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【2021春夏】装いに春を呼び込む
「トゥリパーノ」

土の中から顔を出したつややかな球根植物の芽に、生命のエネルギーと春の到来を感じる季節。冬の間、まるで眠っているかのように見えた球根は、土の中で少しずつ根を伸ばしながら新しい季節のための準備をしていました。

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チューリップは、温かい土の中では根がうまく育たず、冬の寒さに耐えて芽を出した球根だけが立派に花を咲かせるのだそうです。そのたくましく美しい生命の力に勇気づけられる人は多くいるのではないでしょうか。

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富山の花、チューリップ。
その姿に生命の尊さを感じて

gentenの2021年春夏コレクションでは富山県をモチーフにしたシリーズが登場します。今回の「トゥリパーノ」もその一つ。

「トゥリパーノ」は、伊語でチューリップの意味です。富山県は、大正時代の初期からチューリップの栽培が盛んな地であり、チューリップを県花としています。稲作農家が雪の降り積もる冬に、何かできないかと知恵を絞ったのがそのはじまり。
今では、砺波平野(となみへいや)をはじめ、県内のいたるところでチューリップ畑を目にすることができます。この美しい風景から着想し、繊細なカットワークは生まれました。

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チューリップ畑の間には、富山に広がる立山連峰の「山々」とチューリップの「球根」のモチーフを忍ばせて。
命を育む大地の象徴「山」と生命の源である「球根」。単にモチーフとしてではなく、「命の尊さと、それを育む豊かな自然に感謝し、大切にしていきたい」という想いを込めて、この模様を描きました。

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手間ひまをかけて生み出される景色。
職人の根気強さに支えられた“美”

gentenが長年積み重ねてきたカットワークの技と経験を生かして、トゥリパーノの模様は生み出されています。
一般的に繊細な柄を抜く加工にはオートのレーザー技術を採用することが多い昨今ですが、gentenのカットワークはすべて手仕事。gentenの2021年春夏コレクションでは富山県をモチーフにしたシリーズが登場します。今回の「トゥリパーノ」もその一つ。

それは、バケッタレザーという素材が持つ特性と無縁ではありません。昔ながらの製法で鞣し、天然の脂をたっぷり含むバケッタレザーは、レーザーのような高熱を当てると、熱によって焦げてしまいます。昔ながらの素材は、古くから変わることのない手仕事と相性が良いのかもしれません。
昔ながらのものが持つ、味わい深さ。その価値をgentenは大切に考えています。

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トゥリパーノで使用している抜き型。この小さな型を使って、革に柄を何度も繰り返し抜いて、一つの柄を完成させます。

今回、繊細な模様を表現するのに、型をつくるところから、非常に苦労しました。柄の細かさから型作りにも通常の1.5倍の時間がかかった上、繰り返し革を抜いているうちに何度も型が壊れてしまうハプニングの連続でした。それでも、タイの職人たちは根気強く作り続け、ようやく完成に至ることができました。

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カットワーク作業は型で抜いた後に革が残ってしまうことも。
すべての製品を一つひとつ目で確認し、残った革は手作業で丁寧に取り除いています。

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タイの職人たちは、30年近くさまざまなカットワークを手掛けていますが、トゥリパーノほど細かいカットワークは初めて。長い道のりの末、仕上がったときの喜びはひとしお。トゥリパーノを手にする職人の表情には笑みがこぼれています。

カットワーク以外にもチューリップのモチーフが散りばめられています。

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可愛らしいチューリップのチャーム。一つひとつ手づくりで、革の裏面やコバを丁寧に磨き、手縫いで仕上げています。

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バッグのサイド部分やトートバッグ(大)の背面に付けたポケットにも、花びらをイメージしたカッティング。このようなディテールが、全体に漂うやさしい印象につながっているのかもしれません。

カットワークをはじめとした、このような仕立ては、とてもたくさんの手間と時間がかかっています。革に惜しみない愛情を注ぎ、手仕事ならではの温もりを込めて。
大切に育てた我が子が巣立っていくような想いで、私たちはお客様にプロダクトをお届けしています。

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写真の左から順に ショルダーバッグ43,000円(税別)トートバッグ(小)48,000円(税別)トートバッグ(大)62,000円(税別)

やわらかいフォルムと
春夏の日差しに映える色合い

トゥリパーノではバッグと小物をご用意しています。
バッグは3型、2色の展開です。

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どの型も上に向かって広がる、口元がオープンタイプの形です。底面が楕円形になっているのでカチッとし過ぎず、全体のフォルムがやわらか。ハンドルは、バッグの底面から伸びているつくりで荷物をしっかり支えます。

