絵画の知識 1(版画について) |
グレイスアートコムでご紹介する作品は版画や油彩・アクリル画・パステル画などの一点物とポスターなどです。ここでは主に版画についてご説明させて頂きます。版画は作家自らが吟味し芸術作品としてふさわしいと判断したものを、ポスターとは違り、限定の部数で制作したものです。制作は、作家と刷り師の共同作業で、一色一色ていねいに刷られ、使っている色の数だけ繰り返し手間暇をかけて行われる職人芸です。所定の枚数を刷り終えた版は、再び使用されないよう廃盤(レイエ)とします。 |
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■オリジナル版画 |
作家自身が描いた版を刷ったもので作家自身のサインが入るとオリジナルサイン入りになります。 |
■アフター版画 |
版画工房の職人が作家のオリジナルを基に版を作って刷ったもので作家自身のサインが入るとコントラサイン入りになります。 |
■リーストライク版画 |
作家が故人となって、版権相続者の了解を得て制作した復刻版画です。遺族などの版権相続者や刷り師等のサインが入る場合もあります。 |
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限定番号またはエディション(ED)ともいわれています。通常、作品の左下余白などの部分に記入されています。その作品が何枚制作され、そのうちの何番の作品かを示しています。例えば「78/250」の場合、レギュラー版が250枚制作され、そのうちの78番の作品であるということになります。「78/250」の番号のその作品は世界に一枚しかありません。ただし、この78番というのは通し番号的なもので、厳密に78番目に制作されたということではありません。作家によっては全部の作品が刷り上がってから、まとめてサインやエディションナンバーを入れる場合もあります。 |
現代は驚くほどのスピードで技術が進歩していますが、版画に関しても伝統的な版画技法だけではなく、さまざまな新しい技法も生み出されています。ここでは、伝統的な技法と新しい技法の中でも、特に頻繁に使われている技法について簡単にご紹介します。 |
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■リトグラフ |
石版画。版材に石灰石やジンク板(亜鉛板)、アルミ板などを用いる平版の一種。 |
■シルクスクリーン |
金属や木製の版枠にシルクやテトロンなどの布を張り、それを版として布目を活かして版画を制作する技法で孔版の一種。セリグラフ(serigraphy)ともいう。絵柄以外の部分にインクが通らないように、感光性乳剤やフィルムなどを使い、布目の目止めを施し、枠のなかにインクを盛り、スキージーと称するヘラ状のウレタン板で加圧することによって、下に敷いた紙などに絵柄部分を刷り込んでいく方法。比較的歴史の浅い技法であるが、それだけに用具・用材も次々と新しい物が改良され、技術的に日々躍進し続けている。均一で鮮明な仕上がり、大きい作品の制作も可能であるなどの理由で多くの作家に採用されています。 |
■エッチング |
金属版面の酸の腐食による凹版技術の一種。一般に、銅版画の代名詞のように用いられることもある。金属版面をおおった防蝕膜をつくり、それをニードルなどでひっかき、金属面の露出した線画の部分をつくり、版板を酸にひたし、その化学作用によって、凹版をつくる。酸にひたす時間によって窪みを調整する。窪んだ部分にインクをつめ、プレス機で圧力をかけて刷る。 |
■カーボランダム |
画家ゲーテが10年の研究努力の末、1967年に完成させた技法。 |
■ミックスドメディア |
複数の技法を組み合わせることからこの名がついています。例えば、シルクスクリーン+ハンドペインティングや、ラッセンがよく採用する写真製版+シルクスクリーンなどが知られています。 |
■シバクローム |
スイスのチバガイギー社が開発したカラープリントの技法です。プリントの過程で不要なインクを抜き、正確に色を残していく方法です。 |
■ジグレー |
ジグレーとはフランス語で「ほとばしり」または「噴出」という意味で、伝統的な版画技術と新しいデジタル技術を融合させた技法です。版画のもとになる原画を高精度のスキャナーでコンピューターに取り込み、画素を数十万色のデジタル情報に変換します。作家がデジタル情報にこまかく修正を加え、紙やキャンバスに色を噴霧します。 |
■アイリスオンキャンバス・アータグラフ(キャンバスエディション) |
美術館の名画を複製するために開発された技術をもとに、原画の色使いを忠実に再現し、表面の凹凸までも再現する方法です。 |
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上の組み合わせにより、例えば、CLXXXVIII/CCLの場合188/250となります。