FINE VULCANIZED
-バルカナイズ製法で作り上げたMADE IN KURUMEの逸品-
日本人の足を知り尽くした木型
ファインバルカナイズに使用されている木型は、ムーンスターが長年蓄積したデータにより、日本人の足に最も合うシルエットを採用。 足裏のカーブまで細かく再現した設計がなされています。履けばすぐにわかる足にぴったりと吸い付くような極上の履き心地は、この木型によって生まれています。
久留米から人の手で作り上げる靴を
縫製や裁断など殆どの工程を、機械ではなく熟練の職人の手で行っています。丈夫で美しい仕上がりは、職人だからこそ成せる業なのです。 出来上がった製品のハトメひとつ、ステッチひとつに至るまで、クオリティの高さを実感していただけるはずです。
バルカナイズ(加硫)製法で強く美しい仕上がりに
機械の強いプレスでは木型の繊細さを十分に活かすことが出来ません。 バルカナイズ(加硫)製法の接着作業では、まず職人の手で無理のない力加減でプレスします。 そして加硫剤(硫黄等の架橋物質)を混ぜたゴムが、釜の中でゆっくりと時間をかけて蒸気で加熱&加圧され加硫圧着します。 この製法により繊細な形を崩さずアッパーと強く結合した靴が生まれるのです。 そして美しいシルエットだけでなく、しなやかで柔らかいソールと比類ない丈夫さも手に入れます。
この製法に必要なバルカナイザー(加硫缶)は、今やシューズメーカーには国内で数えるほどしか残っていません。 僅かな工場でしか生産することの出来ないバルカナイズ製法で作り上げたMADE IN KURUMEの逸品。それがFINE VALCANIZEDです。
STEP1:making shoe upper
アッパーができるまで
STEP01-cloth/布
素材にこだわる
アッパーに使われるキャンバスやスエードなど生地素材には、高品質なものだけを使用しています。
例えば、久留米絣(くるめがすり)という久留米の伝統を受け継ぐ老舗機屋で織られた生地を 使用するスニーカーがあります。このスニーカーは和の風合いを持ち、使い込むほどにさらに美しさを増していきます。 このように素材に徹底してこだわることでシンプルなデザインがより引き立ち、ファインバルカナイズ独特の雰囲気を纏います。
STEP02-dye/染色
STEP03-wash/水洗
ムラなく染め上げる
ファインバルカナイズを生産するムーンスターは、明治末期、前身であるつちやたび時代より白山工場内に原料織布工場、染色・漂白工場を併設し原料から製品までの一貫生産をおこなってきました。 キャンバス(帆布)は染色のしやすい綿素材で、シューズアッパーとして肝要な耐久性と吸湿性に富んでいます。この染色工程でムラなく丁寧に染め上げます。
染色液を洗い流す
丁寧に染色された布を水で洗います。繊維内に浸透した色素のみが染料としての色素の意味があり、余分な色素は汚れと同じであるため、 余分な色素が出なくなるまで洗い流します。布の仕上がりにとても重要な工程です。
STEP04-dryer/乾燥
STEP05-tentering/幅出
しっかりと乾燥させる
余分な色素が落ちた布を乾燥機でしっかりと乾かします。染色された布が出来上がります。
幅が不揃いになった生地を整える
染色と乾燥によって縮んだ生地を引き伸ばして一定の幅に仕上げる工程です。 収縮したり布目が乱れたりしわが出たりして幅が不揃いになった生地を整える仕上加工の一つです。
STEP06-spreading/糊引
表布と裏布をゴム糊で貼り合わせる
液状のゴム糊でアッパーの素材となる表布と裏布を貼り合わせる工程。
またバルカナイズドクロス(ゴム引き布)では布地のほつれを防ぎ張りをもたせるために、布地の裏に引くゴム糊を使い表面にコーティングを施します。 強度と防水性を高め、使い込むことで履きジワがあらわれ風合いが増す素材になります。
STEP07-cutting/裁断
STEP08-sewing/縫製
美しいシルエットを作り出す裁断
アッパーを構成するパーツごとに素材を裁断します。スニーカーによって裁断する布の形が違い、細かく裁断していきます。 ファインバルカナイズの細部まで美しいシルエットを作るベースとなる工程です。
熟練の手作業でしかできない精巧な仕上がり
