〜果樹苗の植え方〜
お庭やベランダに植物を植えたい・・・。せっかく植えるなら、家族みんなで収穫を楽しめる果樹苗を栽培してみませんか?スーパーで簡単に買える果物も、自宅で育ててみると健気な姿に愛着がわき、新しい発見があり、小さくても壮大な植物の一生に感動してしまうものです。狭いスペースでも手軽に始められる果樹栽培、ぜひ挑戦してみてください。
目次
鉢栽培の植え方
1. 鉢を用意する。
一般的に1・2年生果樹苗なら10号鉢(直径・深さ30cm)、3年生果樹苗なら12号鉢(直径・深さ36cm)が最適です。苗木の大きさを制限したい場合や、出来るだけ早く収穫を楽しみたい場合は根域制限ガーデンバッグを使用して、コンパクトに育てても良いです。※1号=直径・深さ3cm
→ 苗木部スリット鉢(10号)
→ 苗木部スリット鉢(12号)
→ 根域制限ガーデンバッグ
2. 鉢底土(鉢底石)を入れる。
用土の排水性を助けるために、鉢底土を少し入れます。※スリット鉢や、ガーデンバッグの場合は鉢底土は入れなくても大丈夫です。
→ 鉢底土にも使える花ひろばココチップ
3. 用土を入れる。
用土を鉢の2から3分目ぐらい入れます。適当で良いです。苗木を鉢の中の用土のうえにそっと置き、苗のまわりにさらに用土をどばっと入れていきます。接木の場合、接木部分は地上に出ているように植えてください。接木テープははがしてください!
※3月〜11月ごろは根が活動しているので、根を触らずくずさず植えます。12月〜2月ごろなら根が休眠しているので、少しくらい触っても問題ありません。根が伸びやすいように広げて浅めに植えてあげます。
● 果樹全般に使用できる用土
→ 【落葉果樹専用土】果樹の土(肥料入り)(14L)
→ 【常緑果樹専用土】みかんの土(肥料入り)(14L)
→ 花ひろば 培養土『和み』(14L)
● ブルーベリー栽培に使用する用土
→ ブルーベリーの土(肥料入り)(14L)
→ 北海道ピートモス『福』(20L)
4. 強めに土を押す。
用土を鉢の9分目くらいまで入れたら強めに土を押して下さい。苗木が安定し用土と根についた土が馴染みやすくなります。押すことで鉢に余裕ができたら、さらに9分目くらいまで用土を追加します。残りの1分目は、水が外に流れ落ちないためです。
5. 水をやる。
水をたーっぷりやります。たっぷりとです。鉢底から水がドボドボ出るくらいたっぷりとやります。
6. 主幹を切り戻す。(※柑橘苗は切り戻さないで植えてください!)
1・2年生果樹は株元40cmくらいのところで主幹を切り戻します。3年生果樹は枝先を10cmくらい切り戻します。こうすることでエネルギーを大量に使う芽の数が減り、株の充実のためにエネルギーを効率よく使うことが出来ます。つまり、植えてから1年目の生長が格段に良くなるわけです。勇気と度胸がいりますが、苗木のためを思って潔く切ってやってください。
7. 支柱を立てる
苗木の根元のすぐ横に支柱をしっかりと挿し、ゴムやビニ帯などで苗木と固定します。支柱は鉢底にあたるまで挿してください。これで風が吹いても根っこが踊らないし、苗木をまっすぐ育ててあげることができます!
8. 完成〜
今回の撮影用の鉢植え作業は当店の女性スタッフがひとりで撮影しながら10分程度でできちゃいました!この状態から苗木が根付くまでは約2〜3年かかります。苗木の種類によっては最初はこんな見た目(棒状)ですが、辛抱強くかわいがってやると下の写真のように枝や葉がどんどん生長し、早くて2年後には収穫が楽しめます♪
ポイント★ 接木テープを外すこと・・・接木部分の目安になるので、植えつけが完了してから取るようにしましょう。
★ 主幹を切り戻すこと・・・苗木の生長のために大切なことです。
★プラスチックポット・不織布に仮植してある苗は外して、麻布・麻ひもで包んである根巻き苗はそのまま植え付けて下さい。
2年目以降の果樹栽培果樹栽培が2年目に突入すると、植え付けた用土の基礎栄養が足りず土がやせ、生育が急に衰えることがあります。土壌の様子をしっかりと観察しながら、土壌への栄養補給をかかさないようにしましょう。
→ 中級者向け!果樹栽培2年目セット
→ 店長激選!「鉢・支柱・土・肥料」の果樹・花木栽培セットはこちらから
露地栽培の植え方
1. 穴を掘る
直径50cm深さ50〜80cmの穴を掘ります。
2. 用土を作る
掘り上げた庭土に堆肥や腐葉土を半分くらい混ぜ、用土を作ります。水はけの悪い土や粘土質の土壌では、パーライトを混ぜると根腐れしにくくなります。
● 果樹全般に使用できる用土
→ 花ひろば堆肥「極」(14L)
→ ふかふか腐葉土「富」(14L)
→ 黒曜石 パーライト『空』(14L)
● ブルーベリー栽培に使用する用土
→ ブルーベリーの土(肥料入り)(14L)
→ 北海道ピートモス『福』(20L)
3. 用土と苗木を穴に戻す
穴に用土を少し戻します。苗木を穴の中の用土のうえにそっと置き、苗のまわりにさらに用土をどばっと入れていきます。接木の場合、接木部分は地上に出ているように植えてください。接木テープははがしてください!
