THROW 山内 達詞 interview balcone di guji 虎の穴vol 8

balcone di gujiと縁のあるブランド、デザイナーに迫ってきた虎の穴シリーズ。

今回はTHROW(スロー)の山内 達詞氏にお話を伺うことが出来ました。

ブランドがスタートしたのは2019年。
balconeで展開をスタートしたのは2020年のFWシーズンからになりまして、他にはないテキスタイル、デザインなどが好評で既に独自のポジションを確立しています。実はすでにbalconeでオリジナルも作っていただいたりと、バイヤーとの距離感は既に縮まっている模様。

ちょっと他には無いストール、改めてその魅力に迫りたいと思います。

バイヤー 高階(以下、高階):では、よろしくおねがいします。

デザイナー 山内 達詞氏(以下、山内氏):よろしくおねがいします。

高階:早速なんですが、山内さんがTHROWを始めた経緯を伺ってもいいでしょうか。

山内氏:元々、家業がテキスタイルを卸す会社を45年ほどやってまして、そこで仕事をしている時に日本の生地を活かしたモノづくりが何かできないかなと考えたんですね。
多くあるアイテムの中でもテキスタイルを最大限に表現できるものはストールが良いと思いスタートさせたのがTHROWになります。

高階:なるほど。ご実家は尾州にある東伸さんですよね。

山内氏:そうですね。THROWと並行してテキスタイルの企画営業もやってまして、ブランドさんやセレクトショップさんへの生地の提案なども行っています。

高階:THROWは奥様と一緒にやられているという事ですが、お二人の役割をお聞きしてもいいですか。

山内氏:素材の面に関しては僕の方でハンドリングして、デザイン面は奥さんがやってくれている感じです。

高階:なるほど、分業でやられているんですね。

山内氏:テキスタイルに関して言うと、生地の風合いは日本でしかできないものを表現したいと思っていて、リネンを使った素材をベースにやってみたいなと思っていたんです。

高階:初めて拝見した時に独自性のある風合いに驚きました。特に印象的だったのが秋冬にリネンを使ったストールを提案するんだという。

山内氏:日本だとリネンは夏の素材という概念がありますが、海外だと1年中使う素材なんですよね。

gujiさんでも以前取り扱って頂いた、緯糸にリネン、経糸にウールカシミアの平織りストールがあったと思いますが、加工の仕方によってああいう風にウォーム感を出すことができるんです。
こういった所が他のブランドさんにはない、THROWらしさかなと。

高階:僕達も色々なストールを見てきて取り扱いもしてきましたが、THROWは既に確固たるポジションを確立しているように思います。
アイテム一つ一つに付いている名前も良いなと。どちらが命名されているんですか?

山内氏:これは奥さんですね。
手に取って頂いた方が愛着を持ってもらえるのではないかと思って名前を付けている感じです。

高階:イタリアものだとよくあるんですが、日本のブランドだとあまりない気がします。こういう所にもブランドの拘りが感じられるので僕も好きです。
毎シーズン出されているビジュアルも凄く凝られていますよね。

山内氏:あの辺りは二人でいろいろと考えながら作っている感じですね。

高階:毎シーズン楽しみにしているんですが、スタイリストを入れたりしてるんですか?

山内氏:スタイリストは入れず、アートディレクターとカメラマンがいるだけですね。

高階:そうなんですね、凄く洗練されていて良いなと思ってたんです。
ビジュアルではストールの巻き方も印象的なんですが、THROWとしてはどういう巻き方が良いんでしょうか。

山内氏:コンセプトとして『纏う』、『羽織る』というイメージを持って作っているので肩からバサッとかけて頂くのが良いかと。
どちらかというとアクセサリー感覚、素材の良さや柄の雰囲気、あえてキチっとさせない感じですかね。
防寒的な感じよりもファッションギア的な提案が出来ればいいかなと思っています。

