エシカル



自然派生ならではの優美な革
~エシカルなものづくり



いつもそばに寄り添ってくれるレザーバッグ。
時を重ね、一緒にいるほどに、色の深みや味わいが増して、世界でひとつだけのパートナーに育ってくれる。
これは流行とは別次元の楽しみ。人に見せるためのものではなく、いつでも心を癒してくれる、自分自身のためのもの。

人生のパートナーとして選ぶものは、つくり手の愛情に溢れ、じっくりと作られた革がいい。自分の五感と共鳴するものがいい。

gentenでは、スタイルコンシャスな女性にご納得いただけるように、世界最高峰の職人たちがつくりあげる革を選んでいます。
1000年以上前から続くイタリアの伝統技術を使った上質な革。時間はかかれど、どこまでもナチュラル志向でエシカルなものづくりです。
今回はブランドの核心ともいえるgentenの「革」について紐解いてゆきます。



自然の素材にこだわり
ゆっくり作り出す革の美学


gentenの革のほとんどは、歴史深いイタリアのトスカーナ地方にある名門タンナーによって、時間をたっぷり使い、
情熱を一心に注がれたものばかりです。

1000年以上前から続く革の伝統技術があり、植物の樹液から摘出するシブ、いわゆるタンニン材によって皮をなめす手法をとります。

この「なめす」とは、皮を革にする工程のこと。皮をそのまま使用すると腐敗してボロボロになってしまうため、
タンニン材という液体に皮を浸して作ること。さまざまな動物の皮に対して適したタンニン材を調合してなめし、「革」にします。

遠い昔から使われてきた技法のため、自然の力と人の手でゆっくり丁寧に作られるものです。一概には言えませんが、早くて2ヶ月、
長いもので1年を要します。

これに対して、現代で多く見られるなめし方は、タンニン材を使わないクロム材や重金属を用いたもの。これは合理的で1〜2週間など
短時間で作られるため大量生産に向いており、この手法で作られたクロムレザーが現在の主流となっています。



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gentenが使っているタンニンレザーは時代と逆行した昔からの手法です。現代のスピード社会においては“えっちらおっちら”という感覚。
例えば革を乾燥させるのにも、乾燥室に入れるのではなく、自然乾燥させます。そのため天候や気候に左右されることもしばしば。
乾季であれば2ヶ月でできるものが、湿気が多い季節には2ヶ月半かかるということも。

それでもgentenは仕上がりに対して「革本来の自然でのびやかな艶」や「使ううちに滲み出る経年変化の美しさ」は断然タンニンレザーが優ると考えます。

自然と共に生きていくという視点で、gentenはゆっくりと落ち着いた環境で作られるもの、
そして最終的には土に還るものを選び続けていきたいのです。



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gentenが共鳴する
イタリア伝統の革づくり



タンニンなめしの革作りとして世界最高峰の技術を誇るイタリアのフィレンツェ郊外にあるトスカーナ地方。
古来から革のなめし屋、タンナーが集まる地域でタンナーズエリアと呼ばれ、特に「メイド イン マルケ」とよく耳にするように
マルケ地方は靴やバッグなど革産業が発展してきた場所です。


このエリアで名門中の名門と呼ばれる「バダラッシ・カルロ社」の革をgentenでは使用しています。イタリアにあるタンニンレザー協会を牽引している会社のひとつで、特に多量の牛脂を使い、時間をかけて革をなめしていく1000年前の手法、バケッタ製法を蘇らせました。
原皮の多くは仏ノルマンディ、ブルターニュ産の最高品質であり、もちろん肉牛の副産物を使用しています。



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各タンナーではそれぞれお家芸のように秘伝の革の作り方、レシピがあります。
タンニン材と言っても代表的なものが4種類ほどあり、それぞれ調合率や配合率、熱をいつ加えるか、どの程度寝かせるかなど、
タンナーによって個性が違います。