※3月〜11月ごろは根が活動しているので、根を触らずくずさず植えます。12月〜2月ごろなら根が休眠しているので、少しくらい触っても問題ありません。根が伸びやすいように広げて浅めに植えてあげます。
※ 根巻き苗の場合、根っこを巻いている麻布は取らずにそのまま植え付けてください。
4. 主幹を切り戻す。(※柑橘苗は切り戻さないで植えてください!)
1・2年生果樹は株元40cmくらいのところで主幹を切り戻します。3年生果樹は枝先を10cmくらい切り戻します。こうすることでエネルギーを大量に使う芽の数が減り、株の充実のためにエネルギーを効率よく使うことが出来ます。つまり、植えてから1年目の生長が格段に良くなるわけです。勇気と度胸がいりますが、苗木のためを思って潔く切ってやってください。
7. 支柱を立てる
苗木の根元のすぐ横に支柱をしっかりと挿し、ゴムやビニ帯などで苗木と固定します。支柱は根より下までしっかりと挿します。これで風が吹いても根っこが踊らないし、苗木をまっすぐ育ててあげることができます!
8. 水をやる
水をたーっぷりあたえます。苗木のまわりに土手を作り、水をため、水が引いたら土が沈みますのでもう一度たっぷり水を与えて完成!
ポイント★ 接木テープを外すこと・・・接木部分の目安になるので、植えつけが完了してから取るようにしましょう。
★ 主幹を切り戻すこと・・・苗木の生長のために大切なことです。
★ 植えつけ土壌をよく調べ、適切な用土を作ること
★プラスチックポット・不織布に仮植してある苗は外して、麻布・麻ひもで包んである根巻き苗はそのまま植え付けて下さい。
2年目以降の果樹栽培果樹栽培が2年目に突入すると、植え付けた用土の基礎栄養が足りず土がやせ、生育が急に衰えることがあります。土壌の様子をしっかりと観察しながら、土壌への栄養補給をかかさないようにしましょう。
→ 中級者向け!果樹栽培2年目セット
肥料の与え方
肥料をたくさん与えたらおいしい果実が早く収穫できるわけではありません。肥料を与えすぎると、病気や栄養不足に極端に弱い樹へと育ってしまったり、根が肥料やけをおこして枯れてしまいます。ここぞというときに、適量を与えて上手に果樹の生育のお手伝いが出来るような施肥を心がけましょう。
● 施肥のタイミングは大きくわけて3回、『元肥』『追肥』『お礼肥』があります。
【元肥】
『元肥』は果樹の植えつけ時に用土と混ぜて与えます。ゆっくりと長く効くタイプの肥料を与えると良いです。用土によっては既に肥料成分を含んでいますので、与えすぎには十分注意してください。また、苗木の根っこに直接肥料があたらないよう注意してください。肥料やけの原因と成ります。
【追肥】
基本的には『元肥』だけでも収穫までの栄養補給には十分ですが、苗の植えつけタイミングによっては果樹の生長の様子を見ながら花芽分化や果実の生長促進のために『追肥』をあたえます。植物に直接肥料があたらないよう、また、肥料を与える位置が偏らないようにあたえます。
【お礼肥】
果実が成り、収穫を終えた後に与える肥料です。開花や結実で大量のエネルギーを消費し弱っている樹勢を回復させるために与えます。植物に直接あたらないよう、また、肥料を与える位置が偏らないように与えます。
※ 上記の施肥のタイミングは全て目安であり、植え付け土壌や生育環境、果樹の種類によって施肥の仕方は異なります。肥料は薬ではなくサプリメントのようなものなので、与えなければ必ず枯れてしまうということはありません。あくまで、人工的な環境で栽培する果樹苗の生長を人の手によって手助けしてあげるという意味で、植物の様子をよく観察しながら使用しましょう。
● 花ひろばオンラインで買える肥料
→ 大人気♪花ひろば有機質の肥料(元肥・追肥)
→ 化成肥料・特殊肥料
→ 果樹栽培2年目の中級者向け肥料セット
混植について(果樹の寄せ植え)
サクランボやリンゴ、ブルーベリーなどの果樹苗栽培では、受粉が必要な品種を2品種以上、近くに植えておかなければ結実しにくいです。スペースの関係上露地植えは難しい、けど鉢植えを2つ3つ用意するのも・・・。そんな時は、ひとつの鉢植えに2品種を並べて植えてる混植という方法があります。詳しい植え方などは下記ブログを参考にしてみてください。
→ 【実演ブログ】サクランボをひとつの鉢に植える
ポイント★ 2本の苗木をひとつの鉢に植えるため、通常よりもやや大きめの鉢を選んでください。
★ 鉢内の栄養分や水分が不足しないよう、こまめに観察してあげてください。
★ 既に植えつけから2年以上経過している苗木の場合、1つの鉢に2本植えると窮屈になり、生長が衰えてしまう可能性が大きいです。苗木の大きさにあった鉢を選ぶようにしましょう。
スペースに余裕の無い方や、一風変わった植栽に興味をお持ちの方は一度チャレンジして見てはいかがでしょう。
果樹苗の病気と害虫
