新生活に向けて選びたい、カトラリー

著者

2017.03.30

大場 里江

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新生活に向けて選びたい、カトラリー


好きなものに囲まれた生活。
自分の中の好きな基準を満たした愛する道具たち。
キッチン周りの道具はいろいろあるけれど、
お気に入りとして選んだものたちは、
手に取るとやっぱり誇らしいというか、ちょっと嬉しくなります。

春が訪れ、新しい生活を始める方も多いこの時期。
これからお料理を頑張ろう!丁寧な暮らしを心がけよう!と思う方も
いらっしゃるのではないでしょうか。
全部をこだわって集めるのは大変ですから、長く使える本当にいいものを、
いくつかそろえてみてはいかがでしょう。


今回のテーマは「カトラリー」

新生活に向けて選びたい、カトラリー

テーマは「カトラリー」。

普段何気なく使っているものでも、器の脇に添えられるものなので、
何となく買ったものを使っていることが多いかもしれません。
あまり意識しないカトラリーも、使用頻度が高く、毎日の食卓には欠かせないもの。

本当に良いものを選ぶと、長く飽きずに使えますし、
デザインも美しいものが多く、食卓を彩ってくれますよ。


「すべてに理由があり、何一つ無駄がないデザイン」のカトラリー

今回は柳宗理のカトラリーを見てみましょう。
以前おでんのコラムで、柳宗理の鉄鍋を使用しましたが、
ここで今一度柳宗理さんの復習を。

柳宗理さんといえば、20世紀を代表する工業製品のデザイナー。
戦後日本の工業デザインの確立と発展に貢献した、最大の功労者と言われます。
デザインは、自動車、歩道橋、東京オリンピックの聖火コンテナ、そして家具など。

そんな柳宗理さんの有名な代表作と言えば、「バタフライ・スツール」。
見た目のユニークさと実用性を兼ね備えたデザインが人気です。
そして、キッチンツールにも定評があり、
カトラリーや鍋等、多くの方に愛されています。

新生活に向けて選びたい、カトラリー
右からテーブルナイフパスタフォークテーブルスプーンテーブルフォークバターナイフ
コーヒースプーンヒメフォークグレープフルーツスプーンアイスクリームスプーン
です。

形もどことなくユニーク
なんとも愛らしいデザインです。

グレープフルーツスプーンは、よく見ると果肉をすくいやすいように
ギザギザとしています。
先端も、丸みを帯びたほかのカトラリーとは違い、
果肉にすっと入る様にきゅっととがっています。
考えつくされたデザインに、思わず「なるほど!」と手をポン!としてしまいます。

すべてに理由があり、何一つ無駄がない、洗練された佇まいです。


「使い心地」と「口当たり」

新生活に向けて選びたい、カトラリー

パスタフォークは、持つとこんな感じ。
素材は18−8ステンレス。
さびにくく、マットな艶消し仕上げになっています。
この艶消しがとても良い!
置いておくと、光をやさしく受け止めて、存在感を放ちます。
手に取ってみると、手に馴染む程よい重量感があり、
柔らかい曲線に温かみを感じます。

カトラリーは軽すぎると心もとなく、重すぎると持ちにくく使いにくい。
ほんのちょっとの差が使用頻度に大きく影響します。
柳宗理のカトラリーは、どれをとっても程よい重さなので、
持ちやすく、使いやすい。
「用の美」の使いよさに定評があるのが、伝わります。
シンプルな中にも、計算されつくした機能美実用性にこだわりを感じるカトラリーです。


新生活に向けて選びたい、カトラリー
実際に使用してみると、本当に持ちやすい。
テーブルナイフとパスタフォークは少し大きめで、安定感があります。
フォークもすっとお料理に入っていき、ナイフもとても切りやすい。
商品によって感じる、お料理を切る時にナイフがギリギリと食材を切る感じがありません。
程よい力でお肉やお野菜を食べやすいサイズに切れました。

そして、大切な口当たり。
特にスプーンは、くぼみが深すぎても食べづらいですし、
浅すぎるとお料理を口に運びにくい。
毎日使うからこそ、些細なことが大切になってきます。
こちらは口当たり滑らかで、引っかかる感じもなく、
程よいくぼみ加減曲線美が食べやすく美しいです。


デザート用にもお忘れなく。

新生活に向けて選びたい、カトラリー

そして、アイスクリームスプーン
アイスクリームは口どけが大切ですよね。
スプーンの違いで、味わいも大きく左右される気がします。

私はアイスクリームが大好きで、何かを終えたときや、疲れた時などに、
ちょっと良いアイスクリームをご褒美と称して食べています。

そんな時に添えるスプーンはなんでも良いかというとやっぱりそうではなく、
口に含んだ時の口どけや、スプーンを口から抜く時の上唇の当たり方等、
本当に些細な事も大切だと思っています。
柳宗理のアイスクリームスプーンは最適。
至福の時間、口福なひと時を更に彩ってくれますよ。


えらばれた道具たちと過ごす、豊かな時間

普段何気なく使っているフォークやスプーンも、
こだわってみるとワンランク上の食卓を演出できますよ。
毎日の食事が快適になるだけでなく、華やいだテーブルになることで、
同じものを食べていても気持ちが豊かになります。

長く使えて、自分の「好き」の基準を満たす、
選ばれた道具たちに囲まれて日々を過ごせたら、
嬉しくて楽しくてにんまりしてしまいます。

食卓の中の一つの道具が変わることで、
時には時間をかけてゆっくり味わおうという気持ちになったり、
食卓を囲むことに感謝して、一つ一つの食事をより大切にしようと思ったりする
きっかけになるかもしれません。

脇に添えられるカトラリー。
テーブルウェアには欠かせないこのアイテムを見直して、
自分のお気に入りを選んでみませんか。


次回は、お料理に欠かせない「ボウル&ザル」を取り上げます。
お楽しみに。


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プロフィール

PROFILE

大場里江(料理教室saji 主宰)

調理師学校卒業後、大手企業の料理教室にて料理講師として勤務し、2015年8月「saji」の名で独立。料理教室、フードコーディネート、ケータリングを主に活動しています。『食べる・つながる』をモットーに、身近な方に喜んでいただく、日常で食べたいごはんやおやつを提案しています。

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