ここバダラッシ・カルロ社は油の調合技術に関して秘伝の技があり、牛革をなめす際に牛の足から豊富にとれる良質な乳白色の油「牛脚脂」をふんだんに使います。
一般的に、タンナーは科学的に合成調合を主体とした油を使いますが、ここはナチュラルオイルにこだわり抜きます。

結果、革自体のしなやかさの維持が抜群に美しく、経年変化も抜群に綺麗なものが創りだされるのです。



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バダラッシ・カルロ社のシモーネ氏が会社の壁面に描いた敬愛する職人たち。

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バダラッシ・カルロ社と出会ったのは、gentenの創始者が「環境とエコロジーとファッション」をテーマにブランドを立ち上げたいと
い、フィレンツェでその美しい革を見て共鳴し、感動を覚えたことから始まります。

それは単に革が良いから、ということだけでなく総括するその精神や哲学に深く共感しました。バダラッシ・カルロ社の社長シモーネ氏はアーティストでもあり、絵を描くことを趣味とし、暇さえあれば常に持ち運ぶメモ帳に描きます。

一本の線から生まれる趣きや品格。絵に対して、言葉にするのは野暮であり、見た人が五感で感じたものが全て。それは、革作りにも
共通しており、説明するよりも、見たときの感覚や価値観を大切にしてほしいという想いに溢れています。

昔ながらのスローで丁寧な革作り。情熱を注ぎ、最高品質のものを生み出す。自分たちが納得できるものしか提供しない。
その技術の高さから世界的なハイブランドなどからも声をかけられますが、納期が短いなど独自の美学と異なる場合は、容赦なく突き返すことも。
gentenのものづくりに対する哲学も、これらの熱く真摯なものづくりの精神と共鳴しているのです。



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gentenが惚れ込んだ
レザーの代表格



gentenで使用する革で代表的なものはバダラッシ・カルロ社で作られたミネルヴァボックスとミネルヴァリスシオです。

ミネルヴァボックスは、牛の肩まわりの皮を使用し、イタリア職人の手で幻のバケッタ製法でつくられ、独特の“シボ”が印象的です。
たっぷりと自然由来の牛脚脂を使い、時間をかけて馴染ませることでしっとりとした柔らかい質感を生み出します。定番バッグの
「トスカ」にも使用されています。

もう一方のミネルヴァリスシオは、シボのないスムースレザーで、こちらも植物性のタンニンを使い、丁寧に作り上げたものです。
創設時から人気の「アマーノ」に使われています。


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gentenを語るにふさわしい2つの代表素材。シボが印象的なミネルヴァボックスと、プレーンなミネルヴァリスシオ。バダラッシ・カルロ社のマスターピースだ。

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gentenではどんな素材を選ぶときでも、環境に配慮されてつくられているか、人の手による素材の魅力が備わっているかを、五感を通して選別しています。

―より良い選択、より良い消費。
ファッションの大量生産・大量消費が及ぼす環境問題は年々深刻化しています。世界では1年間に約800億枚の衣類が購入され、
その着用回数は平均1着あたり7回という調査結果があります。飽きられた衣類は捨てられるのですが、ほとんどが化学繊維を含み、
焼却すれば有害物質が発生し、埋め立て処分されても生分解されないことが分かっています。※

自然を壊してまで手に入れようとする「欲」は留まるところを知りません。

「欲」であふれかえった地球は、その姿を変えようとしています。地表の気温は年々上昇し、気候風土を変化させ、いよいよ私たちの
暮らしにも影響が出てきました。世界規模で警鐘が鳴らされ、もう他人事ではなくなりました。

私たちは、自分の幸せ、世の中の幸せを願うからこそ、自分たちが育った景色を子どもたち、その子どもたちへとつないでいくために、「今」確かなものを選ぶことが必要だと考えています。

自然を敬い、限られた資源を大切に、大切に、植物タンニンなめしという方法を選び、長く愛着をもっていただけるものづくりを目指す。それがgentenのエシカルなものづくり、原点です。


※出典 THE WALL STREET JOURNAL“The High Price of Fast Fashion” By Dana Thomas Aug.29.2019


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パーツに光るgentenの理念





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