巻末

日本語版の刊行によせて
土井 聡(源気商會代表)

私の古い友人でもあるドイツ在住のユージェル氏から、この書籍の日本での出版への協力を打診されたのが2011年の事であり、それを契機に私はネットショップをたちあげて「クリスタル岩塩」の販売を始めました。それからすでに5年もの歳月が過ぎてしまったことに、もう少し早く出版できていればという軽い悔恨と、よくここまで持ったものだという感慨の両方を感じています。当時、クリスタル岩塩を知る人は日本ではほとんどおらず、私自身が販売業の経験がなかったため多くの苦戦を強いられました。

しかし、クリスタル岩塩を試していただいたお客様から、「今まで食べた塩の中で一番おいしい」「塩の概念が変わった。」などいう感想を徐々にいただくようになり、今では健康食品の原料に使っていただいたり、有名店での販売や、メディアでのご紹介もいただけるようになりました。そこでの多くは「美味しいお塩」という評価ですが、この書籍が刊行されることにより、健康増進を手助けするお塩としての認識がプラスされることを期待しています。

世界には様々のお塩があり、それぞれに個性や特徴があることもこの5年で学びました。万能なお塩はないとも感じています。そのうえで、上質なお塩というものは存在し、そのカテゴリーの中にクリスタル岩塩は間違いなく入っているという確信をもっています。

ユージェル氏は医師ではありません。社会学者であり、人生のアーティストともいうような人間です。この「塩と水」というテーマも主に彼の社会学者としての視点から書かれており、医学的記述に関しては彼が独自に様々な文献や情報を調査して書き上げています。

彼の医学批判や説明に眉を曇らす読書の方もいらっしゃるかとは思います。ただ、私自身もこの書籍を元にクリスタル岩塩を使い続け、このお塩を知っていただい友人知人、そしてお客様からいただく感想に接すると、推薦文を寄せていただきました小松医師がおっしゃるように「感覚的には正しい」という思いでこの書籍の刊行に関わらせていただきました。まだまだ「塩と水」に関する真実は解き明かされてはおらず、この書籍が小さな契機となって、塩と水への関心が高まり、現実として元気になったり、健康になる読者をもつことができればこれ以上の幸せはないと感じています。

生涯の友人であるユージェル家の皆さんに感謝するはもとより、トルコ語の翻訳を行っていただきました齋藤いづみ様、出版を決断いただいた、ひかるらんどの小暮編集長、推薦文を寄せていただきました小松医師に心より感謝を申し上げます。
また20011年に起業した私を、苦労を共にし支えてくれた妻と家族にこの本を捧げます。

源気商會 代表 土井 聡