[木部仕上げ]について

木製家具には塗装が必要不可欠です。
塗装には美観を良くすること、木地を保護する事という二つの役割があります。

特に木材は「呼吸する」と言われるほど、室内の湿度を吸ったり吐いたり調湿をしながら日々伸縮を繰り返し時間と環境によって変化が起きやすいため、塗装をすることで変化を抑え、長くきれいにご使用頂けるよう仕上げられています。

オイル塗装とは

植物性のオイルを木の表面から導管に染み込ませて内部に浸透させ、オイルが内部で固まることで塗膜の代わりにする塗装のことです。

水や汚れに弱いデメリットはありますが、木そのものの美しさや質感、経年変化がお楽しみ頂け、ご自身でのメンテナンス(再塗装)がご家庭でも手軽に可能です。
また、樹脂で塗膜を作らないので樹脂剥がれがなく、純粋に木の経年変化を味わいとして楽しめます。
■手触り・見た目
限りなく木肌に近い、さらさらとした感触が特徴です。

■性質
表面に塗膜を形成していないため、水分が沁み込みやすく、傷や汚れが付きやすいです。
過酷な環境でない場合、空気中の水分を取り込んだり放散するという木本来のはたらきにより、空間を調湿する効果があります。

■メリット
・植物性のオイルなので、環境や人に優しい
・限りなく木肌に近い自然な風合い
・調湿効果がある
・過程で簡単に傷や汚れのメンテナンスが出来る
・使い込むほどに味わいが出る

■デメリット
・水分が染み込みやすいため、輪ジミができやすい
・ウレタン塗装に比べ、環境の変化(過度な直射日光や冷暖房の直撃)に影響されやすい
・木の割れや反りが起きやすい

ウレタン塗装とは

木の表面にウレタン樹脂を主成分とする塗料を用いた塗装のことです。木部の表面に吹き付けることで、膜をつくりコーティングします。
オイル仕上げに比べて水や汚れが染み込みにくく、拭き取ることで簡単にお手入れができますが、傷が付いたり劣化による表面の樹脂剥がれが起きると個人でのメンテナンス(再塗装)は困難です。
■手触り・見た目
表面の塗膜により、ツヤツヤとした質感となめらかな肌触りが特徴です。

■性質
塗膜があるため、オイル塗装に比べて水分が沁み込みにくく、傷や汚れが付きにくいです。
湿度や乾燥などの環境の変化にも影響されにくいため、木の割れや反りが起きにくく、安定した状態を維持することができます。

■メリット
・なめらかな肌触り
・オイル塗装に比べて水分や汚れが沁み込みにくく、傷がつきにくい
・環境の変化に影響されにくく、木の割れや反りが起きにくい
・定期的なメンテナンスの必要なし

■デメリット
・経年変化による味わいが出づらい
・表面にツヤが表れ、木本来の肌触りを感じられない
・深い傷がついた場合や高温により変色した場合、家庭での修復ができない

オイル仕上げをお勧めする理由

オイル仕上げの無垢材は木肌をウレタン等で塞いでいませんので、木が持つ本来の肌触りや質感を残し、時間の経過とともに色味に変化が生まれ、使い込むほどに深みが増します。

樹齢80~100年の立派な成木を使用するマルニ60 フレームチェアでは、長い成長過程の中で様々な環境条件に耐え生き抜いてきた、木本来の姿を感じられるオイル仕上げがお勧め。

生活の傷がつくこともございますが、その変化と同じぐらい手になじみ愛着が湧いてきます。ちょっとした傷や汚れはサンディングし、お手入れが出来るのも嬉しいポイント。

素材の風合いを活かしながら、多くのメリットを持った仕上げとなります。

オイル塗装とウレタン塗装は、木製家具の塗装の中でも代表的な塗装方法です。それぞれメリットデメリットが異なるので、ライフスタイルに合わせてお選び頂くことをお勧め致します。

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