●アレルギーとカルシウム せっかく外敵を退治するシステムが整っていても、それが大げさになりすぎたために、かえって余分な反応がお きてしまうのがアレルギーです。つまり、アレルギーはデリケートな人の体を守るための防御反応が過剰に働い たものであり、その代表選手が喘息やアトピー性皮膚炎なのです。体内でのカルシウムイオン(アルカリ不足) の減少が過剰防御反応を引き起こす原因の1つになっています。 ●免疫とカルシウム
細胞の中にはカルシウムがほとんど存在しません。それを取り巻く血液の中には細胞の中の10000倍のカルシ ウムがあります。細胞にはそれぞれ与えられた役割があり、各々の役割が果たせなくなると、様々な支障をきた します。そして、細胞が正常な働きをするためには、細胞への情報伝達が必要なのです。 細胞中にカルシウムがほとんどない状態だから、情報伝達物質であるカルシウムに対して迅速に反応することが できるのです。もしも、カルシウムの摂り方が不足して、副甲状腺ホルモンがたくさん出てくると、免疫細胞の中に もカルシウムがたくさん入ってしまって、細胞の中と外の差が少なくなり、情報をキャッチする力が弱くなってしまい ます。時には混信が起こって誤った情報が伝えられることもあります。 アレルギーは免疫と裏表で、外からの異物に立ち向かって、これを排除するはずの免疫細胞やその作る抗 体が強く反応しすぎて有害なことを起こすのです。 ペニシリンショックは有名な例で、抗原と抗体の反応が、気管支のけいれんを起こし、生命の危険を起こすことも あります。自己免疫疾患というのは、免疫細胞の間の情報交換がうまく行かなくて、異物と間違えて自分自身の 細胞を攻撃してしまうことです。 慢性関節リウマチ、SLE(全身性エリテマトーデス)、血管炎など、いろいろな病気がこうして起こります。細胞の中 でカルシウムが増えてしまって元に戻らないカルシウムパラドックスが、免疫細胞の間の情報交換を妨げ、混乱を 起こすのです。 あってはならないことが自己免疫病です。細胞の中のカルシウムがさらに増えてくると、情報はますます混乱して、 生活できなくなり、細胞自身が消えてしまうこともあります。エイズが恐ろしいのはT細胞という免疫細胞がウイルス のため死滅してしまうためで、免疫不全の有名な例といえます。 免疫細胞が死ぬ時には必ず細胞の中のカルシウムが増えてきます。細胞の中でカルシウムが増えることは、細胞 死の最終共通経路と言われています。 カルシウムの欠乏が細胞の中のカルシウムを増やすというカルシウムパラドックスは細胞の生命にとって、大きな 危機です。カルシウムを充分に摂っていれば、よぶんな副甲状腺ホルモンも出る必要がなく、免疫細胞の中にも カルシウムが増えることがなく、感染に対する抵抗力が保たれます。 身体の中にあるカルシウムの99%は骨や歯として、文字通り身体の骨組みとなり、残りの1%は血液や細胞の 中にイオンや種々の塩として存在しています。血液中のカルシウムは、甲状腺ホルモンをはじめとするカルシウム 調整ホルモンによって、血中濃度が常に一定に保たれています。血中のカルシウムはマグネシウムとともに細胞 に付随して安定した状態を保たせています。 カルシウムが不足すると細胞が不安定な状態になるため、安定した状態に戻ろうと防衛反応を起こします。 その防衛反応が、細胞の興奮状態を引き起こしてイライラするのです。 そのほか広い意味で生理機能全てに関係しているカルシウム。細胞の分化や内分泌・外分泌、血液の凝固な ど、数多くの場面でそのチカラを発揮している重要なミネラルなのです。 それにもかかわらず、われわれ日本人は慢性的にカルシウム不足の人が多いこと、みなさんはご存知だったで しょうか? 細菌を撃退する免疫細菌は、まずカルシウムの出す情報によってその機能を発揮します。ところが、口から摂る カルシウムが不足して副甲状腺ホルモンが出てくると、免疫細胞の中に余分なカルシウムが侵入して、正しい情 報が伝わらなくなりカルシウムパラドックスがおこります。 その結果、免疫細胞は入ってきた病原菌をチームを組んで抗体で破壊することができなくなります。また、病原 菌を直接食べて処分してしまう「食細胞」なども正常に働けなくなってしまいます。 スカイカルシウムはこちらへ |