こだわりの栽培・製造

こだわりの栽培・製造


高級茶産地

福本園では、優れた自然環境の中に約7haという広大な茶園を保有し、自然の活力を生かした栽培により日夜良質茶の生産に努力を重ねております。

お茶の新芽

一言で、「優れた自然環境の中に・・・」と言いましたが、それでは、どの様なところで生産されているのでしょうか? 
ここでは皆様に、この「優れた自然環境」について、少し、ご紹介したいと思います。




肥後台地

お茶の福本園の茶畑が広がる肥後台地は、世界最大級のカルデラである阿蘇外輪山の裾野に広がる、とても雄大で美しい台地です。

お茶園

阿蘇に源を発した一級河川・白川が流れ、一面に肥沃で広大な大地が広がっています。
まさに、大自然豊かな緑の宝庫が広がる美しい大地です。




熊本の水は、日本一

「水の都」熊本と言われるように、肥後大地には、清らかで美しい日本一のおいしい水が豊富に有ります。
その素晴らしいおいしい水を使ってお茶を製造する(お茶の葉を蒸す)ので、とってもまろやかで濃厚な美味しいお茶(深蒸し茶)が出来上がるのです。

深蒸し茶




霧深く寒暖の差が激しい気象条件が育てる『おいしいお茶』

近くの熊本空港は、日本一の霧の空港として知られている様に、霧がとても発生しやすく、お茶の芽の大敵である霜が降りにくい地形となっています。

お茶の新芽

以上のように、清らかな美味しい水、霧深い寒暖の差が激しい気象条件、そして肥沃な大地という大自然の恵みをいっぱいに受けた澄んだ茶畑(お茶の生育に最適な恵まれた自然環境)で、お茶を栽培し、育てているのです。




こだわりの栽培・製造

それでは実際に、お茶の福本園の独特の「栽培法・製造法」を皆様にご紹介します。

  こだわりの茶園管理   こだわりの製造工程


お茶畑






こだわりの茶園管理

お茶の木の栽培品種やぶきた茶園

  • やぶきた  全面積の約65%
  • めいりょく  約60a
  • さやまかおり  約15a
  • おくみどり  約25a
  • さえみどり  約90a
  • つゆひかり  約30a(幼木園)
  • おくゆたか  約60a(幼木園)
*右の写真は、やぶきたの茶園です。



こだわりの肥培管理

当園の『ふかむし茶』は、恵まれた自然環境(気候、水、9月下旬頃の茶園土壌、空気)のなかで、こだわりの栽培法、そして独特の製造技術により生まれるわけですが、ここでは、こだわりの栽培法についてご説明したいと思います。
福本園における"こだわりの栽培法"とは、自然の有機肥料や何年もかけて作った完熟堆肥、微生物によって有機肥料を発酵させたぼかし肥料等による土作りの徹底、そして、減農薬を基本とした安全で自然環境にやさしい栽培法の事です。
つまり自然にやさしく茶の樹にやさしく、自然の持つ力、土壌微生物の無限の力を最大限に活用し、健全に力強く茶の樹を育てるという栽培法なのです。
今後においても、なおいっそうの努力を重ね、美味しくて、安全で安心して御賞味頂けるお茶を作り続けていきたいと考えております。




最も重要な土づくり

お茶の栽培管理のなかで最も重要なことは、健全な土作りにあります。
当園では土作り対策として、施肥には、有機肥料(魚粕、菜種油粕、大豆粕、肉粕など)や発酵したぼかし肥料を使用し、環境保全の点からも、茶樹の根に対するダメージをなくす点からも何回にも分けて少量ずつを分施するようにしております。

