ダックorグース?ゴールドラベル?ちょっとややこしい羽毛布団の選び方をなんとなく伝授します★

羽毛の中身について

ポイントはかさ高
羽毛の暖かさを左右する最も大きなポイントはかさ高です。
原則として、表記に嘘がなければかさ高が大きいほどより暖かいと思っていただいて間違いありません。羽毛はダウンボールといってたんぽぽのわた毛のような球状の形をしていてそのダウンボールが大きいほど空気をいっぱい含むためによりかさがでて暖かくなります。

また、マザーグースダウンはダウンボールも丈夫で大きく温かく長持ちします。
一般的に羽毛は食用に飼育した水鳥から採取されます。
鳥の肉は通常若い鳥の方が美味しく又、要望も多いため生後2〜3ヶ月程度で食用となり、羽毛の採取も同時に行われます。

一方、本来卵を採取するために飼育されている鳥をマザーグース、マザーダックと呼び これらの鳥から採取された羽毛は成熟しておりますので大きく羽肢にもコシがあり長持ちします。

主に生後6ヶ月以上飼育されたものがマザーグース、マザーダックと呼ばれます。同じマザーグースでも12ヶ月以上飼育されたものもあり、マザーグースの中でもピンからキリまであります。

予算的にはグースよりダックの方が安いので予算が少なくてマザーグースの羽毛は難しいなって思いの方にはマザーダックの羽毛布団をオススメします。
ただし、ダックの場合グースに比べて羽毛の臭いが強いので臭いが気になる方にはグースの羽毛をオススメします。

一般的にはダックは安物と思われがちですが、ダックにもアイダーや番鴨と呼ばれる質の良い羽毛もあり、これは日本羽毛協会のホームページでも紹介されています。
完熟されたマザーダックの羽毛であれば質の劣るグースよりも暖かいと思います。
ダウン比率について
最近ではほとんどの羽毛が90%を越えているので羽毛の善し悪しのひとつの目安にすぎません。

また、このダウン比率も使っていくうちにダウンボールが壊れていきますので実際はダウン比率は下がってきます。この点においてもマザーグースやマザーダックの方が長持ちしますのでより長く快適に使用できます。

羽毛の原産地についてもあまり価値には関係なくこれも目安にすぎません。産地よりもどちらかというと品質管理を徹底している農場の善し悪しで中国産でも非常に高品質な羽毛もありますし、ポーランド産でも粗悪な羽毛も存在します。

羽毛の判断基準でゴールドラベルが使用されていますが、西川3社とロマンス小杉、京都金桝は ゴールドラベル発行元の日本羽毛協会に属さず独自で厳しい基準を設けておりますので元々ゴールドラベルは付いておりません。
これは自社(西川3社、ロマンス小杉)の方が現在のゴールドマークよりもはるかに信用力が高いと考えてのことだと思います。

当社では定期的に羽毛布団の抜き取り検査を実施しておりますので、当社で取り扱っている羽毛に関しては間違いなく品質表記通りのスペックの羽毛布団ですのでかさ高が高いほど暖かく、マザーグースやマザーダックの方がより丈夫で長持ちするということを頭に入れて羽毛布団を選んでいただければより自分の理想に近い羽毛布団を選ぶこと が できるのではないかと思います。

キルト(縫製)について

立体感と肌沿いと

元々は羽毛を入れてそのまま縫い込むマチのない平らな(たたきキルトと言われています)キルトが多かったのですがその場合縫い目の部分が寒いとのことで、現在のようなマチをつけて立体的にキルティングしてより暖かく寝られるように改良されてきました。
それでも使っていくうちに羽毛の吹き込み口からだんだん羽毛がずれて片寄ってきます。



それを防ぐために特殊な方法を使って吹き込み口を防ぎ完全に片寄りを防いでしまう完全立体キルトが出てきました。羽毛の移動や片寄りを防ぐので長時間均等な暖かさが得られることがポイントであり、元々保温力に優れた高品質の羽毛に多く採用されています。


このキルトとは別に現在多く使われているのが重ね着のように羽毛の層を重ねていく二層構造キルトです。やはり上層と下層と重ねることでより保温力が上がり、暖かく寝られます。
二層(ツインキルト)と呼ばれていますが、このキルティングにも各メーカーでいろいろな細かな改良がされています。
上下のキルト部分を重ならないようにすることによりボリューム感が損なわれず身体に触れる部分に縫い目が来ないような広めのキルティングを施し、縫い目の部分のクールポイント(寒い場所)をなくして保温力をアップしています。ほとんどの二層キルトがこの方法を採用されています。
「肌沿い=温かい、片寄らない=長持ち」です
その他にも肩口や足元に特殊なキルティングを施したり、三層構造にして更に保温力を高めたりとさまざまな種類があります。
以上の内容から判断すると二層構造のキルティングが暖かいと思われますが二層キルト構造の場合使っていくうちに羽毛が足元の方に偏ってしまう欠点があり、どちらのタイプも一長一短あるということで、羽毛の品質やかさ高に合わせてより自分の好みに合ったキルトスタイルを選んでいただく事をオススメします。

非常に保温力の高い羽毛の場合であればより羽毛の片寄りを防ぐ完全立体キルト系の方がオススメで予算の都合や保温力やかさ高の低い羽毛の場合であれば二層式にすることで保温力を補えるので二層タイプがオススメかと思います。

またこの方法とは別に耐洗濯性能やオールシーズン使用することを重視した二枚合わせタイプ(デュエット布団)も最近多く採用されています。
こちらのタイプは二枚合わせることで中に空気を含みより保温力が高まり季節に応じて取り外し使用可能で幅広くご使用できます。

側生地について

吸湿・放湿性が大切です。
羽毛布団の側素材については最もよく使われているのが超長綿の側生地ではないかと思います。超長綿と普通の綿とはどう違うのかというと普通の綿だとカバーを掛けたときによくごわごわとカバーと側生地のこすれる音がしますが、超長綿の側素材であればこのごわごわ感がなくしなやかな肌触り感が得られます。
  
その超長綿ですが、一般的に60番手以上のものをいいます。(特殊な場合50×60を超長綿と表記することもあります。)


この番手というのは糸の太さを表しており、50,60,70と数が多いほど糸が細くてそれだけやわらかくて肌触りがいいということになります。

更に糸の太さ以外に織り方にも違いがあり、ブロード(平織り)ツイル織り、サテン織りと種類があります。肌触りのいいものから順にいうとサテン → ツイル → 平織りとなります。

ほとんどの羽毛布団には超長綿の生地が使われておりますが、上記のことを頭に入れて側生地の違いを比べていただければ同じ超長綿でも違いが明確になるのではないかと思います。

最近では超長綿以外にも新合繊の素材で非常にやわらかくて肌触りのいい加工が施されているものも数多くでています。

新合繊の場合、ポリエステルですので一般的には綿素材に比べて少しつるっとした感じがします。
綿素材に比べて劣る点としては綿素材が吸湿性があるのにくらべ、新合繊は基本的に吸湿性はありません。逆に新合繊の最大の長所は 縮みにくいことで、主にウォッシャブルの生地としてよく使われております。

また、シルク100%(正絹)や一部に絹を使った絹交の側素材などもあり、側生地ひとつをとっても非常に種類が豊富です。
一般的に良い肌触り感を求めているのであればシルク100%の側素材が良いのですがですが、シルクの場合、綿に比べて側素材の値段が高く耐久性も劣ります。
 
当店としてはやはり羽毛布団には超長綿がお勧めです。