エネロングを末永く利用するには
enelong電池は、約1000回の充放電くり返し寿命となります。
繰り返し回数はある一定の条件下で試験を行っており、ご利用いただく充電器の種類やご使用の機器が異なる条件下では、試験規格と同じ条件にならない為、約1000回の充電を前に劣化が始まり使用不可となる場合がございます。
また、誤った使用方法の場合、急激な劣化を招くだけでなく液漏れ等を誘発する場合がございます。
なるべく永くご利用いただくために、enelong電池の取り扱い方法をご案内致します。
- 目次
- ・ダメージの二大要素
- ・ダメージの少ない使い方
- ・enelong電池の液漏れ
- ・enelong電池の寿命判断
- ・まとめ
ダメージの二大要素
- [過放電]
- enelong電池の終止電圧は約1.0Vとなり、1.0V未満になった場合に"過放電状態"となります。
使い切った状態で充電せず長期放置すると、自然放電により過放電状態となり、内部の電極に大きなダメージが加わり短寿命となります。
また、低電圧機器や懐中電灯等で完全に使い切った場合も同様な症状となります。
- [高温使用/保管]
- 高温状態での大電流使用は、膨張により内部圧力が上がり液漏れを促進させ短寿命となります。
また、直射日光が当たる場所、高温、多湿になる場所での保管は電池の劣化につながります。
ダメージの少ない使い方
- 1.使用するenelong電池は利用機器ごとに決め、グループ化して使用する
- 複数の機器への使い回しは、劣化状態にばらつきが発生する最も大きな原因です。
劣化の進んだ電池は容量が減少し、過放電になりやすく更に劣化が促進されます。
- 良くない例
- 良い例
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- 2.同時購入時期、同時充電、同時放電で充電池のコンディションを整える
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enelong電池をご利用頂く際は、電池自体のコンディションを揃える事が重要です。
くり返し使用することで少しの性能の差(劣化度合い)が充電するたびに更に大きくなる傾向にあります。
出来るだけ同時に使用するenelong電池のコンディションを揃えて使うのが長持ちの秘訣となります。
- ・シリーズ/品番
- 同じ品番(容量)を購入される場合でも、1年前に購入された使用中の電池と新規に購入された同一品番(容量)の電池を同時に使用すると、若干でも劣化が進んでいる1年前の電池にストレスが加わり電池容量にアンバランスが生じます。
その事により、古い電池がより劣化が促進される場合があります。
出来るだけ同時購入品をグループ化してお使い下さい。
- ・同時充電
- 同じ機器に使用する場合は、同じ充電器で同時に充電したものをお使い下さい。
以前に充電し保管していた電池と新しく充電した電池、また異なる充電器で充電した電池などを同一の機器に使用しないで下さい。
- ・同時放電
- グループ化して同一機器に同条件で使用して下さい。
同品番の機器であっても、複数台使用される場合は機器ごとにグループ化して区分しながら使用して下さい。
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- 3.充電はこまめに行なう
- ご利用機器で使えなくなるまで使用してから充電をするのではなく、2/3程度使用した時点ですべての電池を同時に充電して下さい。
充電池へのダメージが最も大きいのは過放電です。
多数本で使用しご利用機器にて使用出来なくなる(充電切れ)まで使用した場合、すべての電池が同時に残量が無くなるとは限りません。
多少の容量のバラツキなどが原因となり、残量ゼロのバランスがくずれるのが一般的です。
内1本のみ完全放電することも珍しくなく、充電ができなくなる等の大きな問題となる場合がございます。
また、直ぐに充電すれば大きな問題にはなりませんが、使用後にしばらく放置することによる自然放電により完全放電してしまう場合があります。
電池の残量が把握しにくい為、すべての電池が過放電になる前に充電するためには、早めの充電が最適です。
目安として10時間程度使用できる機器であれば、6~7時間(2/3程度)使用した時点で全ての電池を同時に充電する方法をおすすめします。
- 4.充電池と充電器の電極はこまめにふく
- くり返し使用することで、電池や充電器の電極には目に見えない汚れ(手油やほこり等)が付着しています。
この目に見えない汚れでも充放電に大きな影響が発生します。
・充電 → 未充電や充電不足となります。
・放電 → 使用時間が短くなる等が発生します。
特に寿命に影響を与えるのは充電時となります。
ご利用の充電器が1本ごとに独立して容量表示を行うタイプは問題ありませんが、複数本まとめて表示される場合は、接触不安定による充電不足の確認を行うことが出来ず、充電不足のまま充電が完了してしまいます。
充電不足の電池をそのままご使用いただくと、すぐに過放電となり電池寿命を著しく低下させます。(場合によっては1回で液漏れする場合があります。)
そのような状況を防ぐためにも、電池及び充電器の接触する電極は、こまめに(数回~毎回)ティッシュペーパーなどで清掃を行ってください。
- 5.その他の使用上の注意事項
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- ほとんど未使用の状態でのつぎ足し充電は、過充電により劣化の原因となります。