有機肥料
※魚粕や肉粕など主体の良質な有機肥料

萱(かや)また、土作りの基本である堆肥の投入に於いては、何年もかけて作った完熟堆肥に今注目されている炭を混ぜて茶園に投入するという試みを行っております。

また別の取り組みとして、茶園の保水性、土壌の科学性、物理性改善の為、また、土壌微生物の環境の為に、茅(かや)を茶園に一列づつ手で敷き詰めています。

かやを敷き詰めた茶畑茅(かや)というのは、右の写真の様な、山に生えているススキ等の事で、昔、茅葺の屋根などに使われていました。これを茶園に入れると、土が軟らかくなり、保水性、通気性が良くなり、茶の樹がとても元気になるのです。また微生物の餌にもなります。本当に良い事尽くめなのです。

しかし、今では殆ど、茅(かや)を茶園に敷く人はいません。良いと分っていても、山に茅(かや)切りに行かなければならず、ものすごい重労働ですし、本当に手間暇が掛かり、誰もそんな事はしないのです。茶畑

当園では、遠方の阿蘇の外輪山の久木野まで、冬の時期に毎日、かや切りに行きます。
そして、トラックで数十台畑に持って帰り、この時期に茶園に一列づつ敷き詰めるのです。

今後もおいしいお茶を作るためにし続けていきたいと思います。






ふかむし茶のために ~ 蒸しに耐えられる強い芽を作る ~

福本園では、『濃厚な味わいのふかむし茶』をつくるために、上記のような「肥培管理」「土作り」と共に、もう一つのこだわりを持って独特の栽培法で生産しております。

その独特の栽培法とは、芽重型の茶園を作る事、つまり、特蒸しに耐えることのできる力強い芽を生産できる茶の樹を作る事です。

芽重型の茶園

具体的に述べますと、三番茶を摘まないで茶の樹に無理をさせないという事です。
茶の樹は普通、摘採(茶摘み)を繰り返せば、枝の大きさが小さくなり、お茶の芽は、段々小さくて軽い芽になります。この小さくて軽い芽では、深蒸しや特蒸しという製法に耐える事が出来ません。
通常は、一年間のうちに一番茶、二番茶、三番茶と3回も摘むのですが(鹿児島県などの多いところで4回)、当園では二番茶までで摘採は終了し、そのあとは茶の樹に無理をさせずにやさしく大きく育てるという事なのです。

また、茶の樹を若返らせるために中刈や深刈といった更新を頻繁に行い、力強くてみずみずしい茶の芽の生産に努めております。




防霜対策について ~ お茶の新芽を霜(しも)から守れ!~

お茶の新芽にとって、最も恐ろしく大敵であるのは、「晩霜」です。晩霜は、一年間大事に育ててきた茶の新芽を一晩のうちに枯らしてしまうのです。
防霜ファン福本園のお茶園は、霜が降りにくい地形、環境に有りますので、心配は少ないのですが、それでも近年の異常気象等により春先でも真冬並みに冷える事がありますので、100%の防霜設備を整え、万一の為に万全の備えをしております。

防霜対策としては、送風法、被覆法、散水氷結法等がありますが、福本園では、防霜ファンによる送風法、スプリンクラーによる散水氷結法を採用し、霜害を防いでおります。

※右の写真は、防霜ファンです。


スプリンクラー左の写真は、防霜や潅水に効果を発揮する多目的利用のスプリンクラーです。
特に晩霜の強いときなどは、散水氷結法で茶の芽を守ります。

※下の写真は、防霜対策として水を散布しているところです。

 



防霜対策






こだわりの製造工程


お茶の福本園の製茶施設は、特蒸し茶を製造するための特殊な機械がいくつも並べられた120K1.5ラインという製茶システムです。
生葉を新鮮なうちに製造するために、大型機械を導入しておりますが、美味を追及した、きめ細かさも、いたる所に取り入れております。


ふかむし茶 製造の特徴

送帯式蒸機福本園のふかむし茶は、普通のお茶よりも豊富な蒸気を用いて、長い時間よく蒸したもので、素材(茶葉)のもつ濃厚な味わいをすべて引き出した味本位のお茶です。
そのために、製造工程は、特別な機械で茶葉を壊さないようにやさしく蒸し、そして、その茶葉をやわらかく揉みながら乾燥していくという流れになっています。


