■アングーラの遊び■
アングーラは25mm基尺の積木です。
まずは25mm角の立方体をご想像ください。
これからご説明することは現実の製作工程ではなく、あくまでもアングーラの基本的な考え方ですので予めご了承ください。
25mm角立方体の一つの辺を中心として隣り合う面にそれぞれ25mm角の立方体を取り付けます。すると
1.外辺 50mm、内辺 25mm、厚み25mmのL字型パーツ
ができます。
1のL字型パーツの各先端にさらに25mm角の立方体を取り付けると
2.外辺 75mm、内辺 50mm、厚み25mmのL字型パーツ
ができます。
これを繰り返すと
外辺100潤オ225mm、内辺 75潤オ200mm、厚み25mmのL字型パーツが6パーツ、
合計9パーツができあがります。
『225mmの板から切り出したんじゃないの?』
って思われるかもしれませんが、キュービックスやセラの場合約4インチ分で
約100mmといことで考えられるのですが、225mmの9インチはどうも説明が
出来ず、これは切り出したのではなく足していったのでは・・・。と思ったのです。
立方体の組み合わせで且つ平面上でできる単純な構成遊びがアングーラの
考え方の基であり、作者であるペア・クラーセンの考え方のような気がします。
(ご注意!これはあくまでもがりとん的解釈です。)
更に別の25mmの立方体の側面をまずはじめに90度に切り欠いてV溝を
作ります。その裏側に90度異相して同じく90度に切り欠いてV溝を作ると
出来損ないのネフスピールのようなちょっと不思議なパーツが出来上がります。
これが4パーツあるので合計13パーツから構成されています。
1.基本の『き』みたいな積み方。
アングーラは平面で並べたり積んだりすると比較的簡単に積むことが
出来ますが
とか、など・・・。
立てると見た目のボリュームはありますが、そーっと置かないと
倒れてしまいます。
普通の積木でこんな感じで《ただ積み上げる》とこんな感じですが
アングーラで同じ事をすると手数は同じですが、こんなにきれいな形にも
なります。
ちなみに並べるとこんな感じです。
ちょっと休憩。
べつに計算しなくても当たり前なのですが、ちょっと感動的応用編を!
斜めにしても辺同士の合計サイズがピッタリ合います。
このように斜めの感覚もスゴイのです。
さて、更に基本の『き』の中の応用編その2。
アングーラにはこの他にこんなパーツが4個ついています。
この不思議なパーツの使い方ですが基本的にはこんな感じで立てられます。
これを例えば2個にするとこんなになります。
これに続いてどんどんつないでみて下さい。楽しいですよ。
2.窓遊び。
どんなサイズでも結構ですのでこんな形に作ってください。
あっち側とこっち側で覗いて握手したり、他の部品を渡しっこして遊んで
みてください。結構楽しいと思います。
でも子供って結構この《覗く》という行為が好きなのです。
私的にはちょっとSFっぽいですがワープ出来る場所だったりしたり
タイムマシンなんかに見えます。
お子様が《覗く》行為に興味が出てきたらぜひ年齢にかかわらず
遊んでみてはいかがでしょうか?
自分はどうしてもアングーラが欲しいけれど家族に『うちの子にはそんなの
まだ早いでしょ!』などと反対されてしまった時には、このお話をしてみて
ください。きっと理解が得られるはず・・・
でも本当は大人が純粋に欲しいということでいいのです。それを大事にする
気持ちがあれば自然と子供はみているし、ついてくるのだと思いますから・・・。
20年近く前のことですが、とある研究所でのK教授と私の会話です。
当時(今でも)マニアックなK教授は私に突然こう言いました。
『数学って美しいよね。そう思わない?』
突然の事でしたし、正直何をいているのかまったくわからず、私は内心
『この人前々からおかしいとは思っていたけどついに壊れたか?』
と思っていました。
教授の熱く輝く目を見た私は、さすがに無視するわけにもいかず生返事で
『はぁ・・・。』
すると嬉しそうに《アングーラ》を出してきました。
『これはすべてこの辺(厚み)が25mmです。この上に1個積むと、さて
何mmだ?』
私は本当に壊れたと確信しつつ
『50mm。』
『正解!じゃあ、更にもう1個積むと何mm?』
『75mm。』
『大正解!じゃあ、更にもう1個積むと何mm?』
最後まで付き合ってあげようと思いましたので
『100mmですよ。』
『じゃあ、次はちょっと応用編。ここが100mmだよね。じゃあ、
こう置いたここは?』
『75mm。』
『じゃあ、次は?』
『50mm。』
『じゃあ、次は?』
『25mm。』
『じゃあ、次は?』
『0mm・・・。』
しばらくの沈黙の後、K教授が涼しい顔をしながら口を開きました。
『美しいよね。』
『???』
『足し算、引き算って数学の基礎でしょ。
机上ではあんまり楽しくないけれど形にするとこんなに美しいんだよね。
これを忘れちゃだめだよ。楽しいでしょ。』
ってきたのです。
当時私にはここまで聞いても何を言っているのかわかりませんでした。
でも今はなんとなく教授の言っていた意味がわかるような気がするのです。
『形ばっかり追い求めてそれを真似してもそれは算数。もっとやわらかくして
数学しようよ。もっと楽しまなきゃ。』
これはその後も何故だか腐れ縁のようなお付き合いがあり、最近もたまーに
思い出したように電話をかけてくるK教授に呼び出されてご飯を食べていた
時におっしゃっていた言葉です。
まったくその通りなんです。
アングーラはちょっと触って、わりと簡単に美しいもの(作品?)が作れます。
やれば出来る!あまり人との差が出ないものは楽しくて良いものです。
大学教授も感動!私も発見!積木って本当に凄いの一言です。
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