"フランス語で渦巻きを意味するトゥールビヨン。その誕生の歴史は古く、1795年にまでさかのぼります。かつて時計は、腕に付けるものではなく、ポケットの中に忍ばせるものでした（懐中時計）。ポケットの中で長時間同じ向きで動作していると、重要なパーツである繊細なヒゲゼンマイは、自らの重量に耐えられず、下方向にたわんでしまいます。また、高速で動くガンギ車に挿すオイルも偏ります。これにより、正確な時刻をきざむことができなくなってしまいます。 トゥールビヨンは、テンプや脱進機をキャリッジというカゴに乗せることで、重力や姿勢差のゼンマイへの影響、また、オイルの溜まりを解消するために考え出された構造です。その動きは緻密で神秘的な美しさを感じさせます。 現代において、機械式時計に使用されるテンプをはじめとした素材の品質は飛躍的に向上し、動作の精度は十分なものが得られるようになりました。しかし、複雑な構造を持つトゥールビヨンのメカニカルな動きには、単なる美しさだけでなく、歴史の重みと面白さを味わえる特別な存在感があります。"

腕時計で一番水が入り込みやすいのがリューズ部分、それを防いでくれるのがねじ込み式のリューズです。文字通りリューズにネジが切ってあり、しっかりとロックすることで隙間をなくし水の浸入を防ぎます。もともとはロレックスなど高価なダイバーズウォッチに採用されていた機能で、内部のゴムパッキンと合わせることでさらに防水性を高めています。

ダイバーズウォッチを一際魅力的にするサイクロップレンズ、カレンダーの表示倍率を2.5倍にする優れものです。海中での視認性を格段にアップしダイバーをサポートします。ロレックス創業者の妻がひどい近視悩んでおり、それを解消するために作られた機能だという面白い開発秘話があります。

ダイバーの生命線ともいえる酸素ボンベの残量、それを計るために付けられたのが回転ベゼルです。しかし、ダイビング中に時計を岩などにぶつけてしまいベゼルが逆回転してしまうと実際の酸素残量より多く計られてしまい、大変危険な状況になります。それを防ぐため、正回転しかしない「逆回転防止ベゼル」が生まれました。

深海で作業をする作業ダイバーなどは、酸素ボンベに酸素とヘリウムの混合気体を使用します。分子の小さいヘリウムは長時間の作業中に時計の中に隙間から入り込み、そのまま浮上すると高圧化で圧縮されていたヘリウムが膨張し、時計が破裂してしまいます。それを防のが時計内部のヘリウムを排出する「ヘリウムエスケープバルブ」です。ヘリウムガスエスケープバルブ。

ストップウォッチ機能がついた時計です。通常、時計の秒針がついている位置にクロノグラフの秒針がついていて、２時位置についたスタートボタンを押すことで回り始めます。また、クロノグラフの分針、時針はインダイアルで設置されていることが一般的で１２時間から２４時間程度が計測可能です。時計の秒針はスモールセコンド(別のインダイアル)で設置されていることがほとんどです。

機械式時計の魅力をさらに引き出してくれる「オープンハート」は文字盤に内部ののぞき窓がついた時計です。シースルーバックで裏から全て丸見えもいいですが、やはり表から動く様子を見られるのは時計好きにとってたまらない事、テンプが回る様子はいつまでも飽きずに見入ってしまいます。デザイン的にもとっても優雅で高級感のある仕上がりになります。

グリニッジミーンタイムの略でかつて世界標準時刻であったイギリスのグリニッジ天文台時刻が由来となっています。時針、分針、秒針のほかに２４時間で１周する針がついています。使い方としては海外旅行に行く際に現地時間を設定して時差を確認したり、２４時間で１周する特性を利用して午前と午後を見分けるのに使えます。

24時間で１周する針がついています。午前と午後がわかりやすく今何時かが直観的にわかるので、あると非常に便利な機能です。また、１本だけ違う色の針だったり、インメーターであったりと、デザインの面でもアクセントになっていることが多いのも特徴です。

日付カレンダーで１の位と10の位が別々のダイヤル窓になっているもので、大きくて見やすいのが特徴です。近年そのクラシカルでオシャレな雰囲気を醸し出すデザインが人気を呼び様々な時計に採用されています。また、別名アウトサイズデイトとも呼ばれてい親しまれていてあの有名な高級時計ブランドのランゲ＆ゾーネ(A.LANGE&SÖHNE)がブームの火付け役と言われています。

美しい機械式時計の内部を鑑賞できる「シースルーバック」はスケルトンバック、裏スケルトンなどとも呼ばれており裏蓋がガラス張りになっています。近年腕時計は実用性より、芸術性や審美性を重視する傾向にあり、外装だけでなく内部の美しさやこだわりまでを見られるこのシースルーバックを多くのブランドが採用しています。

