おだやかさや力強さ、手のひらに伝わるぬくもり。革というクラシカルな天然素材が、現代においても私たちを魅了するのはなぜでしょうか。
あなたは、どんな個性に感性を揺さぶられますか。
ただの素材ではない、個性あるものとして革の魅力にせまります。
革とひとことで言っても、さまざまな種類があり個性豊か。
今回は、gentenのプロダクトで使用している代表的な革の特徴をご紹介します。
※革の名称にあるカッコ内はgentenの代表シリーズ名です。
※gentenの定番の牛革素材は2種類あり、それぞれの表面の加工が異なります。
【牛革(ミネルヴァ)】
表面感:油分を多く含んだ、しっとりとした大シボ面
柔軟性:厚めながら比較的柔軟
【牛革(アマーノ)】
表面感:油分を多く含んだ、しっとりとしたスムース革
柔軟性:厚めで比較的硬く、骨張りがある
【山羊革(ゴートベーシック)】
表面感:弾力がある山羊革特有のつぶシボ
柔軟性:やや薄めで緻密なしなやかさ
【水牛の革(タスカ)】
表面感:ドライなタッチでやや厚め。大シボから小シボまでランダム面
柔軟性:比較的薄めで緻密なしなやかさ
【豚革(バッグ・財布・付属使い)】
表面感:ドライなタッチで、独特な三つ穴模様
柔軟性:薄め。非常にペーパーライクな張りと硬さ
【ヘビ革(パイソン5)】
表面感:やや油分を多く含んだ、しっとりとしたウロコ面
柔軟性:非常に薄め。柔らかく、極めてしなやか
【仔牛革(ピアチェーレ)】
表面感:ややドライ(パウダリー)なタッチの、きめの細かな平滑面
柔軟性:比較的薄め。若干ペーパーライクな張りと緻密なしなやかさ
【羊革】
表面感:羊(ヘアシープ)特有のふくらみのあるスムース革
柔軟性:比較的薄め。非常に柔らかく、しなやか
【ラクダ革】
表面感:ややドライなタッチのきめの粗いスムース革
柔軟性:中厚・緻密で、やや骨張りがある
【トカゲ革】
表面感:非常に細かな彫りが特有のスムース革
柔軟性:非常に薄め。ペーパーライクな張りと硬さ
【馬革】
表面感:油分を含んだややふくらみのある、しっとりとしたスムース革
柔軟性:中厚で緻密なしなやかさがある
【鹿革】
表面感:非常に弾力があり、鹿特有のふくらみのある大シボ革
柔軟性:厚めでやわらかく、しなやか
牛革で2種お伝えしたように、素材を作る工程で、革の表面に加工を施すことで、シボがあるように仕上げたり、スムースに仕上げたりしていきます。これにより革に凹凸やスムース、フラットといった表情が生まれます。
ご覧いただいたように、革には多彩な種類がありますが、gentenでは、畜産の副産物として生産されたものをはじめ、害獣駆除された動物の革を扱っています。その根底にあるのは、「いのちを余すことなく活用したい」という想いです。
バッグに仕立てる前の牛革を手にすると、キズや虫刺されの跡、血筋などがあります。これらは動物が生きてきた時間の体験が記録されているものです。いわば、その動物が生きていた証であり、天然素材ならではのもの。gentenでは、これらを個性や味わいとして、ありのままの姿を受け入れてものづくりをしています。
皮から革へと加工する鞣しの工程では、植物タンニンで鞣した革を主に採用しています。タンニンとは渋のことですが、不思議なことにタンニンには動物の皮のコラーゲン繊維をぎゅっと収縮させる力があります。この力によってタンニンで鞣した革は丈夫に引き締まりハリやコシが生まれます。
植物タンニン鞣しの革は、気候や湿度に合わせて、まるで呼吸をするように水分を吸ったり逃したりして自らを最適な状態に保ち、また、経年と共に色艶を美しく変えてゆきます。
あなたがバッグを手にしてからも表情は刻々と変わり、あなただけのバッグへと育ちます。この経年変化も革の大きな魅力です。
個性豊かな天然素材である革。たとえ同じ型・色のバッグであったとして、同じものは二つとありません。あなたが手にした、ただ一つだけのもの。それぞれの革の個性をより深く知ることで、さらに愛着が深まるに違いありません。