▌片刃構造がきれいに切れる2つの理由
なぜ「片刃構造」にすることできれいに切れるのか、その理由は大きくわけて2つあります。
【理由1】切断跡を目立たなくできる
一般的なニッパー(「両刃構造」)は、グリップを握ると両方の「切刃」が対象に切り込んでいきます。
結果、切断跡が切断対象の中央付近にできるので目立ちます。
一方、「片刃構造」の場合、「まな板刃」には刃がないため、グリップを握ると「切刃」のみが対象に切り込んでいきます。
その結果、切断跡が片方の端に寄り、目立たなくなります。
【理由2】「切刃」を薄くできる
一般的な「両刃構造」のニッパーは、2枚の「切刃」が噛み合う構造です。
刃と刃の頂点で噛み合うことは困難なので、2つの「切刃」を異なる角度にすることで噛み合いやすくしています。
ただし噛み合うといっても、「両刃構造」は、切刃同士が接触したタイミングで切断するのではなく、切刃同士が接触する前に対象を切り離す仕組みになっています。
これは、切刃同士が接触したタイミングで切断する構造だと、切ろうとして強くグリップを握った際に刃同士が当たってしまい、刃がすぐに痛んでしまうためです。
そこで、切刃同士が接触する前に対象を刃から離れさせ、刃の負担を軽減しています。ニッパーで切った際の「パチン」という音は、対象が刃離れしたときの音です。
「両刃構造」は切っている途中で刃離れさせるので、その際に衝撃が起きやすく、ゲートを残さないように刃をパーツにピッタリ沿わせて切ると、切断跡がえぐれてしまうことがあります。
衝撃を抑えるためには、「切刃」を薄くして切れ味を上げる方法が考えられます。
しかし「両刃構造」は両側から楔(くさび)を打ち込んで切断するようなものなので、あまり刃を薄くすると刃離れが起きにくくなり、刃がすぐにダメになってしまいます。
「両刃構造」では「切れ味」を追求することが難しく、その結果、きれいな切断面を得ることも難しくなります。
一方、「片刃構造」であれば、「切刃」が「まな板刃」に接触したところで切断するので、刃離れのための厚い楔形状にする必要はありません(薄くしすぎると折れやすくなるので、ある程度の厚みは必要ですが)。
純粋に切れ味を追求しやすいため、アルティメットニッパーでは「片刃構造」を採用しています。
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