自然界のバランスが崩れている人間の生活圏内で栽培される植物は病害虫の被害に遭いやすくなります。また、品種改良を重ねて生まれた植物は本能的に持っている耐性を失うことが多く病気にかかりやすくなることも。絶対病気にならない人間がいないように、病気にならない植物はありません。しかし、正しい生活習慣で病気に強い人がいるように、人間の手で病害虫にかからない苗に管理していくこともできます。 病害虫にかかりにくい環境作りを工夫することも、病害虫から回復させる工夫も、果樹栽培の楽しさにしてください。
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黒点病(黒斑病・黒星病)
発生時期:6〜7月、9月〜11月頃果樹は必ずかかるといってもいい病気です。黒斑病・黒星病ともいいます。葉に黒い斑点ができ、やがて葉が黄色くなって落葉します。若い枝には、黒いアトが残ることもあります。(青系果樹は特に目立ちます)雨が続くと多発します。葉が減ると、樹勢が落ちたり、花が咲きにくくなります。
対処法見つけたらすぐ病気の葉を取り除き、落葉もそのままにしないですぐ始末します。対処薬剤を3日間隔くらいで3〜4回ほどまきます。※ 治まらずに全ての葉が落ちてしまったら、枯れている、細い、小さい枝などを整理して、軽く切り戻します。地面に落ちた病気の葉も片付け、カリ肥料を多めに与えて予防すると効果的です。もっと詳しく見る
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うどん粉病
発生時期:6〜7月、9月〜11月頃葉やつぼみ、新芽の一部が、うどんこのような白い粉をつけているのはこの病気。粉を吹いたように白くなったこれは、茎葉につくカビの一種です。生育は著しく衰えます。春〜秋の、昼夜間の温度差が大きいときによく発生します。 そのためか夏場の高温期にはあまり見かけません。多湿や、チッソ肥料の過多も一因であるようです。
対処法見つけたらすぐ病気の葉を取り除き、対処薬剤(ポロポンVなど)を3日間隔くらいで3〜4回ほどまきます。※ 治まらずに全体にまんべんなく発生してしまったら、 病変の葉を全部取り、風通しの悪くなりそうな込み合った枝などを整理して、対処薬剤をまいてやります。もっと詳しく見る
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べと病
発生時期:6〜7月、9月〜11月頃多湿で少し気温が低い、昼夜の温度差が激しい時期に発生します。 風通しがよいと発生しにくいです。 夜露が朝まで残るような気候や高い湿度、ムレが一因となるようです。 他の病と同じく、蒸らしていい事はあまりありませんね。
対処法ムレが原因となりますので、風通しをよくして定期的に殺菌剤(オーソサイドなど)を散布します。 見つけたらすぐ病気の葉を取り除き、落葉もそのままにしないですぐ始末します。 対応薬剤を3日間隔くらいで3〜4回ほどまきます。もっと詳しく見る
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アブラムシ
発生時期:4〜11月頃野菜苗や果樹苗や庭木などでも、よく見かける小さな虫。黒点病に並ぶほどに、あらゆる植物に発生が多い困ったサンです。緑や黒色の小さな虫が、若い葉の裏や蕾に群がって樹液を吸います。葉がしわしわになったりで、見栄えも悪くなりますし、酷いと生長も悪くなります。
対処法なるべく早くに発見し、捕殺や薬剤散布などをします。数が少ない場合は何とか手で取れないこともないですが、いかんせん相手が細かいので苦労します。但し、薬をまく場合、同じ薬剤を続けてかけると耐性ができてしまうので、時々薬品を変える事も必要です。もっと詳しく見る
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ハダニ
発生時期:4〜11月頃肉眼では見えにくい小さな虫が、葉の裏などに引っ付いて樹液を吸い、吸われた部分が白い斑点になり、葉が黄色くなったり、表面が白っぽいカスリ状になって落葉します。他には、新芽がちぢれて大きくならなかったり、ダニの種類によってはクモの巣状になることもあります。
対処法見つけたらすぐ症状の出た葉を取り除き、対応薬剤を3日間隔くらいで3〜4回ほどまきます。※ 同じものを連続して散布すると、やはり抵抗力がついてしまうので、薬剤は散布のたびに変えたほうが良いです。定期的な葉水が予防に効果的です。もっと詳しく見る
結実のコツ
せっかく果樹苗を植えるなら、大きくて美味しい果実をたくさん収穫したい!でも、健康面のことを考えるとできるだけ化成肥料や農薬は使いたくない・・・。そんな時は、こんな方法があるんです♪これなら一度の栽培で違う品種を楽しめるし、収穫量も2倍!品種の組み合わせを選ぶ楽しみも増しますね!