2007 GREEN DOG災害特集 専門家から見た災害とパートナー


オリバーさんは震災時、ARKにて約600匹もの犬や猫を保護されたとのことですが、そこに至った経緯と600匹の犬猫たちの、その後をお教えいただけますか。

震災当時、残念ながら多くの避難所では施設の中に動物を入れたり、生活を共にすることを拒否するケースが多かったようです。その為に、行き場をなくした多くのオーナー達は、愛するパートナーに安楽死を選択せざるを得ないという状況に陥っていました。

テレビでその様子を目にした私は、災害時の動物保護施設が存在しないのであれば、また、私たちにできることがあるのならば、どんなことでもやってみようと思い、犬や猫だけにとどまらず、その他の動物についても保護活動を行うことにしたのです。

保護した犬や猫達は、短期間で大好きなオーナーの元へ戻るものや、1年を過ぎて帰ってゆくものもいましたが、悲しいことに、オーナーの中には、引取りを拒否する人もいました。おそらく、オーナー自身、震災当時の恐怖がトラウマになってしまい、精神的に不安定な状態になっていたからなのでしょう。

今でも、震災当時に保護したギンジという犬と数匹の猫がARKにはいますが、引取り手のなかった犬猫のほとんどは、ARKで最後の時を迎えています。




震災直後の神戸にて、被災した犬や猫の救出活動をされたとのことですが、苦労したこと、印象に残っていることはありますか。

一番苦労したことは、「神戸まで行くこと」でした。
昼間は大渋滞の為、深夜に大阪のARKを出発し、神戸での保護活動の後、 午前4時にはARKに戻る。そして、午前7時には保護している犬達の世話を開始するといった具合でした。

また、私の想像以上の動物達が助けを必要としていたので、 可能な限り、動物達を無償で引き取り続ける日々が続きました。


震災から長い年月が経ちますが、動物たちをとりまく防災環境についてどのようにお考えですか?

震災当時のことですが、スイスから派遣されたレスキュードッグに検疫が必要か否かという議論がまじめに時間をかけて行われていたんです。信じられますか?

震災当時の日本政府の対応は、とても充分とは言えないものでした。激しい揺れの直後、アメリカ大統領は数分のうちに地震について知ったのですが、当の日本の首相が知ったのは数時間後でした。この為、自衛隊の派遣が遅れ、兵庫県知事の権限ではどうしようもないまま、 政府の遅々とした対応のために、多くの人が命を落としたと言われています。

そして当時、日本の保健所は、一時的な動物の保護は行わないという方針でした。安楽死という意見がまかり通っており、取り立てて対策を行う気質がなかったように思います。ただ、そのような状況の中でも動物を愛する多くの人々から、被災した動物たちを救うためにたくさんの寄付が日本中から集まりました。

しかし、残念な事に使途は現在も不明で、結局、ARKには1円も回ってくることはありませんでした。そのお金が、将来の悲劇を防ぐための、価値あるレスキュー施設の建設に使われたことを祈るばかりです。

欧米では、災害時の動物たちを収容するための保護施設が多く存在しています。
ハリケーン カトリーナの事例では、現地の保護施設だけでは保護しきれなかった為、たくさんの動物団体が迅速に行動し、充分な緊急保護施設を立ち上げました。さらに、近年のレバノン紛争では、アメリカの団体が飛行機をチャーターし、300匹を超える犬をレバノンから救出したという例もあります。

今回GREEN DOGでのこのような特集、取組みについては非常にすばらしいことと思います。私たちは、過去のこれらの事例を知り、政府に働きかけ、人、そしてペットのための災害時の体制作りを実現していくべきだと思っています。



オリバーさんの考える、人と動物が共に生きる生活についてご教授いただけますか。

日本ではたくさんの人が、犬に噛まれる、という恐怖心を持っています。
これは、日本人がこれまでに与えてきた飼育環境にいる犬が、実際に人を噛んでしまうことと、犬自身の社会化が不十分な点に起因すると思います。

日本では、犬はチェーンで軒先につながれることなどがこれまでには多く、こういった犬たちにとって、唯一のストレス解消法が、吠えることであり、噛むことなのです。犬たちが噛んでしまっても仕方がない状況なのです。

また、生後3週間から12週間の間にたくさんの場所へ連れて行き、人や他の犬と慣れさせることもとても重要です。社会化が充分にできており、犬が人に対してフレンドリーであれば、人も犬に対して恐怖心を持たず、イギリスのように、家族的な存在として社会全体が認めるようになるのだと思います。



インタビューを終えて

以前、災害特集のインタビューにご協力頂いていた児玉小枝さんもお話されていましたが、私達の住んでいる国、日本は、先進国として世界では認知されていますが、残念ながら動物の事に関しては、まだまだ途上国です。

オリバーさんのご出身であるイギリスでは、160年も前に犬のシェルターが創られており、人々の意識も高いことで知られています。犬は「買う」のではなく「飼う」。
イギリスでは人々の衝動買いを避ける為、犬は店頭で売られることはありません。

現在のARKのように、シェルターや保護施設にて人々は家族となる犬や猫を譲り受けるケースがほとんどなのです。

その国で、犬を家族として育ったオリバーさんにとって、震災当時、日本での動物達の状況は胸が張り裂けるような思いでいらっしゃったのでしょう。

オリバーさんからは、動物達をとりまく環境や施設、社会をかたち造ることで、非常時にそれらの働きがいかに大きな力になるかということを、教えていただけたように思います。

そして、パートナー達の住みやすい社会を作ってゆくことは、私たちひとりひとりの手にかかっているということを改めて感じることができました。

私達GREEN DOGはARKを応援しています。
今回インタビューにご協力いただいたオリバーさんの運営する、ARKでは、現在でも500頭を超える動物達が保護されています。
GREEN DOGではこれまでも、ARKを支援させていただいてきました。

今回の特集を通じて、多くの方々にARKの存在を知っていただき、そして、ひとつでも多くの小さな命たちが、温かい手に包まれる日がくることを願っています。


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