ファインバルカナイズのスニーカーは縫製作業を手作業で行います。これにより機械では出来ない、細かなディテールまでこだわる事が出来ます。 熟練した職人だけが出来る精巧な縫製が、美しさと丈夫さ、履き心地の良さを生み出します。 140年以上靴を作り続けてきたムーンスターの歴史が滲み出る工程です。
STEP2:making outsole
ソールができるまで
STEP01-material rubber/原料ゴム
ムーンスターが厳選した素材
大正時代に地下足袋からゴム底靴の生産をおこなっていた「つちやたび合名会社(現在のムーンスター)」は、その後何度かの社名変更を経て昭和38年(1963)「月星ゴム株式会社」という社名でゴム事業体として初の総理大臣賞を受けます。 そして現在まで国内ゴム生産のエキスパートとして事業を継続してきました。ファインバルカナイズのソール作りは天然ゴム素材を厳選するところから始まります。。
STEP02-banbury mixing/バンバリーミキサー
STEP03-rolling/圧延
独自ゴムを練り上げる
ゴムを練り上げる機械をバンバリーミキサーといいます。素練りしたゴムに加硫剤(硫黄等の架橋物質)、加硫促進剤ほかの薬品を混入、分散させゴム製品を製造できるゴムにするのがバンバリーミキサーの役目です。 ゴム練作業の質の向上はゴム製品の品質を高めるために欠くことのできないものです。
厚さを均一にして整える
カレンダーロール機を用いて、混練りした配合ゴムを均一な厚さ、所定の幅の長いシートにしていきます。 表面に跡をつけ、滑り止めを作ります。
STEP04-sole cutting/ソール裁断
STEP05-die cutting/部品裁断
ソールを手作業で型抜きする
底ゴムを専用の抜き型を使って抜いていきます。この時点で生ゴムのソールは粘土のように柔らかく不安定な状態です。
その他ゴムパーツを型抜き
設計図に沿って必要とされる細かなゴム製パーツが決まります。その一つ一つに抜型を用意し、無駄なく手作業でロール状のゴムから抜いていきます。 ひとつひとつのパーツ全てを丁寧に作り上げる事によって、細部を拡大しても美しく、組み上がった全体を見渡しても美しく仕上がるのです。
STEP3:vulcanizing
仕上げ
STEP01-forming/整形
機械には出来ない伝統の職人技
アッパーを木型にはめ込み、靴の形に仕上げていきます。平面素材から立体的な形を作り出す工程で、熟練した職人が時間をかけておこないます。 ここでインソール(内底)をアッパーが包み込み全体のシルエットが作られます。整形に無理がないバルカナイズ製法を活かすためにも重要な工程となります。
包み込んだ布をインソール裏側に吊り込んで固定します。布とインソールの間にすき間が無くなり、しっかりと固定されます。
研磨機で底の形を整えていきます。職人の手作業だからこそ精密に整える事ができます。
アッパーのつま先部分にゴムのトゥーカップを貼り付けます。手作業で空気が入らないよう丁寧に仕上げます。
STEP02-binding/圧着
アッパーとソールを合わせる
アッパーとソールをつなぎ合わせて、最終的な靴の形を作っていきます。この後バルカナイザーで加硫圧着させるため、この時点では強い圧力を加えることが無く形を崩しません。 そして、ヒールラベルなど細かなパーツも手作業で貼り付けていき、この工程で形は完成します。
STEP03-vulcanizing/加硫
蒸気の力でゆっくりと接着させるバルカナイズ製法
吊り込み済みのシューズを金型にセットし、加硫缶(バルカナイザー)の中で加熱&加圧して加硫圧着しながら同時に本底を成型します。原料ゴムに混ぜた硫黄が加熱により化学変化を起こし、丈夫で弾力性のあるゴムに変化します。 ゆっくりと時間をかけて加熱&加圧していくため底とアッパーの結合が強く、底はがれの心配が少なくなります。また、接着と成型を同時に行うため無理がなく形くずれが少なくなります。
多くの熟練職人の手を経て、ゆっくりと時間をかけて作られるファインバルカナイズのシューズ。その工程の最後、窯で焼き上げて完成させる様にはまるで陶磁器工房にも似たクラフトマンシップがあります。 大量生産大量消費の時流の中で、消えてゆきつつある昔ながらの靴の良さをぜひ味わって欲しい。 久留米の職人達の手で作り上げた本物のスニーカー-ファインバルカナイズ・・・「MADE IN KURUME」の魂をぜひ感じて頂きたいのです。