ガラスの種類とフィルム貼り付け時の注意
ガラスの名称 | 形状および特徴 | フィルム張り付けの対応 |
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フロートガラス(FL) |
一般的に最も使用されているガラスです。透明で表面がつるつる(平面)しています。 厚みが増すと薄緑に見える。最大の厚みは19mmで、それ以上のものは複数枚のガラスを合わせて作られます。 【Tips】FLガラスを処理する事で、下記の機能ガラスが製作されています。 |
全フィルムが貼り付け可能 |
網線入りガラス |
主に火災時のガラスはじけ割れ防止目的で使用されています。 ガラス内にスチール線(異物)が入っている為、構造上強度(許容応力)がFLガラスに比べ6割り程度しかありません。 そのため、日射吸収率の高いフィルム(遮熱フィルム)を貼り付けると熱割れ現象が起きる可能性がありますので、細心の注意が必要です。 熱割れ現象については別に記載しています。網入りガラスにフィルムを貼り付ける場合は現象を理解して専門家にご相談ください。 網線入りガラスはまれに、表面が平面ではなくゆがんでいる場合があります。わずかなゆがみなので、通常のフィルムを貼り付けできますが、ゆがんだ質感はそのままフィルムの質感になります。反射系のフィルムや色つきのフィルムの場合は、質感を強調する場合があります。 |
熱吸収の低いフィルムは可能 その他、条件により可能 |
型板ガラス |
片面に凸凹のあるガラスです。 一般的な凹凸ガラスは、凹凸面は室内側にされていますので、型板ガラス用フィルムを貼り付けます。 その他、外貼り対応フィルムで外側に貼るか、ガラスを反転して平らな面にフィルムを貼り付けます。 型ガラス用フィルムを貼った場合、凹凸の質感が若干変わりますので、デザインガラスの場合は予めご確認ください。 【Tips】型ガラスには遮熱効果はなく、太陽光を屈折させて室内に入れているだけなので、熱エネルギーは室内に入ってきます。 |
型ガラス用フィルムなら可能 その他、条件により可能 |
すりガラス |
型板ガラスに似たガラスで、表面はザラザラとしています。 FLガラスの表面をサンドフロスト加工して、光を乱反射(屈折)させることにより不透明にしたガラスです。 そのため、屈折面(ザラザラな面)に水などをかけ屈折面を平らにすると透けてしまう特性があります。 フィルムを貼り付ける事は可能ですが、フィルムの糊が屈折面を平らにするのでやはり透けてしまいます。 また、ヤスリのようなガラスなので、貼り付け時に糊を傷つけてしまい、まだらになることがあります。 ガラスを反転させて平面側に貼り付ける事は可能ですが、反転すると外側になった凸凹面に汚れが付きやすい事にも留意してください。(凹凸ガラスも同様) |
条件により可能 |
熱反射ガラス |
表面(室内側)に特殊コーティングがされたガラスです。その為、色が着いていますが、質感ではわかりません。 室内側に金属皮膜があるので、フィルムを貼り付ける事はおすすめできません。理由は、フィルムの経年劣化による貼り替えが想定されるからです。 フィルムを剥離する時や貼り付けの洗浄作業時に、コーティング層へ重大なダメージを与える可能性があります。 実際に貼り付け施工を行った例も多数ありますが、以上のことには留意、確認が必要です。 |
条件により可能 |
熱吸収ガラス |
現在は廃番になっていますが、ガラスの原材料を着色したガラスです。 フィルム貼り付けは可能ですが、種類によっては貼り付けができないので、専門家へご相談下さい |
条件により可能 |
複層ガラス |
複層ガラスは、複数のガラスで構成されているガラスで、一般的には、外側のガラス+中空層+内側のガラスで構成されています。 断熱性や遮音性があるので、最近は多く使われるようになりました。 ガラスの構成を変えられるので、網入りガラスを使用したものもあります。上記の通り、網入りガラスは、熱割れのリスクがありますので注意が必要です。 また、熱反射ガラスが使用されている場合は、コーティング(皮膜)が中空層側にしてあるので、フィルムを貼り付ける事が出来ます。 型ガラスも中空層側に凹凸面が設置されているので、通常のフィルムが使用可能です。 複層ガラスのメーカーが、フィルムの貼り付けを不可としているものもありますので、ご注意ください。 |
構成や条件により、貼り付け 出来ないフィルムあり |
合わせガラス |
防犯ガラスなどに使われることが多いガラスです。 複層ガラス同様、中空層の代わりに樹脂などの特殊皮膜を入れて作られており、フィルムを貼り付けることは可能ですが、注意が必要です。 【Tips】熱割れのリスクは同一条件で単板ガラス・複層ガラス・合せガラスの順に高くなります。 |
構成や条件により、貼り付け 出来ないフィルムあり |
強化ガラス |
強化ガラス、防火ガラスはFLガラスを処理して作っています。フィルムの貼り付けは可能です。 強化ガラスは表面にヘアーライン(キズ)が入りやすいので、カッターやスクレーパー使用時、特に洗浄作業中には注意が必要です。 防火ガラスは網入りガラスの代わりに使われています。 特殊ガラスは耐熱強化、低膨張防火ガラスなど多数ありますが、ここでは主に内装用に作られる装飾ガラスについて記載します。 飛散防止目的でフィルムを貼る場合がありますが、加工面やコーティング面への貼り付けは避けるようにします。 また、高透明ガラスなどの場合は、ガラス本来の性能を損なう場合がある事も注意しなくてはなりません。 |
作業工程条件に注意が必要 貼り付けは可能 |
その他 |
最近の建物には、ガラスの代わりにポリカーボネートやアクリル樹脂なども良く使われるようになりました。 これらの素材に対して通常のフィルムを貼り付けると、ガス化現象(設置面にガスが発生)により、フィルムの浮きや剥離が起こります。素材に対応したフィルムを貼ってください。 【Tips】簡易的に見分ける方法は、針やカッターの刃先を当て滑るか否かで判断できます。ガラスの隅で行ってください。 滑る場合:ガラス 滑らない場合:フィルムが貼られたガラス・アクリル樹脂板・ポリカカーボネート・コーティングガラス ※熱処理されたポリカーボネートは判別できない場合があります。 |
専用フィルムあり 通常は貼り付け不可 |