生理前の不快な症状、PMSとは?

こんにちは。HARE BAREです。 生理前には多くの女性が不快な症状に悩んでいます。 これはPMS -Premenstrual syndrome- 月経前症候群と呼ばれるもので、排卵後のホルモンバランスにより起こる症状です。

 

8割以上の女性が悩んでいる生理前の症状

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参照元:http://data.whicdn.com/

軽い症状を含めると、月経のある女性の8割が悩むといわれる月経前症候群。 その中でも特に重い症状はPMDD(月経前気分障害)と呼ばれ、1割程度の女性が該当すると考えられています。 PMSの症状は非常に多く、人によって症状の種類や重さ、期間が異なります。

 

PMSの原因

PMSの原因は細かく見ると多岐にわたりますが、基本的には排卵後に起こる妊娠に備えるためのホルモンバランスの変動によって起こります。

 

排卵後のホルモンバランス

女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)は排卵前と後では優位性が逆転します。

この変動により月経までのおおよそ14日間、体は妊娠に備えて多くの変化が起こります。 例えば子宮内膜を厚くしたり、体内に水分をためやすくしたり、食欲を増したり、乳腺を肥大させるなどの変化が起こります。 また脳内では、それらの変化を起こす様々なホルモンの影響で、セロトニンやドーパミンなどといった脳内伝達物質の濃度にも変動が起こります。 そしてこれらの変化やホルモンに対する反応は人それぞれ異なり、円滑に進まなかったり、アレルギー的反応を起こすことがあります。これらの反応が主に生理前の不快な症状として現れます。

 

PMSの症状

参照元:http://weheartit.com/

PMSの症状は主に「心の不調」と「体の不調」に分かれます。 代表的な症状を見てみましょう。

心のPMSイライラする 怒りっぽくなる 八つ当たりする 悲しくなる 鬱っぽくなる不安定になる ぼーっとする 集中力がなくなる 衝動的になる 誘惑に弱くなる

 

体のPMS乳房が痛くなる 下腹部が痛くなる 体が冷える むくみやすい

便通が悪くなる貧血気味 頭痛 眠気・不眠

甘いものが食べたくなる(血糖値低下) 体重が増える

 

実は30代から増えるPMS

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参照元:http://weheartit.com/

体が成熟するにつれてホルモンバランスは徐々に乱れやすくなります。 PMSの症状は20代後半から強くなります。さらに出産後や婦人科の手術後などはホルモンバランスが乱れやすくなるため、PMSの症状が重くなる傾向があります。 40代の後半に向かって行くと閉経にむかうため、PMSの症状自体は軽くなりますが、更年期障害というPMSと似たバランスの乱れが起こります。

 

PMSの改善に大切な3つのポイントとは?

比較的症状の軽いPMSであれば、生活習慣の改善で症状が良くなることが多々あります。 大切なのは『食事』『運動』『リラックス』の3つです。

 

食事でのPMS対策

食生活の改善は女性ホルモンの分泌を助けるとともに、PMSの辛い症状を緩和することが出来ます。*1 食生活が偏っていると、生理前のイライラ・過食などの精神症状は重くなります。また月経周期や痛みなど多くの症状は栄養と密接な関係があります。

 

運動でのPMS対策

運動はウォーキングなどの軽い有酸素運動はPMSの諸症状の改善に効果的です。*2 有酸素運動はホルモンや神経伝達物質の分泌をサポートし、ストレスの軽減や自律神経の安定にも効果的です。 週に3日程度、1日20分以上(理想は40分以上)のウォーキングによって効果が期待できます。

 

リラックスでのPMS対策

リラックスは脳と神経のバランスを正常に戻し、神経症状の改善が期待できます。*3 夜のリラックスは比較的習慣化しやすく、寝る前のアロマやストレッチ・ヨガは精神安定を助け、また快眠もサポートしてくれます。 1日の終わりに体や脳の緊張を開放することは、翌日の効率にとって非常に大切です。

 

ハーブによるPMS対策

チェストベリー(Vitex Agnus castus)はPMSの症状に対して有効です。 PMSを対象とした実験数も非常に多く、科学的根拠も揃っています。 チェストツリーに関しても情報をまとめてありますので一度ご覧ください。
チェストツリーの効果と信憑性、安全性

 

日常生活に支障をきたすレベルのPMS(PMDD)

もしあなたの症状が非常に重く、人と争う原因になったり、会社を休まなければいけないなど日常生活に支障をきたしてしまう時にはPMDDを疑ってみましょう。 PMDDは気分障害が非常に重く、社会的生活を送るのが困難になることが特徴です。特に症状は進行性である場合も多いので、適切な対処を行うことが必要となります。 PMDDの症状は適切な知識を持って対応すれば、改善する場合がほとんどです。場合によっては心療内科で統合失調症や重篤な鬱とだけ判断されてしまう場合がありますが、生理後に症状が著しく改善する場合はPMDDである可能性が非常に高くなります。 PMDDに関しても別途情報をまとめますので、疑われる場合は確認してください。
とっても重いPMS・PMDDとは

 

参考文献


*1 RCOG Green-top Guideline Management of Premenstrual Syndrome Green-top Guideline No. 48
*2 John F.Steege.The effects of aerobic exercise on premenstrual symptoms in middle-aged women: A preliminary study
*3 J Clin Diagn Res Effect of Yoga on Autonomic Functions and Psychological Status During Both Phases of Menstrual Cycle in Young Healthy Females

(2017/07/05更新)