製茶機械ふかむし茶の製造のなかで、壊れやすい蒸し葉をいかにやさしく揉みながら乾燥させていくかが最も難しい事なのですが、福本園では、他の工場にはない特殊な機械を何台も並べて、素材の味わいを損なうことなくやさしく揉みながら乾燥し製品に仕上げております。
一番上の写真の機械は、お茶の葉を蒸す機械で、送帯式蒸機といって、普通の製茶工場には無い特殊な蒸機です。




製茶機械そして、次の写真の機械は、中揉み機という機械で、揉みながら乾燥させる機械です。 この機械の前工程として、葉打機1台・粗揉機3台・揉捻機2台が有り、少しづつ、やわらかく揉みながら乾燥させます。
右の写真は、中揉機といって、回転しながらやわらかく茶葉を揉み、そして乾燥させます。
この中揉工程を経て、後は、精揉機という機械でお茶の形を整えながら乾燥し、自動乾燥機でお茶葉の水分を5%まで乾燥してお茶の原料である”荒茶”が出来上がるのです。




製茶機械の特徴

マイコン制御盤福本園では、マイコンによるコンピューター制御の機械を導入し、製造しておりますが、これにより高品質でしかも均一化された製品が出来るようになりました。
しかし、まだまだ人間のセンサーが様々な点に於いて優れていますので、両方の良さを利用しながら最高のお茶を目指して日夜努力していきたいと考えております。

※右の写真は、マイコン制御盤です。


※下の写真は、マイコン精揉機です。

精揉機殆どの機械がマイコン制御になっており、生葉の水分含水率、気温、絶対湿度等を計測しながら、随時、熱風温度や風量、揉み手の回転数を自動で制御し、茶温を一定に保ちながら、お茶の製造を進めていきます。





制御盤

※左の写真は、数多く有るマイコン制御盤の一つで、精揉工程の釜の温度や分銅(重り)のかけ方を経過時間で制御し、そして取り出す制御盤です。









製品保管並びに仕上げ加工

製茶機械一次加工で出来上がった製品(荒茶)は、直ちに真空包装し、大型冷蔵庫に保管します。
そして、随時必要な分だけ冷蔵庫から出して二次加工(再製)されます。

二次加工とは、茎茶や粉を選別したり、火入れ処理をしたりする工程です。

お茶の福本園では、摘採から加工・真空冷蔵保管までの工程をスピーディー且つ丁寧に行う事で、生葉の持つ香味を損なうことなく、一年中、美味しいお茶を皆さまにお届けできるのです。





こだわりの製法 ~その都度仕上加工~

福本園では、お客様に、年間を通して変わらぬ『おいしいお茶』をご提供できる様に、「お茶」は、「荒茶(あらちゃ)」の状態で、出来た直ぐ(4月、5月の一番茶の時)に真空包装し、冷蔵庫で保管しておりまして、その都度必要な分だけ、少量づつ、冷蔵庫から出して製品を作っております(仕上げ加工をしております)。

保存(保管)の事を考えた場合、お茶は「荒茶」の状態が一番安定しており、「荒茶」の状態で真空包装して冷蔵庫で保管するやり方が最も保存性に優れております。
荒茶」の状態で真空包装して冷蔵庫で保管すれば、全くと言って良いほど新茶の新鮮さが失われませんので新茶時の豊かな香味を保つ事が出来ます。
そして、随時必要な分だけ少量づつ冷蔵庫からだして、仕上げ火入れ加工するやり方が、最もおいしく、最も一番茶(新茶)の新鮮さ、香味を味わう事が出来るやり方なのです。

お茶の福本園では、大変ではありますが、この手間暇かける、こだわりの「お茶(製品)づくり」を貫いています。








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