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色は3型とも、ノウチャとアイボリーの2色をご用意しています。

今回、色に合わせて、素材を使い分けました。
ノウチャ(写真左)の素材には、素朴な印象で、表情豊かなシボがしっとりとやわらかく手に馴染むミネルバボックスを使用。大地をイメージした深いブラウンは、今年らしいくすみカラーを取り入れた装いにもよく合います。

アイボリー(写真右)の素材には、ハリがありながらも滑らかな質感を持つ、上品な印象のミネルバリスシオを選択。軽やかで明るい印象のアイボリーは、日ごとに暖かさが増してゆくこれからの季節にぴったり。

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トートバッグ(大)62,000円(税別)。モデルの身長は161cmです。

春夏の装いを
軽快な印象に

トートバッグ(大)は、内側に生地を合わせた仕立てです。A4のハードファイルもすっぽり収まる、ゆったりとしたサイズ感。マルシェバッグ風のシルエットが軽快な印象を与えてくれます。

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トートバッグ(小) 48,000円(税別)

トートバッグ(小)は、裏地なしの軽快な仕立てでカットワークの透け感が楽しめるつくり。巾着型のインナーバッグを付属しています。インナーバッグの代わりにお手持ちの大判スカーフなど色味があるものを使っても、また違った表情が楽しめます。
ハンドルを少し長めにしていますので、袖のデザインを選ばず肩掛けしてお使いいただけます。

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ショルダーバッグ 43,000円(税別)

ショルダーバッグは、斜め掛けもできるタイプ。ベルトを短くすればワンショルダーとしてもお使いいただけます。こちらにも巾着型のインナーバッグを付けました。

カットワークの陰影が涼し気な印象のバッグたち。春夏の装いにさらっと合わせることができます。

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左上から時計回りに、口金長財布 29,000円(税別)パスケース 8,500円(税別)ラウンドファスナー長財布26,000円(税別)二つ折り財布18,000円(税別)

手元に愛らしい花が咲く
カラーリングに心弾む小物

小物は4型、3色の展開です。

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カラーは上から順にアイボリー、レッド、イエロー。チューリップの花畑をイメージしたデザインで、心まで浮き立つようなカラーリング。構想段階で何色もの色紙を組み合わせて試し、辿り着いた色合いです。

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柄の下のパッチワークの革を製作している様子(写真左)。完成した革(写真右)。

カットワークの革の下に異なる色の革を重ねた凝ったつくり。模様からカラフルな色がのぞき、色と色のコントラストが素敵なハーモニーを奏でます。こちらもタイの職人による細かな手仕事の賜物です。

素材は、口金長財布は丸みのあるフォルムを生かすミネルバボックスを使用。その他の3型は、滑らかな質感のミネルバリスシオを選びました。内側はすべてやわらかなカーフ(生後6カ月以内の仔牛の革)を使用しています。

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口金長財布は、大きく開き、中身がひと目で見渡せるのが特徴。センター部分の小銭入れスペースも含めて、内装にファスナーなどの金具を使わないシンプルなつくりです。
口金長財布は、どのカラーも内装にはチャを採用しています。

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ラウンドファスナーの長財布は、カードポケットもたっぷり備えて、頼りになる収納力。アイボリーの内装には、軽やかな明るめのイエローを合わせています。

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二つ折り財布は、ボックス型の小銭入れスペースが使い勝手良く、札入れスペースには仕切り付き。レッドの内装には、愛らしいサーモンピンクを合わせました。

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イエローの内装には、明るめのイエローを合わせています。金運を呼び込むような明るい色合いに。

大地に広がるチューリップをカットワークで描いた「トゥリパーノ」。軽やかな透け感と明るいカラーリングが、装いにひと足早い春を呼び込みます。

■トゥリパーノのお手入れについて■

ミネルバリスシオもミネルバボックスも天然のオイルをたっぷりと含んだ上質な革です。愛着を持って使い続けることでオイルが染み出てきて表面を保護する役割をしてくれます。 革の天敵は高温多湿と乾燥です。特に乾燥は革の強度を弱くしてしまいます。カットワークで抜かれた革は空気に触れる面が多くなる分、通常の革よりも乾燥しやすくなります。時々、目を配り、クリームなどで表面を保護することで、より長く愛用いただけます。

トゥリパーノは、店頭でも楽天公式ショップでも3/3(水)の販売開始予定です。