長野市赤沼は、100年続くりんごの名産地です。
私の家も曽祖父からの家業を継承し、代々りんご農園を営んできました。
その経験を礎に、自らの農園だけでなく地域の農家が管理・耕作できなくなった畑を引き受け、地元のりんご産業を活性化させるべく、りんごの生産・加工・販売に取り組んでいます。
りんごの見栄えを良く赤く色づかせるには、均等に日光が当たるように実のまわりの葉を取り除いてしまいます。
しかし、葉っぱには本来重要な役目があり、太陽をたくさん浴びて光合成することで空気中の炭酸ガスを吸い、りんごに養分を供給してくれます。
見た目の問題もあって一般市場には出回りにくいのですが、私たちが届けたいのは見た目よりもりんごの美味しさです。葉っぱに太陽をたくさん浴びて育ったりんごは、甘みも栄養価も抜群。蜜の詰まった新鮮なりんごを、農園から産地直販でお届けしています。
高密植栽培とは、ヨーロッパなど世界的には主流となっている栽培方法です。高密植栽培の木は縦にまっすぐ伸びており、剪定作業という行程が容易になるため、作業中の危険や負担を減らすことができて、高齢者や女性、障害を持った方などでも無理なく作業することができます。
従来の栽培方法から高密植栽培へ切り替えることで、短い時間でより多く、品質の揃った生産が可能に。従来に比べなんと約3倍の生産量を見込めます。
日本では普及率の低い高密植栽培ですが、この方法であれば長野を日本一のりんご生産地にすることも夢ではありません。
私たちのモットーは「長野の耕作放棄地をゼロへ」。
りんご市場の低迷、そして農村人口の減少と生産農家の高齢化という現実に直面し、現在では管理が困難になり手放される農園がますます増えています。規模の小さい農家の経営実態はとても厳しく、これらの農家に将来はないのでは…という危機感を抱きながらも、「この村を限界集落化させるのは嫌だ」、「希望のない環境の中で一生を終えたくはない」、「若い人や女性など、もっと色々な人が集まり、活気のある農村を作りたい!」
そういった想いを胸に、若い力で農業に活気を、そして、将来の日本の農業を支え、発展させられる新たな農園経営の先駆けとなることを目指しています。