自宅で過ごす時間が増えると、自分のこだわりや好きなモノの輪郭がくっきりと浮かんできます。 たとえ小さなアイテムであったとしても、その存在は、共に過ごす時間を上質なものへと変えてくれます。そんな、革小物たちをご紹介します。
季節は移り変わるからこそ美しい。変化をすることは美しいこと、それは成長し、変化を愉しめるタンニン鞣し革の性格にとてもよく似ています。
機能性や道具として捉えられることの多いバッグや革小物ですが、ともに時を重ねていく「相棒」になれる存在だとしたらどうでしょう。きっと、選び方や見え方がぐっと変わってくるはずです。
そんなバッグをはじめとしたgentenの革製品は、時が経つほどに味わいが増してゆくのが特徴です。同じバッグでも、お客様によって表情は大きく変わり、風味も大きく異なります。
お持ちの愛用品もバッグ本体にその“個性“が現われ、お手入れとお修理を重ねることで、その方になじんだたったひとつのバッグへと変化を⾒せてゆきます。
道具として手に入れたバッグがいつしか道具以上の存在に。
変化するということは、成長を実感・体感することでもあります。
美しく歳を重ねることを慈しむように、愛着をもってより大切にすることの愉しさ、豊かさを感じていただけたら幸いです。
gentenの製品は、革を愛する職人が長く愛用していただきたいという想いを込めて、手作りで製品を生み出しています。それだけにお手入れやお修理への想いも強く、業界の常識では考えられないくらいの手間暇と向き合っています。
gentenでは東京・市ヶ谷の店舗に「修理工房」を併設して、その専門性を活かして一つひとつ丁寧に対応することを心がけています。
型や縫製、ファスナーなどのパーツにいたるまでどのような工程を経て作られたものか、その製品のストーリーまでも熟知した職人の巧みな技術で新たな命を吹き込みます。
gentenの修理工房を利用されているお客様の中には、親子二代にわたって愛用しているという方も。
「私たちが行う修理は、同じ業界の方も驚くほどの多くの手間暇をかけて向き合っています。例えば縫製は、通常はミシンをどんどんかけて行うのがスピーディで効率がよいのですが、縫い目の風味や個性を活かすために一針ずつゆっくりミシンをかける、あるいは手縫いを選択することが多いです。また、もっとも難易度の高いといわれる裏地交換の相談をいただくと、そこまで愛用していただけたのだと喜びが湧き、修理にも力が入ります。」(修理工房スタッフ)
「一針一針の手仕事が、愛用品の味わいとこれからも長くお使いいただけるものづくりへ繋がると私たち修理スタッフは考えています。ステッチ(縫い目)修理には「針穴を合わせる」という作業があり、これが最も気を配る技法です。針穴をきれいに合わせるためのピンなどの道具は、職人自らが試行錯誤を重ねて納得のいくものに改良するなど、日々工夫しています。」 「手縫いではなくミシンを使った縫製の場合も、たくさんの種類の針を準備し、すでに空いている針穴を傷つけないよう適したものを都度選んで作業に臨んでいます。どの修理工程も、製品を愛用いただいているお客様と向き合う熟練の職人の思いが込められています。」(修理工房スタッフ)
2021年が幕を開けました。
さまざまな価値観がめまぐるしく変容していくなか、これからますます求められるのは長く愛することのできる「こと」や「もの」への取り組みです。
近年さまざまな場面で用いられる「エシカル」は、直訳すると「倫理的、道徳上の」という意味ですが、具体的には環境や社会問題に配慮した取り組みのことです。
手ごろな料金で簡単に手に入ることはうれしいことですが、その背景にある大量生産・大量消費の問題を知って意識を変えていくことが、エシカルの第一歩です。
同じチャの50番で作られたバッグたち。持ち主と歩んだ年月にそれぞれのストーリーがかぎりある資源を大切に使うのがgentenの理念。 次の時代へのバトンをつなげるために、自然環境にも暮らしにも心地の良い選択をしてみませんか。