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【GAKURINSHA TOPICS】教科書の行き先 2016年中学校教科書改訂
 <教科書改訂とは>
 教科書の改訂には、小学・中学ともに、文部科学省が定める「学習指導要領」の改訂に伴って行われるほぼ10 年周期の改訂と、内容見直しのために行われるほぼ4 年周期の改訂があります。昨年は中学校の教科書改訂が行われ、2016 年度からは新しい中学校教科書が使用されることになります。

<教科書改訂によって変わること>
 教科書の内容改訂に伴い、教科書に合わせて構成されている準拠教材は見直しが必要になります。新しい教科書を使用するタイミングに合わせて、その変更に応じた改訂が行われます。また、市町村によっては採択教科書が変更されることもあります。
 それでは、各教科、どのような変更があったのか見ていきましょう。

□英語
 「読む・書く・聞く・話す」の4 技能の習得を促せるよう、単元構成の見直しがされています。教科書本文は、各社平均すると3 ~ 5 割程度変更されています。同じ単元名のものでも、4 技能の向上を意識したものに変更されていたり、長文が対話型に書き換えられたりしています。

□数学
 演習量を増やす傾向があり、ページ数が1割程度増加しています。数量関係だけでなく、資料の活用の単元についても、教科書によっては演習量が増えています。また、今まで単元内に入っていた項目が独立した単元となり、学習内容が増えている教科書もあります。

□国語
 読解作品の変更や学習単元の順序変更などがあります。読解分野の掲載作品は各社平均すると3 割程度変更されています。顕著な例では、三省堂は別冊がなくなり、他の教科書よりは多めの改訂となっています。また、「読む・書く・聞く・話す」などの観点ごとに学習していた教育出版も含め、すべての教科書が観点を混合したものになっています。新出漢字については、今回の改訂により、学習時期・学年も変更になっています。

□理科
 火山、津波、地震などの自然災害や防災教育に関わる内容を細かく取り扱うようになり、教科書によってはページ数が2 割ほど増加しています。内容でも細かい点での変更が多くあり、「麦芽糖」などの用語の追加や表記の変更があります。また、学習単元の掲載順序が変更された教科書もあります。

□社会
 地理・歴史・公民それぞれの教科書で、章や単元のまとめとして単元内容を調べて発表するという構成がとられています。

・地理…領土問題の記述に尖閣諸島が追加され、教科書によっては、アジア・ヨーロッパの内容が追加されています。

・歴史…古代から中世の学習内容を細分化した教科書や、近現代の学習内容を増加した教科書があります。

・公民…環境保護や自然災害への対応、エネルギー問題など、日本の抱える問題についてコラムで取り上げています。

<まとめ>
 2016 年の教科書改訂は、さらに4 年後の2020 年に実施が開始される「新学習指導要領」を見据えたものです。政府は、将来的に国内外で活躍できる社会人を育てることを含めた教育改革を重要視しており、大学入試制度の抜本的な改革を進めようとしています。各教科書会社も、今年度はそのような傾向を鑑みた上での改訂をされたようです。
 英語では、英語によるコミュニケーション力や世界に通用する「読む・書く・聞く・話す」の4 技能の習得、国語・数学では読解力や思考力の育成、理科・社会では、現代社会で起こっている出来事に関心や興味をもち、問題解決力と分析力、判断力や表現力を身につけられるように工夫され、机上の学問から使える学問への移行を狙ったものであるといえます。
 2020 年には東京オリンピックが開催されますが、学習指導要領改訂および、今後の教育制度改革の動向からも目が離せない4 年間となりそうです。

(文/学林舎編集部)


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