高階:まさに今みたいな感じですよね。

山内氏:そうですね、今だとシャツやカットソーの上から纏う感じですね。もちろん秋冬であればアウターの上からバサッと羽織ってもらうのも良いと思います。

高階:これまではギュッと巻いたり、そのまま垂らしたりするスタイルが多かったメンズとしては新しい提案ですよね。

山内氏:確かにそうかもしれませんね、THROWはサイズ自体も纏えるような大きさで提案しています。もちろん一般的な巻き方でも大丈夫ですよ。

高階:ストールのみならず、ウェア類も今後は増えていくんでしょうか。

山内氏:今後も展開していきたいと思っています。
巻物を羽織るというコンセプトがあるので、ウェアに関してもその延長線上で副資材を出来るだけ使わず一枚仕立てというのを意識してはいますね。

高階:22FWも期待しております。

高階:ここからは22SSでセレクトしている商品についてお伺いします。
まずはプリーツスカーフ(CLALA)、今回のコレクションでも印象的でした。

山内氏:こちらのスカーフはネックアクセサリーなのでクルっと一重巻きしてもらっても良いですし、Tシャツの中にそのまま入れちゃっても大丈夫ですよ。サラッと使っていただければいいのかなと思っています。
後はスカーフリングもあるのでそちらを合せて頂いても良いかと。

高階:このスカーフリング、良いですよね〜

山内氏:これはHARPOというフランスのジュエリーブランドのものですね。
インディアンジュエリーを制作しているところに依頼をして作ってもらっている別注なんですが、元々HARPOもこういったモノは作ったことがなかったらしく、こちらが提案すると『良いじゃない!』ということで共感して頂きました。
ゴリゴリな感じではなくモダンに使ってもらえるタイプかなと思いますし、軽装になった時のプラスワンアイテムとして使ってもらえたら。

高階:リングをつけるとグッと華やかになりますね。スタイリングがちょっと寂しいときなんかに重宝しそうです。

山内氏:ちなみにプリーツスカーフは手洗いしてもらえます。

高階:汗をかくと気になりますし、自分でお手入れが出来るというのは重要ですよね。

高階:続いてはコチラのストール(MARGARET)をお願いします。

山内氏:日本で昔から使われている絡み織を採用していまして、糸自体を撚糸して所謂双糸使いになっています。ガーゼ素材とはまた違ったムードがあるものになっています。
これもバサッと羽織る感じか、クルっと巻いていただいても良いですね。今回のビジュアルでもヘッドアクセとして使ったりしています。

高階:とても印象的でした。男性がやるには中々難しいかもしれませんが、『こういう使い方があるんだ!!』ってハッとさせられました。

山内氏:ありがとうございます。(笑)

高階:話は変わるんですが山内さんのご自宅も凄く洒落てますよね。この間Esquireのサイトで拝見しました。

山内氏:あ〜あれですね、ありがとうございます。元々インテリアが好きでよく購入していて、空間づくり自体も自分の中で重要にしている部分なんです。

高階:この事務所も抜け感があって素敵ですし、ついつい長居してしまいそうになります。

山内氏:実の所、事務所も家もそんなに変わらないんですけどね。(笑)

高階:(笑)
ちなみに僕達gujiについてはどういう印象を持たれていますか。

山内氏:こだわりを感じるお店ですね。良いものをしっかり揃えながら、ミックス感のある提案が凄く上手だなと。傍から見ていて時代に流されない感じがしますし、発進力があるお店だと思っています。

高階:いい感じに言って頂いて、、、、ありがとうございます。(照)

高階:最後に今後のTHROWについて聞かせてもらえますか。

山内氏:より素材の良さだったり織組織だったりを注視した、ご提案をしていきたいと思ってますので引き続きご期待頂ければと。

高階:僕達もTHROWの魅力を伝えられるようにかんばりますので。

山内氏:よろしくおねがいします。

高階:本日はありがとうございました。

山内氏:こちらこそ、ありがとうございました。



balcone di guji 虎の穴

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