濃茶とは
濃茶(こいちゃ)は「おこい」ともいいます。
濃茶の場合は「点てる」とは言わず、「練る」といいます。
色も味も濃厚になりますので、苦味や渋味の強い下級品は適さず、良質で上品な香りとまろやかさを持ったよい品質のものを選ぶ必要があります。
また、濃茶で扱う抹茶は後述する薄茶としてもお使いになれます。
正式なもてなしである茶事においては、その主眼は濃茶にあり、一会はこの一服のためにもうけられます。
茶事などでひとつの椀に客の人数分の濃茶を点て、主客より順にまわし飲みます。
大人数の茶会には向きません。供される菓子は生菓子で、「主菓子」(おもがし)と呼ばれるものです。
1人分が茶杓にたっぷり3杓(3g?4g)の茶を目安とし、まず1人1杓あてで人数分の茶を茶碗に入れてから、残りの茶を入れ、 湯を必要量の半分程度を茶碗に入れ、 茶筅で茶を少しずつ湯にとかし固練りしてから、服(飲み具合)のよいほどに湯を足して練り上げます。
一般的に濃茶には銘に昔のつくものがあります。
「昔」の語については「廿日」の文字を合わせたもので、最上級の茶の初摘みの日である三月廿日(20日)にちなむと説くことがある。 旧暦の3月はお茶を摘むにはあまりに早すぎるが、もっとも早くに芽吹いた新芽を摘むことが吉例としてあり、それが形骸化して御茶入日記に摘採日を3月と記す慣習が 残ったと考えられています。
薄茶とは
薄茶(うすちゃ)は「おうす」ともいいます。
大寄せの茶会や禅寺のもてなしには、1人1椀ずつの薄茶を点てます。
茶事では薄茶の前に「干菓子」(ひがし)を出しますが、
濃茶を出さない茶会やもてなしでは生菓子を出すことが多い。
薄茶の製法は濃茶と基本は変わりません。
一般的に、薄茶をお勧めする抹茶は、濃茶にはあまり適しません。
薄茶は、元来、濃茶用の茶葉を半袋(はんたい・紙の袋)に入れて茶壷の中に納める際に、その周囲の隙間を埋めるために用いた詰茶(つめちゃ)と呼ばれる 一段品質の劣る茶葉のことです。
茶杓に一杓半(1.5g?2.0g)の抹茶を茶碗に入れ、湯を注ぎ茶筅で攪拌したものを薄茶とよびます。薄茶は点てるといい、濃茶は練るといいます。
濃茶の「昔」に対して、薄茶は「白」の銘がつくことがあります。
三代将軍家光の時代に、大名がさかんに「茶を白く」と宇治茶師にもとめたことがあり、 伝統的な昔に対して、白が新規でもてはやされた茶銘であることの別を、後世の茶人たちが濃茶と薄茶の品格の差に置き換えて通用させたともされています。
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