2023年3月3日(金) 〜 3月12日(日)@free design吉祥寺店
現在取り扱いのない形・カラー
今ではつくられていないアイテムやフォルム、カラーがたくさんあります。 時代に合わせて色も形も少しずつ変化していますが、基本的なデザインの理念は変わらないので、年代の違うものや現行品と合わせてもしっくり馴染みます。
キルタ/KILTA
フィンランド語で「ギルド(組合)」という意味を持つ「キルタ」。
ものづくりは一人で行っているのではなくチームによるもの、と考えたカイ・フランクによって名づけられました。
「KILTA GLAZE」と呼ばれる独自の釉薬により、濃淡のある優しい風合いで、縁の部分が淡く、白っぽいのが特徴です。量産品ですが型の出来などによって個体差があります。
イエロー
日本で最も人気のあるヴィンテージティーマのカラーが「イエロー」。温かみのある色味が食卓を華やかに彩ります。 2005年に廃盤になってから、不定期で生産されていました。釉薬がなくなってしまったため同じ色でつくる事ができなくなってしまい、入手するのが難しくなってしまったカラーです。
バックスタンプ
オーブンが使えることを伝える「KILTAロゴ」、"王冠ロゴ" と呼ばれる「ARABIAロゴ」、 ARABIAからiittalaへ移行時の「iマーク」と「ARABIA」が並記されたロゴなど、 バックスタンプからも時代を感じることができます。かすれて消えてしまっているのも味わいがあります。
フォルムの違い
「キルタ コーヒーカップ&ソーサー」(右)と「ティーマ コーヒーカップ&ソーサー」(左)。 キルタ時代は上部に向けて広がりがある形ですが、ティーマになってからは、ストンとストレートに近い形に。 フォルムの違いを楽しむのも◎。
Designer
カイ・フランク/Kaj Franck 1911-1989
1940年代の北欧やヨーロッパの家庭では、単用途で華美な装飾を施した「ディナーセット」を揃えるのが一般的とされていました。ところが第二次世界大戦によって物資だけでなく住宅も不足し、狭小な住環境に暮らす市民が多かったなどの背景もあり、豪華なディナーセットは、一般的な家庭にとって、決して使いやすいものではありませんでした。
そんな悩みを脱却すべく、カイ・フランクは、装飾的な要素は色釉のみ、コンパクトに収納でき、必要に応じて買い足しができる、シンプルな形で多用途なテーブルウェアシリーズとして「キルタ」をデザインしたのです。
画期的な思想のキルタシリーズは、受け入れられるまでに時間がかかりましたが、「Smash the service!(ディナーセットを粉砕せよ)」というスローガンのもと、会社をあげての宣伝の結果、その後大ヒットを記録することになります。
しかし、発売から20年を迎えた1973年、原材料の高騰やオイルショックの影響などもあり生産終了が発表され、1975年には惜しまれつつ廃盤となりました。
ところが、国内だけではなく海外からも復活を望む声が多かったため、カイ・フランク監修のもと1981年に「ティーマ」として生まれかわります。
素材が陶器から磁器に代わり、オーブンだけでなく電子レンジや食洗機にも対応できるようになりました。
2002年頃にはグループ統合・ブランド再編により、ティーマは「アラビア/ARABIA」社から「イッタラ/iittala」グループのブランドへ組み込まれることになります。
2005年にはティーマシリーズのリニューアルにより、アイテム・サイズ・カラーなどが大幅に変更されました。
そして、2016年にはフィンランドの工場が閉鎖され、生産拠点が海外へ移行されるなど、時代の波に流されながらも、
現在でも、カイ・フランクの理念を継承し、北欧を代表する食器として愛され続けています。
【開催期間】
2023年3月3日(金)〜3月12日(日)
【会場】
freedesign 実店舗
〒180-0004
東京都武蔵野市吉祥寺本町2-18-2-2F
営業時間:11:00-19:00
無休