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【GAKURINSHA TOPICS】 全国学力調査の行き先 問題を分析する
 平成28 年度の全国学力・学習状況調査が4 月19 日( 火) に行われます。全国学力・学習状況調査は文部科学省が2007 年から年に1 回実施している学力調査試験です。特徴としては、全国の児童生徒の学力や学習状況を把握・分析するためのテストであり、児童生徒個人を評価するためのテストではないところです。
 対象となるのは、国・公・私立学校の小学校6 年生と中学校3 年生の全児童生徒です。今年実施される教科は、小学生は国語、算数の2 教科、中学生は国語、数学の2 教科で、昨年実施された理科については3 年に1 度の実施となるため今年の実施はありません。
 問題は、主として「知識」に関するA 問題と主として「活用」に関するB 問題に分かれています。B 問題では、覚えた知識を実生活に応用したり、新しい問題を解決したりするための力をみようとしており、解答だけではなく考え方や理由を書く記述式の問題も出題されています。

 学力調査の結果は毎年8 月から9 月頃に発表され、各科目の平均点や都道府県別の平均点などについて、ニュースなどでも大きく取り扱われます。
 平成27 年度に実施された問題の中から、特徴的な問題や正答率が低かった問題をいくつかピックアップしていきます。

□小学校国語
 A 問題では、「一汁三菜」の良さについて具体的な事例を挙げて説明する文章を書く問題が出題されました。B 問題では、インタビューの内容を学級新聞にまとめて書く問題が出題され、正答率は34.9%でした。

□小学校算数
 A 問題では、末尾の位が揃っていない小数の計算について考える問題が出題されました。
 B 問題では、「20%増量した洗剤の量が480mL のときの増量前の洗剤の量」を式と答えを書いて求める問題が出題され、正答率は13.4%でした。

□小学校理科
 観察・実験の結果を整理する問題が出題されました。水の温度と砂糖が水に溶ける量の関係のグラフから、水の温度が下がったときにビーカーの底に出てくる砂糖の量を選び、その理由を書く設問があり、正答率は29.2%でした。

□中学校国語
 A 問題・B 問題ともに2000 年以降の日本の人口推移を表したグラフから読み取る問題が出題されました。B問題では、「ウェブページの文章」、「日本の人口推移を表したグラフ」、「雑誌の記事の一部」の3 つの資料から、日本の2020 年の社会を予想して、その社会と自分との関わりについての考えを書く設問があり、正答率は23.3%でした。

□中学校数学
 B 問題では、新入生歓迎会での部活動紹介で、プロジェクターを使ってスクリーン映像を投影する場面を題材とする問題が出題されました。映像の明るさを2 倍にするための投影画面の面積の変え方を選び、その理由を説明する設問があり、正答率は12.3%でした。

□中学校理科
 小学校理科と同様に実験や観察を取り上げた問題が多く出題されました。地学の分野では、「島の上だけに雲ができる現象」について科学的に探究する設問があり、正答率は14.9%でした。

 全体の調査結果については、A 問題の正答率に比べB問題の正答率が全体的に伸び悩んでおり、基礎・基本は身についてきているが、それを応用することにはまだ課題があると文部科学省は分析しています。また、都道府県別の平均点については、過去の調査結果と比べて、上位層・下位層にいる県の固定化は変わりませんでしたが、国語、算数・数学については、下位県の成績が全国平均に近づくなど、上位と下位の平均正答率の差が縮まってきており、学力の底上げが図られていると文部科学省は評しています。
(文/学林舎編集部)


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