蓬莱バッグ

平安時代に都が置かれると、織部司の管轄のもと京都で高級絹織物が生産されるようになりました。日本ではそれ以前から、正倉院裂にも見られるような舶来の裂地に習い、それらを愛好し織物の文化が創られてきました。

戦乱の時代には職人たちが京都を離れたことにより、織物生産地は一時壊滅状態となりましたが、16世紀末頃から西陣が中心地となって織物の生産が再興されます。桃山時代には明の織技を取り入れて発展し、江戸時代には高機(たかばた)が用いられました。これは空引機(そらひきばた)とも呼ばれる大きな手織機で、一人が機上で経糸を引き上げ、もう一人が緯糸を織り込むという仕組です。明治時代になるとフランスのジャガードによって発明された、パンチカードのような紋紙を用いるジャガード機が導入され、紋紙の穴で経糸を操作できるようになり、この技術革新によって織物の生産は飛躍的に進歩しました。

齋藤織物ではこのジャガード機を擁し、世界の織物の文化・歴史を調査研究して様々な織物を創り続けています。織り込まれた文様の美しさには、幾段階にも染め分けた糸の濃淡が魅せる深みがあり、今回、逸品として取り上げているバッグからも、それぞれの裂の美しさ、面白さに親しんでいただけたらと思います。唐織、金唐革、摺り箔、それぞれの特徴については、各商品ページをご覧ください。また、バッグとしては今回ファスナーをより滑らかな開閉を実感できるものに改良しています。

織る文化は糸の文化とも呼ばれます。糸を撚り、染め、手繰りで管に巻き、織っていく。そういったものづくりの風景も、齋藤織物のアトリエの写真とともに公開いたします。
弊店が誇る織物の美をお楽しみいただけたら幸いです。

齋藤織物の魅力・工程

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