼ばれる美学者 柳宗悦氏が設立した
日本民藝館を訪れたりもしました。

そして、今回のラインナップはこちら。
自慢したくなるキッチンツール
左上から時計回りにパンチングストレーナー 19cm、手付きパンチングストレーナー 19cm、ステンレスボウル 19cm、泡だて器、お玉Sサイズ、フライ返しSサイズ、穴あきお玉Sサイズ、穴あきトング
まずは、ザルとボウルから見てみましょう。



見た目だけではない、使い心地

自慢したくなるキッチンツール

柳宗理のザルの特徴といえば、パンチング加工された目詰まりしにくい穴にあります。
触ると凹凸がなく、すっと滑らかで、手に引っかかる感じがありません。
針金を交互にはわせたザルだと、繊維が引っかかってしまったり、長く使ううちに針金が切れて、
手に当たってけがをしたりすることがありますが、こちらはパンチング加工を施してあるので、
劣化しにくく洗いやすくて丈夫なのが魅力ですね。
こちらは18−8ステンレスでできています。


ボウルの表面は艶消し加工がされており、汚れや傷が目立ちにくくなっています。
自慢したくなるキッチンツール
よく見るとヘアライン加工が施され、単一方向の髪の毛程の模様が
金属の質感を強調していて、かっこいい。
そして、何といってもボウルのふちが巻き込んでおらず、一体成型なので、
洗い揚げの後にしっかりと拭いたつもりでも縁に水が残っていた!なんてことがなく、
衛生的に使えるのが素敵です。
曲線も滑らかで、ボウルのサイズによって用途が変わってくる為、
ボウルの形がサイズによって違うのは、さすがの一言。
考えつくされてデザインされたのだと実感します。

スタッキングすると、こんなにもスッキリ。
自慢したくなるキッチンツール
やっぱり置いていくだけでも様になりますし、道具に品格があります。
ボウルやザルとなると、お手頃な価格で購入できるものもたくさんありますが、
あえてこだわってみると、選んだ自分ナイス!とつぶやきたくなるような存在感ですよ。


そして、こちらが泡だて器
持ってみると、こんなサイズ感。
自慢したくなるキッチンツール

持ってみると、グリップが握りやすい。
洗いやすい設計で、清潔に長く使えそうです。
大きさもちょうどよく、こちらも18−8ステンレスですので、耐久性にも優れています。


こちらはお玉です。
こちらのSサイズは少し小ぶりなつくりです。
自慢したくなるキッチンツール
マットな艶消しの仕上がりはそのままに、一体型成形なので、
こちらも清潔に使えて洗いやすいですね。
持ち手の先端に穴が開いているので、キッチンまわりの収納にフックを使えば、
さっと手に取れて、また定位置を決めてさっとかけられるので便利です。


穴あきお玉も、フライ返しも、Sサイズはすこし小ぶりです。
フライ返しは、丸みを帯びた加工なので、フライパンを傷つけることもなさそうです。
フライ返しの商品によっては、フライパンのテフロン加工の表面を傷つけてしまい、
テフロンをはがしてしまうこともありますが、こちらは安心です。
そういった些細な事も、毎日の中では積み重なっていくので、一つ一つがとても大切です。


トングもとてもシンプルなデザイン。
トングというと、持ち手の部分が内側に巻き込んでいる設計のものが多く、
ボウル同様に洗って拭いたつもりでも、時々中に水が残っていることがあります。
それが気になって、いつも洗うと暫くは立てて乾かし、その後にしまうのですが、
こちらは継ぎ目も折り返しも無い滑らかな作りなので、洗いやすく、さっと拭けば
すぐに拭き上げがばっちり完了するのがいいですね。
自慢したくなるキッチンツール

持つとこんな感じです。
自慢したくなるキッチンツール

挟む部分が大きいので、食材を傷つけることなく、しっかりとはさみ、持ち上げることができます。
こちらも一体成型なので、指を挟む心配もありません。



相棒として育てていく楽しさ

何となくで購入しがちな道具も、こだわってみると良さを再認識できて、
使うたびに愛着がわいてくる。
いつしかそれを使いたいから、料理がしたくなる・・・なんてこともあるかもしれません。

気に入って、こだわって買った道具は、使い方もより丁寧になる気がしますし、
一生ものになるかもしれません。
そうしたら、自分の代から次の代へと引き継がれ、ものだけでなく、
審美眼も受け継がれていく
なんでも手に入る便利な世の中だからこそ、使って壊れたらすぐ次を探すのではなく、
自分がこだわって購入した自分なりの良いものを、一生の相棒に育てていくのも
素敵だと思うのです。


次回は、フライパンを取り上げます。
お楽しみに。


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プロフィール

PROFILE

大場里江(料理教室saji 主宰)

調理師学校卒業後、大手企業の料理教室にて料理講師として勤務し、2015年8月「saji」の名で独立。料理教室、フードコーディネート、ケータリングを主に活動しています。『食べる・つながる』をモットーに、身近な方に喜んでいただく、日常で食べたいごはんやおやつを提案しています。

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