- 長期間(目安:2年程度)まったく充放電することなく保管している場合、電池内部の材料の劣化原因となります。
- 高温・多湿環境下での長期間保管は、高温劣化・液漏れによる過放電劣化の原因となります。
- 大電流放電を継続してご使用いただいた場合、電池内部の異常温度上昇により電池内部が膨張し、電解液の放出(液漏れ)となります。
- プラス端子に機械的変形が発生するほどの圧力が加わった場合、安全弁作動による液漏れが発生します。
enelong電池の液漏れ
一般的にアルカリ乾電池などの一次電池に比べ、充電可能な二次電池のenelong電池(ニッケル水素充電池)は液漏れが起こりにくいと言われています。
しかしながら、enelong電池の内部にも乾電池同様に電解液が封入されており、使い方を誤ると電解液が流出(液漏れ)します。
- 液漏れのメカニズム
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電池の中には電解液が封入されており、充放電の際に内部でいくらかのガス(気体)が発生します。
通常の充放電において、ガスは電池の外部にほとんど放出されることはありません。
しかしながら、過放電状態での強制放電や継続した過充電、更には急激な温度上昇となる大電流放電やショートなどが加わるとガスが異常に発生し、電池内部で吸収しきれなくなります。
上記のような異常が電池に加わった場合に異常圧力による破裂を防止するための安全弁(ガス排出弁)が設けられています。
その安全弁が動作する時にガスの放出と同時に内部の電解液が漏れ出る場合があり、これが液漏れ(漏液)現象となって現れます。
※ガス排出弁はプラス端子側に設けてあります。
- 液漏れした場合の対処法
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漏れ出た電解液は毒物ではありませんが、強アルカリ性の液で目に入ったまま処置を誤ると失明の恐れがあります。
また、化学やけどの危険性がある液の為、人体に付着した場合は素早く適切な処置が必要です。
- 目に入った場合は大量の水で洗い流し、すぐに医師の診断をうけてください。
- 肌や衣服についた場合もすぐに大量の水で洗い流し、肌に違和感を感じられた場合は医師に相談ください。
- 液漏れした液は水溶性の液であり、水に容易に溶け込む性質がありますので、大量の水で洗い流すことができます。
- 機器や家財などに付着した場合も大量の水で洗い流すことで取り除くことが可能です。(ただし付着直後)
液漏れした電池は使用できません。
体に付着しないように気を付け、ビニール袋などに入れて近所の電気店などのリサイクルボックス入れてください。
- 液漏れを極力発生させない為の注意事項
- ・過放電/過充電は行わない
- 使い切った状態で充電せず長期放置(過放電)、充電完了品を続けて充電する(過充電)などを行うと内部の電極に大きなダメージが加わりガスが発生しやすくなります。
「ダメージの少ない使い方」をご確認頂き、enelong電池に極力負荷のかからないご利用をおすすめ致します。
また、安全装置や過充電防止機能がついていない充電器では充電を行わないようにしてください。
- ・高温使用/保管は行わない
- 高温状態での大電流使用は、膨張により内部圧力が上がりガス放出します。
また、高温、多湿の場所での保管は、電池内部の劣化の原因となり、液漏れの可能性が高くなります。
enelong電池の寿命判断
- エネロング電池の寿命の判断は、以下の症状が現れたら寿命と考えられます。
グループ分けを行って頂いたご使用中の本数全てを同時に交換されることをおすすめします。
寿命と思われる電池だけ交換すると、交換しなかった電池と新品電池(追加電池)の容量バランスがくずれ、新品電池(追加電池)の寿命が短くなる場合があります。
また、容量バランスが崩れると過放電の原因となり、急激な劣化や液漏れなどの原因となります。
- ご購入時から頻度よく使用し、充電時間なども大きな変化がないにもかかわらず、使用時間が短くなった場合。 (目安:使用当初の使用時間の約半分程度)
- 充電器本体に電池ごとに充電状態を表示するインジケーターやLEDランプ表示等がある充電器をご利用の場合で、同時に使用した電池(グループ化した電池)を充電しているにもかかわらず、他の電池と比較して著しく充電時間が異なる場合。(目安:約半分または約2倍程度)
- TGXシリーズの充電器をご利用頂いている場合、液晶に「error」が表示されたり、充電状況のインジケーターが表示されない場合。(電池マークが空の状態)
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尚、接触不安定により上記の症状が発生する場合がございます。
その際は、電池のプラスとマイナス端子及び充電器の電極端子をティッシュペーパーなどで清掃してください。
端子表面に付着した目に見えない酸化や油分、細かな異物付着が取り除かれることにより、接触不安定が改善される場合があります。
まとめ
- エネロング電池は機器ごとにグループ化して使用する。(電池容量を均一にする)
- 最後まで使い切る前に充電を行う。(過放電防止)
- 使い切った状態で放置しない。(過放電防止)
- 充電完了後、すぐに再充電はしない。(過充電防止)
- 高温・多湿な場所で保管しない。
- エネロング電池が充電や大容量放電により高温になっている場合は、使用を控え、正常な温度になってから使用する。