スズランの育て方
「欲しいな~と思うけど、花屋さんであんまり見かけないし、どこに売ってるの?」と、良くお声をいただくスズラン。
あの香りをまた楽しみたい!と懐かしむ方も多いようです。
そんなスズランですが、漢字で書くと「鈴蘭」鈴なりに花が咲く蘭のようなお花をイメージしたんでしょうか。
純白の白い花は可憐で可愛いですよね!
そして、香りも同時に楽しめるお花ですので、是非とも毎年咲かせていただきたいと思っております!
育て方をご参考に、コツをつかんで毎年楽しんでくださいね!
<置き場所>
スズランをダメにしてしまう方のほとんどが、置き場所が良くなかったという例がいっぱいあります。
良くあるのは、香りがイイから室内。そして、もう一つが、とりあえず日向に置いていた。これ、実はタブーなんです。
クリスマスローズと同じ置き場所。福寿草と同じ置き場所。こんな場所が良いです。
冬は日向、夏は日陰になるような場所。落葉樹があるような場所に自生しているのがスズランなんです。
例えば、森の中の池の周りの斜面とか、そんな場所です。でも、家にはそんな場所はありませんし、マンションだったらなおの事。
だからこそ、鉢植えで作っているんですよ!移動ができる鉢植えならではの置き場所をお伝えします!
春から開花して、花が終わるまでは、日当たりの良い戸外に置いてください。
室内は絶対NGです。南向きが東向きの場所が良いです。
花が終わったら、梅雨に入ります。梅雨時期くらいから、できるだけ東向きか北向きに移動させます。
移動できない場合は、強い日差しを遮れるように、遮光ネットか、壁際に寄せて、日陰っぽいものを作ってあげると良いです。
夏の日差しが和らぐ9月下旬頃からは、また日に当てると良いです。
冬は全開に陽があたっても大丈夫です!そのまま翌年の開花に備えていくイメージでOKです!
<水やり>
スズランは池の淵なんかにも咲く宿根草です。
毎年咲いてくれるんですが、水やりひとつで枯れたり良く咲いたりしますので、水やりのコツをつかんでくださいね!!
基本的には鉢が大きいので、乾いたらたっぷりと与えるイメージでOKです。
スズランはお水が好きだからと言って、ジャブジャブ与えてしまうと、根腐れの原因になってしまうので、与えすぎに注意してください。
花が咲く時期は、水の吸い上げも良いので、比較的乾くのが早くなると思います。
土を触って湿り具合を確認したり、鉢を持ち上げて重さで鉢の中の水分量を確認すると良いです。
また、夏場は水枯れするからと言って与えすぎてしまうと、高温多湿で根腐れしてしまいます。
涼しい風通しの良い場所で、コンクリートの上に直接置かず、スノコや発泡スチロールなどを置いて、
根っこが熱くなりすぎないようにしながら、夜間にあげると良いです。
冬場はあまり水は必要ありませんので、12月くらいからは10日に一度とか、それくらいで十分です。
半月に一度でもいいくらいなので、気づいたら程度にしてください。
水やりが不安・・・。
という方は、
植物の水分計を使用すると便利ですよ!
<肥料>
スズランは肥料が好きだと思って、あげ過ぎて枯らしたりする人が後を絶ちません。
実は肥料はあまり必要としないお花の一つです。
やせた土地に根を張り、毎年咲いてくれる強い花なんですよ!
なので、肥料を与えるのは、年間1ヶ月ほどです。
それも、花が終わった後の1ヶ月間だけ。
まずは、花が終わったら、花がついている茎(花茎と呼びます)の根元から切っていただいて、葉っぱだけ残るようにしてください。
この葉っぱがとても重要で、翌年咲かせるための栄養を蓄える役割を果たします。
葉だけの状態になったら、プロが使う基本肥料を与えます。
簡単ですが、たったこれだけです。不安になるかもしれませんが、それだけで大丈夫。
どうしても、もっとあげたい!という人は、春、芽吹いてきたときに、パラパラっと少しだけあげてください。
ちなみに、肥料は少なめのほうが香りが強くなりますよ!
<株分け・地植え>
今回お届けのひと鉢は、大株を植えこんでいるわけではないので、当然、成長してくると鉢が根に対して小さくなってきます。
2年目くらいまでは今の鉢でも良いのですが、3年目は流石に植え替えない状態になります。
植え替えなくても花は咲きますが、花付きが悪くなったりしますので、ふた回り大きな鉢(直径34センチ~36センチ程度)にそのまま植え替えをオススメします。
鉢の数を増やしたいという方は、株分けという方法を取ります。難しそうに感じますが、実はとても簡単です。
例えば、お届けした株を2つに分けたいときは10号(直径30センチ)の鉢に、3つなら8号(直径24センチ)の鉢に植え付けます。
植え方と分け方はとても簡単で、思い切ってハサミで根っこごと真っ二つに切る!それだけです。
特に注意する点はないのですが、土が邪魔で切れないこともあるので、ある程度土は落としてしまって、根だけの状態にしてもOKですので、興味のある方はチャレンジしてくださいね!
植え替えも株分けも、適期があります。スズランが眠っている2月~3月中旬までが良いです。
その際、あまりに寒風に根をあててしまうと弱るので、室内でやったほうが安心です。
でも、家の中が土で汚れてしまうのが嫌な方は、暖かい時間帯にやるといいですね!
<翌年咲かせるテクニック>
放置していても良く育つスズランですが、1つだけ嫌いな状況があります。
これは、スズランの生死にかかわる状況なので、ここだけは押さえてね!というポイントをお伝えしますね!
実は、夏の高温多湿が、かなり苦手なんです。
枯らしてしまう多くの方が、夏の過ごさせ方を間違ってしまったケースが多いです。
もともと、高冷地の山に自生する植物なので、暑さと過湿に弱いんですね。
でも、上手に夏越しができれば、毎年咲いてくれますので、ぜひ頑張ってみてください。
まず、鉢を風通しの良い日陰に移動させます。そんな場所が無い方は、スノコと遮光ネットもしくは、陽を遮ることができる壁際などに移動させてください。
スノコは、照り返しを防ぐのと、鉢の中が熱くならないようにする意味合い、そして、鉢底からも風が通るようにしたいためです。
「扇風機を人間に当て続けると、低体温になって具合が悪くなる」トリビアがありましたが、風ってかなり温度を下げてくれるんです。
なので、空気が動く場所があると良いです。熱風でも良いので風はとても大切です。
もしも、どうしてもそういう環境が作れない場合には、クーラーの効いた室内の窓際がベストです。
実は人間が居心地が良い場所っていうのは、植物も居心地が良いんです。
風の動きはクーラーが作ってくれますので、窓際でレースのカーテンがあると最高です。
観葉植物を育てるように、窓際では暑すぎると感じたら、室内の中央あたりに移動させてください。
そして、夏場の水やりですが、たっぷり与えないことがポイントです。コップ2杯くらいのお水をマメにあげるのが良いです。
日陰とはいえ、室内とはいえ、そこは真夏。水の乾きも早いですので、土を触ったり、鉢を持ち上げながら水の量を確認して、乾いたら与えるようにしてください。
これで、見事夏越しが成功できれば、翌年もしっかり咲いてくれます!
葉が枯れるのは秋~冬です。葉っぱが夏場も元気であれば、上手に夏越しできたということになります!
がんばってやってみてくださいね!
ではでは、最後までお読みいただきありがとうございました!
スズランを毎年咲かせて、楽しんでいただければと思います!
お届けまで今しばらくお待ちくださいね!ありがとうございました!