防水性を高めるため、ネジを切られた裏蓋です。ねじ込む事でケースと裏蓋が密着し水の浸入を防ぎます。また、パッキンと合わせることでさらに効果が高まり、ダイバーズウォッチには大抵この裏蓋が使われています。ロレックスなど質実剛健を売りにしたブランドはシースルーバックなど内部の見える美しい裏蓋をあえて使わず、耐久性のあるスクリューバックを採用しています。

自動巻き腕時計とは、装着している腕を振られる動きによって、時計内部に組み込まれた半円形の錘（ローター）が回転しゼンマイを巻き上げる仕組みのムーブメントが搭載された時計のことです。1926年スイスのフォルティスから発売された半回転ローター式自動巻き時計が、初の実用的な自動巻き時計とされています。その後の1931年ロレックスが全回転ローター式を採用後、全回転ローター式ムーブメントが一般化しています。自動巻きの多くは、リューズを用いての手巻きも可能になっていますが、構造をシンプルにするために、自動巻き専用のものもあります。自動巻きは、ユーザーが腕に装着している間中、ゼンマイの力が適度に蓄えられるため、手巻き式よりも精度が高くなるとされています。装着していない時にも、ゼンマイ巻き上げられるワインディングマシーンを利用する自動巻き愛好家が増えています。

パワーリザーブとはどれくらいの間、時計が動くのかを示したものです。機械式時計は主ゼンマイの力で動いており、主ゼンマイを最大に巻き上げた際にどれくらい動くのか「パワーリザーブx時間」というように表現します。主ゼンマイが現在どれくらい巻き上げられているのか一目でわかるようにメーターが取り付けられているので「気が付いたら時計が止まっていた」などアクシデントを防止できます。

腕時計の歴史では中３針よりも先に登場したスモールセコンドは、メインの針の位置とは別のインメーターに秒針が取り付けられている時計です。通常、腕時計で秒を数える歯車は中心から離れたところにあるため、中３針にするためには複雑な作りになってしまいます。シンプルな作りにすることで壊れにくく長くお使いいただけるとともに、文字盤のアクセントとしてデザイン性も兼ね備えた歴史ある機構です。

１kmを何秒で走ったかを計ることで、おおまかな時速をすばやく確認することができるタキメーターは、多くのパイロットウォッチやスポーツウォッチ採用されています。クロノグラフを作動させるのと同時にスタートし、1kmの地点でクロノグラフをストップします。針が止まってる場所のベゼルに書かれている数字がおおまかな時速となります。

設定した時間を音で知らせてくれるアラーム機能は様々なシーンで活躍します。会議やデートの時間など忘れることが出来ない用事のリマインドに、またはキッチンタイマーとしてカップラーメンの時間を計るなどユニークな使い方も。「最近忘れっぽくなった」とお悩みのあなたにもお勧めの機能です。

月の満ち欠け、月齢を表したムーンフェイズは、古くからある機能の一つであるとともに非常に高度な技術により実現している機能でもあります。文字盤に月の状態がイラストで描かれており。実際の月の状態に合わせて徐々に動いてく様子を楽しめます。デザインもユニークなものからリアルで繊細なものまで幅広く、見るものを飽きさせません。

午前と午後を見分けることが出来る機能です。昼の明るい時間帯と夜の暗い時間帯のイラストをディスクに半分ずつ書かれており、２４時間で１周する作りになっています。文字盤の小窓に表示されているディスクのイラストで午前か午後かを見分ける仕組みです。デザインも美しく、アンティークな雰囲気の腕時計にはぴったりです。

今日の日付を素早く確認できるカレンダー機能はとても便利で多くの時計に採用されています。デザインは様々ですが、多くのものが３時位置または４時位置に配置された小窓に今日の日付のみが表示されるタイプです。操作もほぼ共通でリューズを１段引き、反時計回りに回すことで１日ずつ日付が変わっていきます。

３時位置の小窓についた日付カレンダー、それがデイトジャストの特徴です。今日の日付のみが小窓に表示されるデイトジャストは抜群の使いやすさで、カレンダー表示のスタンダードとなりました。現在では当たり前のように浸透していますが、それまではこのような方式で日付を表示させる腕時計はなく、時針や分針のように配置された日付を針が指し示すタイプが主流でした。

ダイバーズウォッチを一際魅力的にするサイクロップレンズ、カレンダーの表示倍率を2.5倍にする優れものです。海中での視認性を格段にアップしダイバーをサポートします。ロレックス創業者の妻がひどい近視悩んでおり、それを解消するために作られた機能だという面白い開発秘話があります。